思わず大共感!大学生が企画した”マナー違反”をテーマにした制作!?
こんにちは!みるるです💚
今回は東北芸術工科大学の学生が企画した”マナー違反”をテーマにした卒業制作の内容について取材してきました。
実は私もデザイン系の大学に通っているので、とてもワクワクしながら取材に臨みました…。
ここでしか聞けないデザイン学生トークもお楽しみください![]()
<プロフィール>
髙橋楓花さん
東北芸術工科大学 デザイン工学部 企画構想学科 4年
大学では企業と連携しての商品開発や、PRでプレスリリースの作成、イベント実施など幅広いことを学んでいる。デザインに関しても授業を受けている。
1.卒業制作のテーマについて
―まず、卒業制作のテーマについて教えてください!
髙橋さん:テーマは「無意識なマナー違反」です。内容は大きく分けて3つあり、図録の制作、ポスター展開、ワークショップを行いました。
―様々取り組みをされていますね。なぜこの社会性の高いテーマにしようと思ったのですか?
髙橋さん:まずはいろんなテーマを出してみるというところから始めました。例えば、選挙で若年層の投票率が低いことが社会課題として挙げられているからそういったことをテーマにしてみようかなとか。しかし、「自分ごと」で考えていかないと1年間という長い間で卒業制作に向き合えなくなると感じたので、教授に相談しながら洗い出していきました。
―「自分ごと」できなければ、長期間取り組んでいけないですよね!
高橋さん:そうですね!そして、その卒業制作のテーマを探してる中で、日常生活では小さな違和感がたくさん散りばめられていることに気づきました。例えば、傘を後ろに向けたまま階段を登っていたりお店を出る時に扉を閉めなかったり。こうした違和感は「マナー」として一括りにできることに気づいたんです。
マナーは怒られないためのものではなく、他者を想いあって行うコミュニケーションだと伝えるために卒業制作にしようと思いました。
―日常生活を振り返ってみると、沢山の違和感があった気がします・・・!ただ、その違和感が「マナー」として一括りにできることはお話聞いて今までにない気づきでした!
高橋さん:気づいていただけて嬉しいです!
2.卒業制作の実施内容について
―次に、実際に実施した内容の詳細を教えてください。
髙橋さん:マナー図録は表紙含め全58ページで構成されています。本文は250文字ほどあり、NPO法人日本サービスマナー協会のマナー講師の方にご監修いただいてます。
(JR南仙台駅に掲示)
図録と連動させながらポスターも展開しました。毎年、10月30日はマナーの日で、NPO法人日本サービスマナー協会の設立日でもあります。この日に合わせてあおば通駅、多賀城駅、東北福祉大前駅、長町駅、名取駅、南仙台駅に掲示しました。内容としては図録の中からそれぞれの土地に合う内容のものを抜粋しています。例えば多賀城駅では大きな駐輪場があるので、それに関するマナーの内容にしています。
―ワークショップについても教えてください!
ワークショップ開催の写真↑
高橋さん:ワークショップは宮城高校生マナーアップフォーラムというイベントに登壇させていただき、実施しました。「ちょっと気になるマナーについて考えるワークショップ」という名前で、高校生自身の生活とマナーを結びつける学びの場を作りました。活動のターゲットは高校生を中心とした若年層です。マナーは時と共に知って学んでいくものであり、知る場や気づける場がないからこそ、そういった層に学ぶ場を届けようと思って設定しました。
―ひとつ、ひとつ細かく聞いていきたいのですが、まず、図録内容の選出はどのようにされたんですか?
髙橋さん:実際にヒアリング調査で出したものからSNS上で見つけた投稿をヒントにしたものもあります。マナー講師の方と連携を取りながら選びました。
―ということは、落ちてしまったものもあるんですか?
髙橋さん:はい。マナーとルールやモラルの違いというものが曖昧になっていたものは内容を変えたりコピーを変えたりしながら調整していきました。
―そうなんですね、本当に細かい工夫が必要ですね・・・。仙台の様々な場所が出てきますが、特にモチーフとなった場所はありますか?
髙橋さん:表紙はバランスを見ながら配置したので、特にモチーフはないのですが…。点字ブロックの上に立ち止まる人というページでは、県庁の横にあるバス乗り場をモチーフにしています。細かい部分は身近な場所を参考にしていますね。
―身近な場所からイメージすると制作しやすいですよね。このイラストデータも高橋さんが1から作ったんですか?
