コンピュータ遺産?PC-1500発掘 | こむぎブログ~猫とコンピュータ~

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3匹のお姉ちゃん猫と3匹の弟分猫たちの日常と6匹の猫たちが登場する変な猫マンガ。
そして昔のパソコンあれこれ。

楓「きな姉、こんなのポケコンが出てきた。」
きなこ「あら、これはポケットコンピュータ。初めて見るわ。」
麦ちゃん「コンピュータ?確かにキーボードはついてるけど、変なの。」
銀ちゃん「私にはわからないわ。」
きなこ「だって30年前のコンピュータよ。」

棚の奥からこんなのが出てきました。

【ポケットコンピュータPC-1500】
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電池が液漏れしていて動きませんでしたが、10年ちょっと前くらいまでは、関数電卓としても使えるので、
結構使っていました。

このシャープ製のポケットコンピュータPC-1500についてはこちらが詳しいです。
BLUESS Laboratory~ブルースの「ガラクタ」実験室 …PC-1500の記事です。

表示は白黒液晶で横144ドット、縦8ドットです。
CPUはシャープオリジナル8ビットCPUのLH5801
メモリは3.5KB(メガバイト、ギガバイトではありません)です。

当時のパソコンと言えば、NECのPC-8001、シャープのMZ-80、日立のベーシックマスターレベル2が
登場していて、富士通が初めてのパソコンFM-8を投入した頃です。

1980年頃のパソコンはBASIC言語でプログラムを組んで利用するという使い方が主でしたが、
当時のBASICは計算精度は単精度6ケタという、科学技術計算に使うにはちょっと厳しいものでした。

また、パソコンも本体価格が20万円程度で、これにディスプレイやプリンタを揃えると50万円、
さらにフロッピーディスクドライブも加えると100万円近くになるような時代でした。

そんな中で登場した世界初のポケットコンピュータPC-1210(シャープ)は29,800円と低価格で
ありながら、ちゃんとしたBASIC言語を搭載し、白黒1行だけとは言え、文字も表示できる
液晶ディスプレイを搭載し、これだけでコンピュータとして使えるものになっていました。
ポケットコンピュータ(ポケコン)は、10桁の計算精度を持っており、科学技術計算にも使えるものでした。
メモリ容量の少なさと計算速度の遅さは価格とのトレードオフで犠牲になっていましたが、
パソコン入門機としてだけでなく、技術計算を必要とする現場でも重宝されヒット商品になりました。

このPC-1500は、世界初のポケコンPC-1210の後継機で、処理速度は10倍にアップされ、メモリも
増設することで最大16KB(キロバイト)まで拡張できるものでした。
別売の4色カラープロッタプリンタを接続すると、4色ボールペンで文字や絵を描くことができました。


きなこ「なんだか大昔の話をされてもピンとこないわね。」
楓「電卓の画面じゃん、カラーじゃないしつまんないよ。」
麦ちゃん「29,800円って言ったら、今ならノートパソコンが買えるわよ。」
きなこ「電卓だって出た頃は50万円もしたのよ。」


ポケコンは実用性も高く、コンピュータの基礎を勉強するのにも最適でした。
現在はポケコンは工業高校などで細々と使われているだけの存在になってしまいましたが、
電子手帳、PDA(携帯情報端末)、スマートフォンの直系の遠い先祖であり、そのような機器を
日本が初めて作ったことは誇りに思ってもよいのではないでしょうか。


ポケコンの絵文字、昔のパソコンの絵文字を作りました。
ええ、需要は絶対にないでしょうが(;^_^A

ポケコン…ポケットコンピュータPC-1210
MZ2000…8ビットパソコンMZ-2000
X68000…16ビットパソコンX68000

どれも私が使ってきたパソコンです。
今となっては懐かしいだけで、とても仕事には使い物になるようなシロモノではありません。
高性能なPCが安く手に入る時代になり、PCは愛着をもって使うものではなく、
単なる消費財になってしまいましたね。