0⇄1 プロジェクト vol.11 若者×仙台市「誰もが対象」のまちづくりってなんだろう?
0⇄1 プロジェクト vol.11 若者×仙台市トークセッション!取り残さない!「誰もが対象」のまちづくりってなんだろう?
みなさん、こんにちは。あっかです。
ゼロイチプロジェクト第11回目となる今回はいつもとちょっと趣向を変えて、仙台市役所の「仙台市協働まちづくり推進プラン」についての座談会を行いました。
「仙台市協働まちづくり推進プラン」とは?

↑仙台市協働まちづくり推進プラン2026中間案【概要版】表面

↑仙台市協働まちづくり推進プラン2026中間案【概要版】裏面
「まちづくり」と聞くとなんだか難しそうですよね…。
市民のみなさんにまちづくりにもっと関わってもらえるように、市役所がみなさんをどうサポートしていくかを定めたものが仙台市協働まちづくりプラン(以下、協まちプラン)なんだそうです。
そして今年、令和8年3月にこのプランが5年ぶりにリニューアルされるとのこと!
そこで、「プランはどのようにリニューアルされるの?」「まちづくり活動がどんなふうにやりやすくなるの?」というテーマで仙台市職員の方、まちづくりに参加している学生の皆さん、そしてCOLORweb編集部で座談会を実施しました!
参加者紹介
浅野さん
東北学院大学 情報学部データサイエンス学科3年
TGU情報リテラシー教室代表。情報学部で学んだ知識やスキルを地域に還元し、子どもや高齢者への情報リテラシー教育を企画・運営。
稲葉さん
東北大学 教育学部4年
仙台若者まちづくりラボやせんだい若者フォーラム2025、学校ボランティア(小中学校での学習補助など)といった活動に参加。
COLORweb編集部あっか(左) だいだい(右)
0⇄1プロジェクトの取材・記事制作などを担当。学生目線で情報発信や地域デザインプロジェクトに取り組む。

東海林さん(左) 今野さん(右)
仙台市役所市民協働推進課の職員。
今回の協まちプランのリニューアルに関わる。
0.若者視点であらためて!まちづくりってなんだろう?
まずは協まちプランの話題にいく前に、改めて「まちづくり」という言葉にどのようなイメージを持っているのかや、まちづくり活動を始めたきっかけなどをお聞きしました。
ユーメディア:「若者×仙台市トークセッション!まちづくりのゼロイチってこれからどうなる?」ということで、若者視点で改めてまちづくりってなんだろうということについて自分の活動も含めてお話をしてもらいたいです。

浅野さん:個人的な意見だと、まちづくりって街を作ることだから、大きな、それこそ行政がやることっていうイメージだったんです。だけど、今は小さなことでも、地域貢献していればそれがまちづくりだって思っています。
僕は、小学生、高齢者向けに情報リテラシーの向上を支援する団体を運営していまして、親子のコミュニケーションの場になる、高齢者と若者が話すだけでもだいぶ意味のあるものなのかなと。一つ一つがまちづくりに入るのかなっていうのは最近思ってきたところです。
ユーメディア:こどもを軸に親子、高齢者とつなげていく感じがまちづくりの本質に近いなと思いますね。
稲場さんはどうですか?
稲葉さん:私は大学1年生の時に市役所の「仙台まちづくり若者ラボ」に参加をしたのが、まちづくりに関わる最初の機会でした。そこから若者ラボで知り合った人たちと一緒にイベントに参加をして、ちょこちょことまちづくりに参加してきました。
仙台まちづくり若者ラボ
若者ラボは最初イメージが湧かないまま参加したんですけど、活動を通してハードルが低いんだなって感じました。まちづくりって誰でも関われるものだなというイメージを持ちました。

ユーメディア:若者ラボに参加したきっかけは何だったのでしょうか?
稲葉さん:「なんか新しいことやってみようかな」という軽い気持ちで参加してみました。大学に入って他県出身の人と関わることで、仙台に住んでいるけど、仙台というまちについて考えたことがなかったなということに気づいて、興味を持ちました。

あっか:参加することにハードルは感じなかったんですか?
稲葉さん:もともと挑戦するのは苦手なタイプだったんですけど、若者が多い、同年代ぐらいの人がいるっていうのでハードルが下がって、やってみようかなって思えました。
あっか:浅野さんは一人で新しく始めるという形でしたよね。
浅野さん:そうですね。情報リテラシーの教育支援をしようと思ったときに自分たちが学んでいる情報学を活かせれば、と思い、すでに活動している団体がないか探したけどなかったので「じゃあ、自分でやっちゃおう!(笑)」という感じでスタートしました。
ユーメディア:実際に、まちづくりに参加しやすくなる要素やきっかけで、あったらいいなと思うことはありますか?
浅野さん:いろんな情報があるのに、それが欲しい人に届いていないというのはあるなと思っていますね。僕自身も「こんなの前からあったんだ!」と気づいたり、情報発信する側になっても届かないなと感じるので、マッチングできるようなものがあると良いのかなって思います。
稲葉さん:私は、たまたまイベントを見つけて参加して、そこから人づてにいろいろ参加するというのがすごく多いです。なので、私にとっての若者ラボのような最初の一歩のようなものにアクセスしやすくなればそこから広がるな、参加する人増えていくだろうなと感じました。まちづくりって遠く感じている人が多い印象があるので、ちょっと触れる機会があると良いなと思います。

