昨日の身辺整理の一環で慣れないグラインダーを使ったせいか、疲れが溜まり起きたのは朝10時近く。

珍しく寝坊した。と言っても、寝坊したからと怒る上司がいる訳でもない。今の僕は自由なのだ!寝坊しようが遊びに行こうが、美味しいものをドカ食いしようが、誰も僕を止める者などいない!


何てしょうもない事を考えていても何も始まらないので、遅めの朝食を摂る。

僕はいつもシリアルに無調整豆乳をかけていただく。

病気になる前は、固形物は1日一食しか食べなかった。別に拒食症とかでは無い。寧ろ、ご立派なお腹をしているくらいだ。


介護福祉士をしていて、仕事中はずっと動き回る。人によりけりだろうが、僕の場合は固形物を食べて動くと具合が悪くなる。だから、介護の仕事をしていた時は朝食は甘く無い野菜ジュースを飲み、昼休みは無調整豆乳を飲み、夕食はちゃんと食べる。長年そんな生活をしていた。


それで健康上は何の問題も無かった…かは怪しい。実際、病気になっているのだから。


そんな訳で、病気して以降はいつも決まって3食きっちり食べるようになった。

朝は無調整豆乳をかけたシリアル、お昼は絹ごし豆腐を主食に昨晩の残り物。豆腐以外何も無い時はインスタントラーメンと卵を食べ、飲み物は甘く無い野菜ジュース。夜は弟か父が何か作ってくれる。僕は恥ずかしながら実家暮らしだ。家庭事情についてはまた今度触れる事にする。


と言う事で朝食の話に戻るが、今日は遅かったので豆乳のみにした。

飲み終えて軽くストレッチをする。腹部が痛む。主に下腹部。


病気の診断を受ける前に、大腸に腫瘍が出来ておりそれを取り除き、ついでに腹部に広がっていた炎症を取り除いたが、大腸…と言うか内臓は切って綺麗に繋いでも暫く痛みが出るのだと言う。個人差があり、治るまで数週間の人もいれば数ヶ月掛かる人もいるらしい。


これが手術による内臓痛なら良いのだが、悪性腹膜中皮腫でもお腹に痛みは出ると言う。どちらなのか分からない。動けない、耐えられない程の痛みでは無いしずっと続く訳でも無い。時々起こる程度だ。

どの道、まだ抗がん剤治療第一回目ですらこれからなのだから、その間は少しずつ癌は進行しているのだろう。治療が上手く行く事を願いたい。


朝食の豆乳を飲み終え、iPadで昨日から始めたアメブロを覗く。嬉しい事に何人かの方の目に留まった様だ。

いいねやコメントも頂けた。


その中で中皮腫サポートキャラバン隊なるものがあると教えて頂き、早速登録をした。

少ししてメールが返ってきた。今日の13時以降に向こうから電話が来るとの事だった。

時間的に少々不安があった。


僕は今日、長年使っていた敷布団を街のゴミ処理センターに持って行って処分してもらう事になっていた。

部屋の床が堅く、安物の貰い物の敷布団を二枚。自分で買った敷布団を一枚。三枚重ねで使っていた。これは介護の仕事をしていて、腰痛が悪化してしまったのも原因の一つではあるが、今は環境は変わり自分で買った敷布団一枚で十分になり、他の古い二枚は処分する事にした。

センターは予約制では無いが、寝坊した事や部屋の整理等をして二枚ある敷布団を丸めて車に乗せて、街の外れから外れまで車で行く。自分が悪いのだが時間を気にしてしまった。


とりあえず、今日の分の部屋と自分の私物の整理をする。元々物が多い部屋だが、片付けを始めて余計に酷くなり今やゴミ屋敷同然だ。やはり完全に片付けるまで日数が掛かる。先述の様に、詳しい家庭環境は後日まとめて紹介するが、今は訳あって実家の2階にある自分の部屋では無く1階にある和室を使わせて貰っている。将来的ににもここを使わせてもらう方が身体が弱った時にもトイレや通院時、最悪救急車で搬送されると言った時にもここなら移動しやすいのだ。


そうこうしているうちに、約束の13時となった。電話は鳴らない。

時間ピッタリに掛かってくる何て当然思っていないので、とりあえず休憩も含めてTVを付けて待つ。

14時になった。忙しいのだとは思うが、流石に用事があるのでこちらから電話を掛けさせてもらった。

どうやらキャラバン隊の方も色々と大変なご様子なので、後日改めてお話し出来るよう時間と日程の調節をしてもらい電話を切った。


よし!布団投げに行こう!


ところで、ゴミを“投げる”とは方言らしい。“捨てる”の意味だ。

例えば、元介護福祉士なのでいわゆる“ゴミ出し”もするのだが、僕らは「ゴミ投げ行ってきます」とか「コレ投げといて」などと言う。“捨てといて”とかも使わなくは無いが、圧倒的に“投げる”を使うのだ。


車に敷布団を詰め込み、前日に父から教えられた街のゴミ処理センターに行く。と言っても初めて行くところだから、iPhoneを取り出しマップアプリでガイドしてもらう。便利になった物で時代はもうカーナビ要らずだ。


ゴミ処理センターは自分の住んでいる畑や田んぼの近い街外れと正反対の方角で山の近くにあった。



何処から入って良いか分からず、うっかり事務所に入ってしまった。

事務の職員が丁寧に場所を教えて下さり、指定された場所まで車を走らせる。

専用のトンネルがありそこで車を止めて手続きをする。どうやら、このトンネルで車の“今の”重量を測るらしい。

料金とこの後、何処へ車を転がせば良いか説明を受け、その通りに場所を移動する。


大きなシャッターが自動で開き、中は如何にもな工場という趣き。

案内通りに進むと、作業場のおじさんが立っており車をバックで寄せる様指示される。

「布団はここに置いて」と言われ、その通りに布団を置き工場を出る。もう一度さっきのトンネルに行き、再度重量を測る。車の総重量の増減でゴミが何キロあったのかが分かり両金が決まる。130円だった。


安い。

大きい物だがあまり重くは無いので当然か。


呆気なく処分は終わり帰路に着く。


初めて行く場所と施設にほんの少しだがワクワクした。

元々ドライブが好きだから、知らない場所へ運転して行くと言うのは不安もあれど楽しいものだ。


今日はあいにくの曇りと帰りには止んでいたが雪だった。

北海道は未だに不意に雪が降るから、タイヤもまだ冬タイヤから交換していない。


そろそろタイヤ交換もしないと。いつもはオイル交換等メンテナンスも兼ねて、カー用品店でやってもらっていた。

病気して仕事も出来ない今、久々に自分でタイヤ交換をしてみるか。それもまた刺激になるし運動にもなる。

まあ、天候的にももう1、2週間は様子見だが。


さて、明日は身辺整理で出た不要物を売りに行こうかな。

それとも、筋トレをして無調整豆乳をグイッと飲んでゆっくり休むのも良いかもしれない。


そんな事を考えながら、今日の小さな小さな冒険は終わりを告げるのだった。