髙橋さん:はい。夏休み中はずっと描いてました…。ちゃんと学んだのは大学に入って初めてでしたが、ゼミでもすっかりデザイン担当です。笑
―すごいですね!こけしのイラスト、とても細かいですね。
髙橋さん:宮城の高校生に配るため「宮城感」を図録でも出したいと思ったのでこけしにしました。製作者の想いがそのまま出る伝統工芸品と言われているので、マナーというテーマとの相互性もいいかなと。
―こけしがそんなふうに言われているとは知りませんでした!とても今回の卒制のテーマと相性がいいですね!
高橋さん:そうだったんです!新発見でした!笑
―今回、監修していただくようになる繋がりはどこからあったんですか?
髙橋さん:まず、私自身もマナーとルールやモラルの違いが曖昧だったので調べていました。そしてマナーに関するNPO法人をいくつか見つけ、マナーの日を制定したNPO法人日本サービスマナー協会が目に入り、問い合わせました。ありがたいことにお返事をいただき、ご監修いただくことができました。
―まず第一関門と言っていいほど、協力先探しはとても難航するのでそこがスムーズにいくのはとてもすごいですね!
高橋さん:なんとか、うまくいくことができました・・・!
3.卒業制作の制作過程について
―今回の卒制の中で、特に工夫した点はありますか?
髙橋さん:社会に広がる体験型の仕掛け作りです。こうして図録、ポスター、ワークショップと3つの入り口を組み合わせて作ったことを強みとしています。それぞれ1つだけでは記憶に残りづらいものですが、同時に展開することで体験の循環を生み出していることが1番の工夫です。
―社会に広げていく体験型の仕掛け作りですね!マナー違反はデリケートな問題だと想いますが、扱う上で気をつけた点を教えてください。
髙橋さん:説教をしないトーンを心がけました。優しい言葉や柔らかな色味を使用し、共感性を得られることを重視しています。正しい知識を伝えつつ、納得感を持ってもらえるように意識しました。
―実際に見ていると、本当に優しい雰囲気の冊子であまり押し付けがましくないというか、スッと頭に入ってくるような冊子でとてもいいなと見た時から思ってました!
高橋:ありがとうございます!!
―制作過程で協力いただいた方々とのエピソードはありますか?
髙橋さん:各所から今までにない取り組みだ、学びになったなどお褒めの言葉をいただきました。資金調達のためにクラウドファンディングも行っていたのですが、伸び悩んでいた時にはNPO法人日本サービスマナー協会の理事長からアドバイスをさせて欲しいとお声掛けいただいたことも。自分だけでは成し得ないものであり、周りを巻き込んでできた企画だと実感できる瞬間でしたね。
―素敵ですね!他にもあったりしますか?
高橋さん:はい!図録を必要としてくれる場面もありました。ワークショップに参加していただいた高校に3部ずつ配布していたのですが、各クラスに配りたいと連絡をくれた先生もいらっしゃいました。若者の学びの入り口として現場で働く人から受け止めてもらえたことはとても嬉しいです。
―最後に想いや願い、記事を読んでくれた人に、メッセージをお願いします。
髙橋さん:今日の気づきが誰かの優しさに繋がる社会でありますようにと願っています。マナーは守るべきルールではなく、人と人がいて成り立つ思いやりのコミュニケーションです。誰かの「日常の中に立ち止まる機会」を作れていたらいいなと思います。日常を振り返った時にこんなことしていたかも…と思ってもらえるタイミングがあればこの企画は大成功だと思っています。
そして、 東北芸術工科大学の卒業制作展が2026/2/7-2/13に開催 されます。図録も配布するのでご来場いただけると嬉しいです。ぜひ会場でまた新しい気づきに出会ってください。
―貴重なお話ありがとうございました!
記事には載せきれないボリュームの内容だったので全てをお届けできないのが悔しいくらいです…。マナーという難しいテーマにも関わらず、卒業制作としてやりとげた高橋さんの展示内容も必見ですね!!!
【チェック情報☑️】
高橋さんの卒業制作の内容は下記のインスタグラムからぜひ、ご覧ください!
また、東北芸術工科大学 デザイン工学部 企画構想学科の卒業制作の進行状況もこちらのURLからチェックすることができますので覗いてみてください!
東北芸術工科大学の卒業制作展示開催日程は2026年度2月7日(土)〜2月13日(金)まで!開催される予定です!
みなさんも自分のマナーを見直して、日常の中に立ち止まってみるる👀?
Write:みるる
Photo:COLORweb編集部















