【政府が音頭を取るとろくなことがない】
2020年度から小学校の授業でコンピュータプログラミングを必修に、そして中学・高校でも
選択科目から必修科目にすることを文部科学省が検討しています。
小学校でのプログラミング教育を必修化を検討…朝日新聞DIGITAL
政府はAI(人工知能)に関しても、その研究支援を基本政策に盛り込むようです。
人工知能関連政策に見る政府の”本気"とマイルストーン…ZD Net Japan
正直言って、今話題のコレに乗って見ましたというのと、遅きに失した感がありありです。
プログラミングに関してはプログラム言語にはトレンドが存在し、今、学んだ技術は決して
無駄にはならないのですが、あっという間に時代遅れのものになってしまうので、授業で
何を教えるのかが肝心だと思います。
私なんかは「プログラムを組めます」と自信を持って言えるのは、昔のBASICとFORTRAN77
そしてZ80アセンブラくらいです。もう化石となってしまったプログラム言語です。
プログラミングに沿った思考というのは大事ですので、コンピュータソフトウェアの概念と、
普遍的なアルゴリズムに関しての教育を重視し、プログラム言語はそれこそ枝葉末節的な
ものとしてとらえてほしいと思います。
「AIが創作した創作物にも知的財産権を与えるように検討する」という点は、一瞬「おっ」と
思いましたが、諸外国ではとうの昔から進めていた話なんですよね。
一億総プログラマー時代に突入すると、ただでさえ「ITドカタ」と言われているSE、プログラマーの
価値はさらに低くなってしまうのではないかと危惧しています。
AIがさらに進化すると、プログラミングそのものもAIが行うことも十分に考えられますし、
すでにそのような技術がではじめています。
そうなると当然IT関連の職業に就いている方の社会的地位は低いものとなってしまいます。
それなりのスキルを持った貧乏技術者があふれかえる社会…というのもブラック国家らしくて
趣のあるものかもしれません。
【激安!クールジャパン】
似たような状況になっているのが漫画・アニメといった、いわゆる「クールジャパン」コンテンツ
クリエイターですね。
高性能化したパソコンとソフトウェアを使うことで、誰もが簡単に漫画やアニメを作ることが
できるようになりました。
一億総漫画家の時代に突入したと実感できるのはPixivを見れば一目瞭然です。
プロとアマチュアの境界がなくなり、出版社もブログやPixivから新たな才能を見出そうと熱心です。
ですが、その新たな才能を大事に育てるのではなく、いかに安く使い、旬のうちに稼がせて、
用済みとなったらポイ捨てという、かつての漫画家残酷物語の新章が始まっただけにすぎません。
これはアマチュアが「書籍化されるのが夢よー」と、激安で必死に売り込みをしていることも一因です。
ウケそうなウェブマンガを原稿料ゼロで契約、コミック化で印税払いのみ…【ネタ倉庫】
本業が別にあって、趣味で漫画を描いている方ならよいのでしょうけど、プロの漫画家として
活躍したい、という方たちがこのような行為をしていることは、中間搾取がますますひどくなり、
作者自身の首を絞めることになり、ひいては業界全体がダメになるという悪循環に陥ってます。
妻は以前はプロの漫画家で、しばらくのブランクがあり、最近また執筆を再開しましたが、
周りを取り巻く環境の厳しさを感じているようです(この件は質問されてもお答えできないので
ご了承ください)。
【創作活動にも人間vs人工知能の構図】
新しいものを創り出していく、というのは人間の優位性だとおもわれてきましたが、こんな記事が。
人工知能は小説を書けるのか…PC Watchニュース
小説家もうかうかとしていられませんが、実際に運用を始めたAIも。
記者も唖然「記事を書く人工知能」が登場 腕前は…dot.アエラ
人情味がある記事も書けるということで、ジャーナリストの存在意義が危うくなりそうです。
人工知能が描いたアスカのイラストが幼児レベルでじわじわくるけど何気にすごい…ねとらぼ
ちょっとこれはスゴイですよ!3歳くらいの女の子が描いたような絵ですが、なんかカワイイ(*^▽^*)
この人工知能を作られたenpitsuさんは本業はイラストレーターです。
プロの研究者ではなく、この分野ではアマチュアの方だということも特筆すべきことです。
最近はそこいらのパソコンショップで売られているグラフィックボードに乗せられたGPU
(グラフィックプロセッシングユニット)の持つ強力な演算能力を使って、人工知能のキモとなる
ディープラーニング(深層学習)を行わせることが流行りになっています。
私も最近勉強し始めたコンピュータ言語Python(パイソン)は、AI開発用のライブラリも充実しており、
アマチュアがPythonを使って人工知能の開発に取り組むようになってきました。
人工知能が人間のクリエイターに迫る日は目前になってきています。
私の予想では10年以内に、ウケるマンガキャラを描けるAIが登場するのではないかと思っています。
【食えなくなったクリエイターであふれる未来】
ハングリー精神がよりよいものをつくりあげる…のは一面真実ですが、ほんとに食べられなく
なったら、創作どころか餓え死にしてしまいます。
クリエイターを取り巻く環境の厳しさを憂う記事を、私が愛読しているブログに書かれていました。
サンロフトの本とテレビの部屋
サンロフトさんのブログ記事は80年代~90年代の懐かしいパソコンについての回顧録があって
楽しく読んでいるのですが、コンピュータの能力が上がり、人の生活に溶け込んでいくほどに、
色々な社会問題を生み出すようになってきましたね。
あなたは大丈夫?10~20年後、人工知能に奪われる職業100…ITmedia ビジネス
サンロフトさんが提言されているように、ベーシックインカムの導入で最低限の生活保証をし、
自由にものづくりができるようにしたほうがよいのかもしれません。