ボラティウス3 | コラム・インテリジェンス

コラム・インテリジェンス

透き通るような…心が…ほしい

いま生きていることを楽しむ秘訣は、

アタリマエに感謝の気持ちと謙虚さであると

結論付けてもなんらの問題もないようです。

 

余命宣告以前から、なんとなく

思っていたことが的中して、

余命宣告後はそれがさらに

加速しているようにも思われるのです。

 

感謝がすべて、謙遜こそが至高

であると考えられなくもないのです。

 

「だからといって人類は、けっしてやめない。

不平不満で涙を流すことを。」

(「哲学のなぐさめ」ボエティウス/京都大学学術出版会)

 

人間の欲望にはきりがないようです。

自分のなかで次々と

湧き上がる欲望に翻弄され、

それが達成されなければ

不平不満の涙にくれ、

それが達成できたらできたで今度は、

さらなる欲望からまた次の欲望へと、

まあ、実に、卑俗で情けないような

気もしないでもないのです。

 

「すでに手に入っているものは無しと見なされて、新たに獲得したものをむさぼる。」

(「哲学のなぐさめ」ボエティウス/京都大学学術出版会)

 

なんという卑俗さでしょう。

人間はなんと下品で醜悪な生き物なのでしょう。

 

今、冷凍冷蔵庫内に

貯蔵されている食物はさておき、

 

今、その瞬間、自分が欲する食材を優先し、

新たに獲得したものをむさぼる。

 

自分で自分が

恥ずかしくなるような気もしないでもないのです。

 

「荒れ狂う強欲は、別の大口をあけるのです。」

(「哲学のなぐさめ」ボエティウス/京都大学学術出版会)

 

ないものねだり。

人は常に何かを欲している。

寂しい哀れな生き物に見えます。

 

「足るを知る」

 

当コラムにおいては、

最も引用している文言であるかとも思われるます。

 

「あなたが、喜ばしいものごとや悲しいものごとの数と量を鑑みれば、いまなお自分が幸いであることは否定できない。」

(「哲学のなぐさめ」ボエティウス/京都大学学術出版会)

 

いま生きているだけで幸い、

いまそこにあるだけで幸い、

 

人はだれも、自分の悲惨さを

あからさまにすることなどできないようです。

 

「幸運が離れて去ったゆえに、いま、自分が運に恵まれているとは考えられないのであれば、それを悲惨だと思う理由はない。なぜなら、その悲運もやがて離れていくのだから。」

(「哲学のなぐさめ」ボエティウス/京都大学学術出版会)

 

物事に恒常性はありえない。

すべてに恒常性を期待すること自体、

バカげた妄想であるのかも知れません。

 

「あなたはなにが大切だと思いますか?あなたが死んで運を捨て去ることですか?それとも運があなたから逃げてあなたを捨て去ることですか?」

(「哲学のなぐさめ」ボエティウス/京都大学学術出版会)