常に「問う」という問題意識を持つことが、哲学者・思想家のあるべき心構えである。さすれば、常に、日々、自らの考えが進んでゆき、自己の思索が「意識の流れ」として流転して、進歩向上して、イノベーションされて、よく考えられ、練られつづけてゆくのである。
「智徳合一」というソクラテスの美徳は、哲学者の本分である。その意味で、確かに、「無知の知」を自覚するのも知的廉直の美徳の顕われでもあるが、智慧があるということは、高貴なる美徳であり、智徳は一つの立派な「格」であり、人格の基本なのである。故に、「学問のすすめ」があるのである。
人は、時に休む時があってもよいが、基本的に、日々、進歩してゆくものであり、たとえくり返し同じようなものを読んで思索していても、その思索の内容は、様々な人との対話や経験も相まって、より進歩発展・止揚統合されてゆくものである。
人間の本質とは、考えるエネルギーであり、思索するということは、最高の仕事であり、哲学者思想家の天職なのである。
確かに様々な人生を経験することも大切ではあるが、それは、人それぞれであり、人は人、自分は自分である。人生は多種多様であるから、人間の人生をひとくくりにすることは出来ないのである。
故に、自己の唯一無二のかけがえのない人生を、「独立自尊」の気概を持って、自己信頼を持って、天道として、本性の道として、確かに歩みつづけることである。
天川貴之
(JDR総合研究所・代表)