「そうした無用の大衆がたとえまったく努力をしなくても、食べ物や支援を受けられるようになるかも知れない。
だが、彼等には何をやらせて満足させておけばいいのか?
そうでもしないと彼等はろくでもないことをしでかすのだから。
人は何かをする必要がある。することがないと、頭がおかしくなる。
無用と認定された彼等は一日中、何をすればいいのか?
薬物とコンピューターゲームというのが多くの答えであるのかも知れない。
必要とされない人々は、バーチャルリアリティーの世界でしだいに多くの時間を費やすようになる。
その世界は、自分の現実の世界よりも刺激的で、そこでははるかに強い感情を持って物事に関われるのだろう。
とはいえ、そのような展開は、人間の人生と経験が神聖であるという自由主義の理念に致命的な一撃を見舞うことになる。
夢の国で人工的な経験を貪って日々を送る無用な怠け者たちの、どこが神聖だというのか?」
(「ホモ・デウス」ユヴァル・ノア・ハラリ)
どのような人にでも生きる権利はある。
が、その権利にはアタリマエに義務も伴う。
社会に貢献できる最低限度の基礎知識の習得と経験が、その義務であるのかも知れません。
どのような人にでも自由である権利がある。
が、その権利にはアタリマエに責任も伴う。
女性を敬い護ることと、たとえそれが男であっても自分よりも社会的弱者であれば労わらねばならぬ義務があるようにも思われます。
「自由主義の致命的な矛盾は、
自由主義は人間の価値を信じているだけでなく、個人主義をも信奉してしまっているからである可能性が高い。」
(「ホモ・デウス」ユヴァル・ノア・ハラリ)
自由主義であれ個人主義であれ、
共産主義であれ資本主義であれ、
主義主張と名のつくものには必ずといっていいほどの矛盾や欠陥が見いだせるようです。
が、
我々はそれらのバランス、中庸をいいとこ取りのように種々選択し、我々独自の哲学を打ち立ててゆくのが肝要であるとも考えられなくもないのです。
「将来的にグーグルは、
『あなたのことは生まれた日からずっと知っています。あなたのメールは全部読んできたし、電話もすべて録音してきたし、お気に入りの映画も、DNAも、心臓のバイオメトリックの経歴も全部知っています。
あなたがしたデートについても一つ残らず正確なデータを取ってあります。お望みなら、ジョンあるいはポールとしたデートのどれについても、心拍数と血圧と血糖値を秒単位で示すグラフをお見せすることもできます。
必要なら、二人のどちらを相手にしたものであれ、性的経験の一つ一つの正確な数理的ランキングでさえ提供できます。
そして当然ながら私は、あなたを知っているのと同じくらいよくあの二人も知っています。これらいっさいの情報と、私の優秀なアルゴリズムと、何百万もの人間関係に関する数十年分の統計に基づくと、ジョンを選ぶことをお勧めします。
長期的には、彼のほうが、より満足できる確率が87%ありますから。』とまで語れるようになる。」
(「ホモ・デウス」ユヴァル・ノア・ハラリ)
個人的には是非、
お願いしたいと思います。
彼女と、僕と僕以外の男との満足できる確率を
是非ともグーグルに数理的に示していただき、
それを彼女に見せて頂きたい。
「ジョンともポールとも比較しても、
誰と比較しても〇〇(アリストス)が最も、
貴女に適している男性であることは疑う余地もありません。」
それは僕がどのような言葉、行動で示すよりも
彼女を説得できるようにも思われなくもないのです。
悔しいけど・・・。