今日は休憩で別のトピックを。

 

今日のローカルネットワークでの話し合いでも出た医療について。

 

実は、母がここ1ヶ月ほど入院していて明日退院するのだが、医師とのやりとりで考えることがでてきた。

 

病気の治療法としてプレドニンというステロイド系の薬を飲んでいるのだが、数日前に母が病院の売店で売っていた週刊誌を目にした。医療現場の特集が組まれていて、「現役医師たちの内部告発―よけいに悪くなる『薬と手術』の全実名」という記事があった。

 

それによると、医師が考える「飲み続けてはいけない薬」のリストにプレドニンも含まれているのだ。

 

これですっかりパニクってしまった母を見て、慌てて僕もその記事を読んでみた。確かにプレドニンのところには、「人間の身体からの本来のステロイド分泌に影響が出る」と書いてある。

 

そこで、長年医療業界にいた妻に記事を見せて、相談する。

 

すると、その記事はかなり一方的に書かれていて、偏っているということだった。

 

そこで、どこがどう偏っているのかと訊くと、薬の副作用というのは、どのぐらいの量を飲むのかや、服用期間がどれぐらいなのか、その他その患者の状況によってすべて変わるので、一言で言えることではない。にもかかわらず、その記事にはそうした詳細が一切書かれず、一般論でまとめてしまっていると。

 

そう言われて、もう一度読み直してみると、確かにそうだった。

 

とはいえ、副作用がある可能性があることは事実で、これは以前医師に訊いた時も言っていた。

 

このままでは母は薬を飲むことをやめると言っているので、僕としても何らかの解決策を見つける必要があった。

 

それで、不安ならば、まずは病院のお医者さんに直接訊いてみることを母に勧めた。

 

とはいえ、母だと話がまとまらないので、僕が質問を考えて箇条書きにして書いた。

 

1、プレドニンの副作用が出る可能性があるのは何ミリグラム以上からか?

2、プレドニンの副作用が出る可能性があるのは、服用期間がどのぐらいからか?

3、どんな副作用が出るのか?

4、それに対する対処法はあるのか?

5、漢方等の代替医療で、プレドニン以外の治療法はあるのか?

6、あるいは、プレドニンと併用してできる代替医療はあるのか?

 

そして母は週刊誌の記事のコピーとその質問事項を先生に見せて質問した。

 

以下がその回答だ。

1、量よりも期間が重要です。長期になると副作用が出ます。

2、数ヶ月以上

3、多様です。

4、

5、ありません。

6、ありません。

 

プレドニンを中断する方がはるかに危険です。副作用を恐れるより、飲まないことの方がずっと危ないです。

 

なるほど。つまり飲む以外、選択肢はないということか。

 

ただ、そうなると気になってくるのが、副作用への対処法だ。

 

最低でも1年ぐらいは飲むことになると言っていたので、数ヶ月以上という副作用の対象になってくるからだ。

 

ところが、その対処法についての答えが何も書かれていない。先生も何も言わなかったそうだ。

 

副作用が多様なので対処法も多様で、いちいち書いていられないということなのだろうか。

 

あるいは対処法がないのか。

 

あるいは対処法をその先生は知らないのか。

 

この辺の疑問が残る。

 

これについては後日確認しなければ。

 

母によると、先生は週刊誌の記事を見せたことに激しく反応していたようで、こんなもの信用できないと言っていたとのこと。しかし、記事は読まなかったと。

 

せめて記事に目を通し、信用できないのなら、どういう理由で信用できないのか言えばいいのに、と僕は思った。

 

理由が分かれば納得する人もいるのだ。

 

対処法に対しての説明も不十分で、そもそもそうした説明が不十分だから患者は不安になり、こうした週刊誌の記事を鵜呑みにしてしまうのではないだろうか。

 

もちろん、僕はその医者が悪いとか言うつもりはない。おそらく忙しくて、いちいち時間をかけて説明していられないのかもしれない。あるいは、下手に説明して患者が飲まないことを選択することを恐れ、とにかく飲んでくださいと言ったのかもしれない。

 

ただ、日本の医療現場や教育現場によく観られる構造に慣れ切った結果、こうした対応が起きているとも感じる。

 

先生は偉い人で、先生の言うことは黙って聞くという日本の風土。

 

だからいちいち細かく訊いてくる患者はほとんどいないので、うざい患者だと思われているのかもしれない。

 

でも、そうした風土から生まれたティーチングの限界から、コーチングが人気を得ているのではないか。

 

主役は患者であり生徒で、彼らにきちんと情報を提供し、自ら選ばせるというやり方。

 

欧米ではこれが当たり前になってきている。実は、英会話スクールに勤務していた時、同僚の外国人講師を何度も病院に連れて行ったことがある。その時必ず問題になったのが、日本人医師と外国人患者のコミュニケーションのズレ。外国人患者はきちんとした説明を求めるのだが、それに対してきちんと説明できる医師が少なかったこと。

 

その度に外国人講師から言われたのは、「医者は科学者であるのに、なぜ論理的な思考ができないのか? こんなことはアメリカではありえない」

 

確かに、説明なしに、「これはよくない」「私の言うとおりにしてください」というのはどこかの宗教の教祖が言うことであって、医者が言うことではないと僕も思う。

 

同様に、具体的な理由を述べずに、週刊誌の記事だから信用できないと言うのは、一方的に記事を書く記者と、結局のところ同レベルではないかとも思える。

 

僕としては、とにかく、プレドニンをやめることが、危険という形容詞を使うのではなく、できれば具体的にどうなるかを教えてもらいたい。その状態が危険かどうかを判断するのは患者だ。

 

あとは、副作用に対する対処法。例えば免疫力が低下するのだったら免疫力を高める方法があるはずだ。

 

その辺をきちんと教えてくれれば、患者もより安心して薬を飲み続けられる。

 

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