エレノアの呪縛 | コラム・インテリジェンス

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透き通るような…心が…ほしい

「女性は、全てにおいて、男よりは優秀である」
 
印象としても経験上も、このような思いを抱くようになったのは、
エレノア・E・マコービィの影響もあるのかも知れない。
 
幼少期にしても「女の子はオマセである」などと言われるように、
幼少期にしてすでに、女性の方がオトナなのである。
 
これは自我の発達とともに生育された自己が、
男の子は、より自己中心的な情動に走るのに比べ、
女の子は自己を社会性の一環として捉える傾向にあるからだという。
(「性差の発達」エレノア・E・マコービィー)
 
「女の子は自己の喜びよりも他者の歓びを自己の満足度に加算する」(エレノア)
 
幼少期にしてすでに男の子は自己しか見えていないが、
女の子は他者の情動をも視野に入れる傾向が強いということなのかも知れません。
 
「男は○○、女は○○」といったステレオタイプの見解が
まかり通ってしまっていた60年代の心理学の世界に、
エレノアは一石を投じたというようにも思われなくもないような気もしないでもない。
 
「女の子の知的発達は、その固執性と能動性によって育まれる」(エレノア)
 
女の子は、他者への心遣いという社会性への固執が、
より積極的に発揮されることにより、さらなる自分磨きを身に付けていく。
 
このことに気付き始めた男たちは自己防衛のためだけに、
より自己主張を強め、職業的にも「男の仕事、女の仕事」というステレオタイプに
より一層固執するようになったらしい。
 
「本気を出されたら、女には敵わない」という無意識の危機が、
一部の男たちを、より男尊女卑の思考へと偏狭させていく。
(「性差の心理学」エレノア・E・マコービィー)
 
僕くらい小狡賢く、了見の狭い男になると、
優秀な女性と協調して何かを生み出すことが自分自身の生き残る道であると確信し、
女性をより際立たせることで自分自身も輝きを得ようと企む。
 
「女性は、いっそうの努力をはらい、いっそうの関心を持ち、よりよい作業習慣を会得する」
(「性差の心理学」エレノア・E・マコービィー)
 
その根本は、女性が己の歓びよりも他者の歓びを
大切にするという生来の気質に起因しているのかも知れません。
 
ファッションにしても、女性は幼少期より社会的感覚としての興味を示し、
男は「女にモテたい」という不純な自己動機が生まれてから興味を示しだす。
 
これではいつまでたっても、真にファッションを楽しめるのは
女性だけということになってしまうような気もしないでもない。
 
エレノアの着眼はすごい
個人的にはボーヴォワールの再来かとも思われるフェミニズム。
 
かくてボーヴォワールは、サルトルを獲得し、
エレノアは実り多き豊かな人生を獲得した。
 
「女性は、全てにおいて、男よりは優秀である」
 
僕が印象としても経験上も、このような思いを抱くようになったのは、
エレノア・E・マコービィの影響もあるのかも知れません。