いつも☆いっしょ -111ページ目

いつも☆いっしょ

コウキ(2009年1月生まれ)は生後4ヵ月の時にDravet症候群という難治性てんかんを発症しました。
2018年10月にVNS(迷走神経刺激装置)植込術を受けるも、バシッと効いてる感も無く、これという薬にも出会えず、未だに月1回は重積。

VNSの話を聞くために大学病院へ行ってきた時のことです。備忘録を兼ねているので長いです。

側弯の経過観察も半年→年1回になったし、歯列矯正も諦めたし、大学病院へ行くのは数ヵ月ぶりでした。

予約時間を30分早く勘違いしていて、初診なのにまさかの大失態か?と大慌てで向かったら早く着きすぎてしまい拍子抜けでした。以前、大学病院に通院していた頃は遅刻常習犯だったけど、でもさすがに今日はヤバいでしょ、と本当に焦ったのでした。
脳神経外科のI先生には初めてお会いするので、コウキも一緒に行きました。以前にてんかんの講演会を聴きに行ったことはあったので見覚えのある先生でした 。



脳外待合で待っていると大学病院での外来日だった主治医と遭遇。

 主『今日だったの?いろいろ聞けるといいね』
 私『いろいろ聞いてきますよ♪』
 主『19日の救急の時は強直の重積だった?強直だったら新しいの(フィコンパ)試してみる?』
 私『そうですね~(流し気味)』
 主『今日のこと明日また教えてね(翌日は地元病院で主治医の診察)』

まだこの時点でVNSをするorしないの気持ちは半々でした。でも直前のこの主治医との会話で、VNSを“しない”選択をするとしても、コウキの重積は何とかしなければならないので薬追加は決定的、今までなるべく増やさずにと思ってきたけれどやむを得ないと覚悟もしたのでした。

予約時間になり・・・

「10時からって書いてあるのにまだ呼ばれないよ。もう10時2分だよ、あ、3分になったよ」とコウキ。予約票に書いてある時間は目安なんだけどね。入室指示されたのは10時5分でした(笑)



事前に主治医が話をしてくれていたのと、過去の診療記録からコウキの経過はほとんど把握されているようでした。
I先生から「どうしてVNSの話を聞いてみようと思ったの?」と聞かれ、

 *出来ればこれ以上内服薬の種類も量も増やしたくない
 *内服薬は副作用に悩まされて継続が難しくなったことがほとんど
 *最近はどんな発作型でもほぼ毎回重積するので発作時間を短くしたい

と伝えました。そしてVNSの適用と考えられますか?と聞いてみました。

「内服は嫌だって言ってるけど、もう種類もずいぶん試しているし、量も充分すぎるほど飲んでるよね」とI先生に突っ込まれましたが(笑)
VNSは「全ての難治性てんかんに使える治療方法だから、ドラベだからLGSだからとかてんかんの種類は関係無い」と。開頭手術の場合はどうしても侵襲を伴うけれど、VNSはそういったことは無い。もちろん全身麻酔や感染症、予期せぬトラブルなどリスクはゼロではないけれど、ほとんど考えなくて良い、と。

薬剤抵抗性の難治てんかんの場合、どうしても【突然死】という危険がある。重積が多いなら尚更そのリスクは大きくなる。今はとにかく重積させないようにすること(発作が起きてしまっても早く止めてあげること)が重要ではないか、と。VNS使用者と使用していない群とを比較してみると突然死は半減している(アメリカの報告)。

そう・・・突然死の恐怖と常に闘っている。2歳9ヵ月から臭化カリウムを始めて以来、重積することはあまり無かったのに、特にこの2年は重積が目立つように。発作が起きれば毎回重積という感じで。突然死だけは絶対に避けたい、I先生の話を聞きながら改めてそう感じたのでした。

VNSでは発作が起きた時や起きそうな時、ダイアップを使うような感覚で胸にマグネットを当てて刺激を送ることができる。ダイアップみたいに発作が始まって5分とか待つ必要も無い。ダイアップのような副作用も無いのでダイアップより気軽に使いやすい。そして安全。

ダイアップは鎮静剤なので呼吸抑制のような危険な副作用もある。ダイアップを使うとすぐに発作が止まって回復しても、ふらつきや眠気が長時間残ってしまうので学校を休まないといけないことも出てくるでしょ?と。

ただこのマグネットを使用する方法は旧式のパルスジェネレータの話です。新型のパルスジェネレータはオート機能搭載なので発作の始まりを感知して(心拍数が急激に上がったのを感知して)マグネットを使用したのと同じような働きを自動で行ってくれます。
私がいつも側にいるとは限らないし、マグネットを学校で使ってくれるとは到底思えません(座薬が認められていなかった頃の座薬のように)。断然、新型が良いと思いました。が、この新型タイプは現在はサイズが一回り大きいものしか無く(大人向け)、コウキがこの大人用を植え込むにはちょっと気の毒な感じです。

なので、今は旧式を使用し、電池交換が必要になった時にオート搭載の大人用のものに変更するという方法を取るのが良いのでは?とのこと。電池交換は通常5~7年後くらい?マグネットを頻繁に使用したら電池寿命が縮むらしいです。

左:小児用(楕円形) 右:成人用(円形)



