辞世67 | コラム・インテリジェンス

コラム・インテリジェンス

透き通るような心が…ほしい…。

この時期、秋の気配を

感じる人と、そうでもないという人、

人はそれぞれでも鈴虫は確実に

鳴き出しているようです。

早朝に窓を開ければ爽やかな空気が

流れ込んできます。

素敵を感じるのも春よりは秋。

もちろん焼きナスやサンマも

秋を彩るうれしい一品。

近頃ではフレンチだのイタリアンだの

わけわからんカタカナ料理が

増えているけど、やはり焼きナス、サンマとくれば、

日本人には日本人の食べ物が最適であるとも

思われなくもなく、なにより大切なのは、

どのような気取った輩でもひねくれ者でも、

爽やかな風と焼きナス、サンマに絶対

反対する人も少なく、この時こそ、

日本人みんなの総意が整う時も

あろうかという共鳴の喜び。

フレンチもイタリアンでもいいけど、

さつまいもとか栗羊羹も

忘れてほしくない秋であるとも

思われなくもないのです。

 

「すべて美しいものは、〈美〉によって美しい。」

(プラトン「饗宴/パイドン」

 

プラトンのいう美とは、

イデアであり、イデアは知によって

形成されるものである

ということですので、

ここではプラトンは、

美しい人が知を身に付ければ

より美しく、

そうでない人も知を身に付ければ、

それなりの美しさを手に入れることも

可能であると言いたいのかも知れません。

 

「美そのものを観照することができるのだとしたら、もしどこかにそれがあるとするならば、今ここにおいて、この地点で、人生において、人間にとって生が生きるに値するものなのである。」

(プラトン「饗宴/パイドン」

 

プラトンにとってのイデア、

美すなわち知性であり善性であるものを、

もし人間がその人生において

観照できるのだとしたら、

今その地点、その時点において、

輝いていなければならない、

ということなのかも知れません。

その地点、その時点において、今

ということは、そこまでに、それまでに、

常に知性と善性を磨き続けてこそ、

プラトンの美であるイデアそのものに

到達することができる、

ということでもあるのかも知れません。

 

「美しい文言は真実、知性に固有の光である。」

(ロンギノス「崇高」)

 

美しい文言を発露するためには、

知性と教養、善性と美徳を

身に付けておくことであるとも

思われちゃくもないのでごわす。

 

「髭を伸ばすと、美しい男は一段と立派に見えるが、醜い男はよりいっそう醜さが増す。」

(プルタルコス「英雄伝」)

 

醜い人ほどシンプルに。

容姿に自信がもてないのであれば、

よりシンプルに、清潔感とさっぱり感と

整えている感を打ち出したほうが、

よっぽど身ぎれいに見えるのに、

まったくこの逆をいっている人も

けっして少なくはないのかも知れません。

 

「秘密を打ち明けられたならば、財貨を委託されたときよりも大切に守ること。」

(「西洋古典名言名句集」京都大学学術出版会)

 

アタリマエ。

アタリマエはアタリマエに

守らなくてはならぬような

気もしないでもないのです。