チャドウィック・ボーズマンという俳優を覚えているだろうか。

2016年に大腸癌を患い、闘病生活を行いながら俳優活動をこなしスーパーヒーロー映画「ブラックパンサー」でタイトルコールの漆黒のヒーローを演じるも、2020年にこの世を去った。


彼の代表作であった「ブラックパンサー」の続編に当たる映画「ブラックパンサー ワカンダ・フォーエヴァー」を今日ようやく鑑賞した。所謂MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)という、「アベンジャーズ」に代表される複数のスーパーヒーロー映画が作中の世界観を共有し構成される巨大な作品群の一つだ。元々は映画だけのはずが、今やTVドラマにネット配信のドラマと世界観を広げ過ぎて、かつては必死に追いかけていた僕もここ数年は追いきれなくなっていた。


自分の病気を機会に、改めて今後どこまで彼らの活躍を追い続けられるか試してみたくなり、未見だったシリーズの映画を見始めた。そのうちの一つがこの映画だ。


現実でのチャドウィックの逝去を受け、映画は冒頭から前作の主人公ティ・チャラ国王が未公表の病で一切画面に映らないままこの世を去る場面から始まる。

映画はその後も、彼の死を引きづりながら終始物静かなムードが二時間半続く。


悪くは無いが、詰めの甘い所も多い映画だが、スーパーヒーローも(もと言いそれを演じた俳優も)癌には勝てないと思い知らされる。


自分なんかよりも元気そうで、アクション映画の為にスタントマンは使えどかなり肉体も鍛えあげていただろうに、それでも癌が見つかって4年でこの世を去ってしまったチャドウィック・ボーズマン。

癌の場所も症状も違えど、最低限仕事に戻れればと通常レベルの筋肉トレーニングしかしていない僕は4年も生きられないんじゃ無いかと、本来なら元気を貰うべきスーパーヒーロー映画で少々気落ちしてしまった。映画に罪は無いが。


丁度、映画を見終えた頃にiPhoneが鳴る。

保険屋からだ。また書類を送るから書けとの事。一体何度目だか。

一応、コレでも父がこの保険屋と個人的に知り合いなので、向こうもこちらの事はよく分かってくれてはいる。とは言え、保険というのは面倒で複雑。そこのシステムは変わらない。知り合いだから事前にこういう書類を送るからこう書いてくれと教えてくれる。


この分だと、終末医療に入っても、管まみれの腕で書類を書かされるのだろう。

何でもスマホやタブレットで完結出来て、紙を減らそうなどと言う時代にどこまで時代に逆行しているのやら。

保険の更新等で直接会う時には、安物のWindowsタブレットを持参してそれで手続きをしてくるのに。


映画と保険の話で疲れたところに、メルカリから通知が来て出品物が一品売れた。

ダンボール箱に詰めて、ヤマト運輸まで持って行く。3500円程の売り上げになる。

少しは良いことがあった。


午後からは疲れたので昼寝をした。普段は薬を飲まないと中々寝付けないが、今日はよく眠れた。

ところで、CVポートの痛みは寝返りでもうつ伏せでも全く問題が無い。これはありがたい。

夢の中で家族と一緒にいた。退院して3日にもなるのに、要は僕は寂しがりや何だろう。

33歳にもなる立派なおじさんなのに。


明日はドライブへ向かう予定だ。だが、山へ行こうか道の駅巡りをしようか、おもちゃ屋さん巡りをしようかは決めていない。それぞれ全く方角も異なる。

明日は明日の風が吹くで、その時になってから決めようと思う。