いよいよ化学療法第二回目の日だ。

いつもより早く起き、軽くストレッチをし無調整豆乳をかけたシリアルとリンゴで朝食を終え、シャワーを浴びていざ出発。


前回同様に、道中はスマホのカーナビで最短ルートを進む。まだこの山道と急カーブ続きの道は2回目なので慣れないが、道中に信号が少ない為やはり早く着く。


採血と今回は検尿もある。

さっさと両方を済ませ、外来の長椅子で待つ。

看護士さんが検温に来る。


数日前から、CVポートの手術をした首元に痛みと腫れがある事。右腕だけ変色と腫れがある事を伝える。

すぐにもう1人の看護士が呼ばれ、2人にみてもらい「早めに先生に診てもらいましょう」と言う事になった。


そして大して待たずに主治医に呼ばれる。

急ぎで呼ばれたので、血液検査まだ結果が出ていない。

腫れや痛みがいつから続いているのか、変色や左右の腕の太さの違い等診てもらう。


予想通り、血栓の疑いがあるとの事で、それがどの程度か確かめる為に急遽CTを受ける事になる。


階を変え、CTの検査室へ向かう。

首と右腕を診るので、台の上でなるべく身体を左に寄せて、右腕を身体の上に持って来るようなポーズをし、ベルトで固定される。造影剤を投与されて撮影は何事も無く終了。


再度、外来へ戻り結果を待つ。血栓を溶かす薬を使うのか様子見か、最悪手術のやり直しと入院が必要かも知れないとの事だ。


名前を呼ばれ再度主治医の元へ。

CTの結果、やはり首に血栓があるとの事だ。

血管系の先生にどう言う治療をするか話をする必要があるとの事で、もう一度採血室で血を抜く事になる。


もう13時を過ぎているが、やはり食事などしている時間が無い。ある訳が無い。

ただ2時間ほど待たされるなら幾らでも買いに食べに行けるが、こうあちこち移動させられていては食べる余裕も無い。他の病院ではどうか知らないが、ここの医大で受ける以上前回がそうだったが、今後も昼食は諦めるしか無さそうだ。


更に1時間ほど待ち、アナウンスが掛かり三度主治医の元へ。


やはり血栓が出来ていたとの事。

CVポートから胸へ伸びる管の周りに血の塊が出来、腕からの血が上手く流れて行かない事から腫れや変色、痛みを引き起こしているとの事だ。


そして、血栓がある以上は化学療法も出来ないとの事で、今日の治療は突如中止となった。


血栓だが、入院手術や管を抜いてしまうのか血管の医者と相談した結果、飲み薬で対処しようと言うことのなり、血液をサラサラにする為の薬が処方される事になった。


だが、本来はこの薬は3ヶ月や半年飲み続けて効かせる物らしいが、こちとら化学療法を受ける身。

そうで無くても、第一回目の治療開始から医大側の都合で延ばされた治療を更にまた伸ばして良いのか。当然質問する。勿論、主治医との関係を崩したくは無いので、穏やかに。


曰く、1週間様子を見ようとの事だ。

血液の薬を1日1回飲みそれを1週間続ける。

上手くいけば来週には管が使えるようになり、化学療法を再開出来るとの事だ。


正直に言うと、その「上手く行けば」と言う言い方が不吉と言うか、いわゆる“フラグを立てる”事にならなければ良いが。


結局、何もせずに血液の薬と痛み止め、抗生剤を貰うだけで呆気なく今日の通院は終わった。


半端に早い時間なので、お会計も混む。

化学療法をしていないので金額は安い…が、イヤ来週また来て血液検査からお決まりの流れをやるのだから、寧ろ余計に払う事になるでしょうコレは…。


石綿救済が認められれば、遡って治療費も還ってくるうんぬんカンヌン。それっていつだよ…。

結局は支払額が増えただけだ。血栓の治療や痛み止めは大事だが1番肝心な癌の治療が出来ていない。


本当にコレで大丈夫なのだろうか。

選ぶ病院を間違えたか。貴重な1日と2万円弱をドブに捨てた気分だ。


会計後は薬局。当然、ここでも待つ。


骨折り損のくたびれ儲けしか無い通院だった。

痛み止めと血液の薬が効いてくれる事を祈るしか無い。