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透き通るような…心が…ほしい

 2022年1月1日

 世界最大規模のRCEPが発動発行されました。

 

 RCEP(地域的包括的経済連携)というと小難しいけど、

 日本と中国・韓国・ASEAN・

 オーストラリア・ニュージーランド等々が参画する

 アメリカにもロシアにもEU・ユーロ圏にも負けない

 巨大経済圏の誕生・幕開けともなりそうなのです。

 

 大いに期待できます。関税も旧ルールも撤廃され、

 新しいルールがこの巨大圏のなかで動き出すのです。

 

 もう欧米・ロシアの時代ではない、

 と信じたいとも考えているのです。

 

「もし神が人間の祈りをそのまま聞き届けていたならば、人間はすべて、とっくの昔に亡びていたであろう。

 というのは、人間はたえず、互いに無知ゆえに、多くの惨いことを神に祈ってきているのだから。」

(「西洋古典叢書断片集/エピクロス」京都大学学術出版会)

 

 神であろうが何であろうが、

 人が何かを得たり、したり、やったりしたのなら、

 それがどこかで誰かに影響を与えてしまうということさえ、知らずに願ったり叶ったり祈ったりする輩が後を絶たない。

 

エネルギー不滅の法則を知らずとも、そのくらいの理屈はわかるだろうと思うのが間違いで、そんなこともあんなことも知らずに生きているオトナは多いようにも思われるのです。

 

それをわかったうえで祈るのなら

ご自由にどうぞ、というスタンスではありますが、

たとえば、銀行強盗をすれば被害者が出る確率は高い。

 

それをわかったうえで銀行に押し入るのなら

ご自由にどうぞ、というスタンスではありますが、

 

 許されざる者とは、

 何も考えずに、知らず知らずのうちに、人を傷つけてしまう人。

そしてまた、人を傷つけた自覚もなければ、被害者を出してしまった自覚もない“許されざる者”が増殖しまくっているようにも思われなくもないのかも知れません。

 

「快の存しないがために苦しんでいるときには、我々は快を必要とする。」

(「西洋古典叢書断片集/エピクロス」京都大学学術出版会)

 

 僕は金にも名誉にも何にも拘りもないから、

 それらが存しなくても苦を感じることもないと思われます。

 が、しかし、なのです。

 僕は今、ジジィのくせに片思い中。

 彼女と寝られないことが僕の快を邪魔しています。

 僕は今、その快をたいへん必要としているようなのです。

 

「しかし、我々が感覚できる範囲内に、苦の存在を感じないときには、すこしの快も必要としない。」

(「西洋古典叢書断片集/エピクロス」京都大学学術出版会)

 

 だから、アタリマエに、昔から謳われているように

 僕は彼女と「出会わなければよかった」

 「彼女と出会わなければ、この苦しみもなかった。」と、強く感じているのです。

 

「ただし、自然的な快は、我々に不正を行わせることはなく、むしろ、虚飾と虚栄に満ちた快こそが、我々に不正を行わせるのである。」

(「西洋古典叢書断片集/エピクロス」京都大学学術出版会)

 

 異性に対する性欲が我々に、

 不正を行わせる状況というのは少ないとも思われますが、

 

 虚栄虚飾・金銭欲・出世欲・財産欲・名誉欲・地位欲等々、

 醜悪なる快を求める人々は、

 それらがないときに苦を感じるほどに弱虫で、それらがないと怯えて、徒手空拳、文武両道、己の力だけで生きていくのが怖くてどうしようもないほどの弱虫毛虫挟んで捨てろと云われるくらいの、どうしようもない男であると言ってもけっして過言ではないと考えています。