そして私が1番懸念していたこと。声が変わってしまうのではないか?という不安。高くてよく通るコウキの声(どっちにしてもそのうち声変わりして低くなるんでしょうけど)。これがガラガラで電子音みたいな声になってしまったら多分一生後悔するだろうな、と。


そういった副作用はゼロでは無いが、もしあっても一過性であることがほとんどなので、心配はあまりしなくても大丈夫だろう、とのことでした。でももし歌っていて気になるようであれば、マグネットで一時的にOFFにしたら回避できると思う、とのこと。最悪どうしても声が気になれば抜去してしまうのも有りかと。そう考えたら少し気が楽になりました。
声を理由に抜去した人は今までいないそうですが、感染症のために継続不可になった人から効き目がいまいち分からないので取って欲しいという人までいろいろいるそうです。

そしてもう1つの疑問、MRI検査。これは厚生労働省が認めないので出来ないだけということだそうです。理由はVNSが熱をもって火傷するかもしれないからだとかどうとか。磁器の問題やVNS装置が壊れたりするからなのと思っていました。ちなみにVNS先進国のアメリカでは普通にMRI検査も受けられるので(アメリカで上記のようなトラブルは無く日本がお堅いだけという話)、数年後には出来るようになるかもしれないとのこと。

大学病院のMRIはダメだけど近くの日赤病院のMRIではOKとのことでした。なのでMRIが必要となれば日赤へ行けば大丈夫ということでした(でも日赤がMRIを買い替えたらダメになるかも・・とのこと)。

生活面では電子機器の使用には特に制限は無いそうです。私はVNSのパンフレットなどを見てタブレットとか使えなくなるのかなと思っていましたが、普通に使うには全く気にすることはないらしくて。電子レンジを使っている間ずっと抱き着いているようなことさえしなければ大丈夫とのこと。
ただ電気毛布は注意してと言われました。温めて電源を切ってから使用するのは良いけれど、これは火傷の原因になりかねない、と。

盲点だったのが、もしかしたら・・・の話ですが、ランドセルの使用が厳しくなるかも、と。コウキは普通体型なのでパルスジェネレータが極端に飛び出すことはなさそうですが、痩せている人ほど飛び出して、外から強く押されると痛みを感じることもあるそうです。なるべく肩ベルトが当たらない位置を考慮してくれるそうですが。


最近「ランドセルが重すぎる」と問題視されていますが、今年から算数と国語以外は教科書などを置いて帰って良いことになったので、とても軽くなりました。なので小学生のうちは大丈夫でしょう。問題は中学生になってから。先日、お兄ちゃんが「カバンが重すぎて腰が痛い」とボヤきながら計量していましたが、なんと驚きの15kgでした!

あと気をつけた方が良いことで、激しい運動はリードが切れてしまうことがある、と。I先生が挙げられた例ではテニス。左利きの人が思いっきりバックハンドをすると危ないということですが、テニスを始める予定は無いので大丈夫。考えられる範囲で力いっぱい腕を振り回すようなことはしないと思うので大丈夫かな。

最後に、VNSと発達の関連性について聞きました。
今現在考えられることは迷走神経への刺激で脳の働きが良くなるというより、発作が減る、発作時間が短くなることの二次産物として発達の伸びが見込めるのでは、と。特に小児患者の場合、思春期までが勝負なので(脳の発達がぐんと伸びる時なので)その時期に発作をコントロールできるかどうかがとても重要だと。

ただ迷走神経を刺激することでなぜ発作が抑制されるのか解明されているわけではないし、アメリカではうつ病にも効果があると報告されているくらいだから、もしかしたら直接脳へ良い影響を及ぼしている可能性も否定できない、数年後には解明されているかもということでした。

そして広大での実績。これまでに100人がVNSを植え込んでいて効果は↓こんな感じ。
100人中3人は発作ゼロになったそうです。100人中ドラベ患者は3人で効果は半々くらいとのこと。

 5割・・半分くらい効果を感じる(半分くらいに減った)
 2割・・ちょっと効果を感じる
 2割・・不変
 1割・・すごく良いと感じる

すぐに効果が出始める人もいれば、しばらくして(最長2年くらい経って)効果が出始める人もいるらしく、とりあえず2年は頑張ってみて欲しいということでした。

入院期間は7~10日間。手術3日前からの入院で術後3日で退院するのが最短コース。傷の治り具合など慎重に診ていきたいな、という人は10日間コース。植え込んで2週間後から刺激開始。

子供の場合、切るのはそれぞれ4cm(首と胸)。首は傷が目立たないようにしわに沿って切る。所要時間1時間半~2時間程度。ほとんど出血は無いので輸血の必要は無いが、万が一に備えて血液の準備はしておく。

I先生にお会いしてお話を聞くまで、本当に気持ちは半々でした。むしろ諦める方の気持ちが少し勝っていたかもしれません。が、直接お話できて本当に良かったです。内服薬で副作用に苦しめられてばかりの生活は懲り懲り。

 

可能性は半分ですが、半分に賭けてみようと思います。VNS、挑戦することに決めました。

本当はVNSは怖いですが、でもコウキを失うかもしれないと考えたら、どっちを取るか・・・VNSです。

夏休みは既に手術枠の空きが無いとのこと。どっちにしても夏休みに入院となると小2の娘が日中1人になってしまうので、夏休みは避けようと思っていました。9月以降、空きが出ればすぐに、とお願いしました。