哲学とは、人生の本質を洞察することであり、人生を貫く真理を洞察することである。
小説とは、そこに真理の言葉を散りばめる舞台であり、様々な形の人生の舞台でもあるものである。
セリフの一言一言に、光がこもるのである。そこに、世界中の文学者達の光がこもるのである。
小説の本質とは、人生の洞察であり、深く人生を観るということである。従って、人生の実存の中に、真理を発見して、それを小説の中に顕わしてゆくことである。人生の中の本質を、光として呈示してゆくことである。
釈迦であっても、イエス・キリストであっても、シェークスピアであっても、ゲーテであっても、トルストイであっても、人類における歴史上の偉人達は全て、真理の光の言葉を遺しているものである。
真理こそ実在であり、この真理の光こそ、小説の核なのである。人生という舞台の中に、様々な光を創造してゆくことこそ、小説の使命である。
光のみ実在であり、小説の中で、光を掲げてゆくことこそ、小説家の使命である。
たとえそれが一大光明芸術であっても、そうでなくても、小説の中に光を発見してゆくことである。光の一行一句を発見し、創造してゆくことである。
小説家が培う全ての教養は、そのための助けとなるものである。どんな人の人生の中にも、宝石のような真理の言葉があるものであり、それを発見し、創造し、表現してゆくことである。
人生においては、愛のみが真なる実在であり、愛を、小説の如く、自己の人生の舞台の中に様々に創造してゆくことである。
天川貴之
(JDR総合研究所・代表)