だいだい:SNSで見た広告は嘘も流れるので、疑って見てしまう部分があると思うんです。でも、誰かがやってみた感想を聞くのが参加のしやすさにつながっている気がします。自分の経験上、人から人へというか、自分で伝えに行くことが波を作る一個として大きかったので、活動の中身を見せるっていうのが大事なのかなと感じます。
ユーメディア:ありがとうございます。それぞれのまちづくりに対しての想いをふまえながら次のセッションに進んでいきたいと思います。
⇄.仙台市職員さんがご登場!仙台市が考えるこれからのまちづくり
ここからは仙台市職員の東海林さんにご登場いただき、仙台市が考える、市民のみなさんのまちづくり活動を応援するための計画、「協まちプラン」について説明していただきました。

東海林さん:まず、仙台市って、昔から市民協働とか市民活動というのが活発な街で、「協働を推進しよう」という条例まであるんですよ。「え!」っていう感じですよね。
一同:はい・・・!
東海林さん:ですよね!笑
その条例では、「誰もが心豊かに暮らし続けることができる協働のまち・仙台」を目指すことを掲げています。そして、「これを実現するためにどういう取り組みが必要なのか?」、それを計画にしたものが、今回取り上げていただいた「仙台市協働まちづくり推進プラン」(通称:「協まちプラン」)です。

(取材当時の写真です。)
計画策定の時々によって、抱える課題や現状は異なります。なので、協まちプランは5年単位でそのとき取り組むべき課題や方針を見直すために計画をリニューアルしています。今回、令和7年度で今の協まちプランが計画期間の満了を迎えるので、次の5年間はどういう取り組みをしたらまちづくり活動がもっと盛んなまちになるのかを考えているところです。
現状分析から見えてきた、次の5年間、仙台市で取り組んでいきたい重点方針が3つあります。

あっか:具体的にどのような方針なのですか?
東海林さん:これから説明させていただきますね!

まず、重点方針1は「若者が活躍するまちづくりのさらなる推進」です。
若者が気軽にまちづくりに参加できるんだって思ってもらう機会をつくっていくことや、若者同士だけではなく他の世代との繋がりが欲しいっていう声も聞いているので、そういう場の創出です。あと、先ほどの浅野さんの話でも「いろいろな情報があってもなかなか欲しい人には届きにくい」というお話がありましたけど、若者に届くような情報発信を強化して、若者が欲しい情報を届けられるような状態に持っていきたいというものです。
あっか:「他の世代との接点」や「若者向けの信頼できる情報源」が確保されれば、まちづくりはもっと身近になるなと感じます。
重点方針2は「市民活動への多様な関わり方の提供」です。
「まちづくりって意外と簡単にできるんだ!」というような、参加のハードルを高く感じさせないきっかけを増やしたり、そのために活動に参加したい人と参加してほしい団体をつなぐ支援を目指したりするものです。最近では、企業が事業そのものを通して社会課題の解決と会社としての収益を両立させる「CSV」(Creating Shared Value)という考え方が広まってきていますし、学校の地域探求学習を通じて地域と関わる事例も増えているので、企業や学校など、色々な形の入口から活動に取り組める仕組みを作ることを目指しているんですよ。
だいだい:様々な関わり方や参加の仕方が増えるのはいいですね!
重点方針3は「活動を支えるハブとなる人材のネットワークの強化」です。
活動を始める前や、活動していく中で活動の幅を広げたいなという時に、いざ「誰に」「どこに」声を掛けたらいいんだろう、と悩んでしまうことがあると思うんです。
あっか:確かに、学生だけではできないこともたくさんありますもんね…!
そういう時に「この人に聞けばわかる!」というような、核となる人が見える化できるようにする。また、「ここに行けばこういう情報がもらえるんだ」という情報の一元化。困ったときに情報や人がネットワーク化されていて、いつでも繋がれるようになる、情報がすぐに取れる状態にする。みなさんが「やりたい」と思ってくれた活動を支える存在を見える化できるよう目指すものです。
あっか:誰を頼っていいかわからないという悩みがやってみたいけど、挑戦できないと思ってしまう一つの要因でもあると思います。これが解消される方針ですね!
だいだい:重点方針について具体的にイメージすることができました!ありがとうございました!
1.若者と仙台市が一緒に考えるこれからのまちづくり
ここまでのお話で協まちプランの内容は分かってきましたが、それをふまえて今後どのようにまちづくりに関わっていくといいのでしょう?これからの「まちづくりへの参加しやすさ」をどうつくるか皆さんで話し合いました!
ユーメディア:ここからは、仙台市職員の今野さんも一緒にこれからのまちづくりについて考えていきます。

あっか:正直、「まちづくり」って聞くと、ハードルが高く感じてしまうのですが、若者がもっと気軽に参加できるような「きっかけ」や「場所」を、どうつくっていく予定ですか?

今野さん:まちづくりに関わるきっかけを生み出す事業として、仙台市では若者ラボを行っていて、まちづくりを身近に感じてもらうためにも、もっといろんな方に参加してもらえたらいいなと思っています。
みなさんに、こういうのがあれば一歩目が踏み出しやすいなとか、ハードルが低くて参加しやすいなというアイデアがもしあれば聞いてみたいです!

浅野さん:年が近い人と活動するというのだと一歩目が踏み出しやすいのかなと。やっぱり大人と一緒だと何も知らない自分が入ると迷惑かなと思ってしまうし、どう動いたらいいか分からないから、同年代くらいの人とが良いなと思います。
あと、具体的に何をしているのか分かりやすいと自分ごととして捉えやすくなるなと感じます。まちづくりという言葉自体が遠い存在なので、近い内容の方が良いですね。

(せんだい若者フォーラム2025の様子)
稲葉さん:そうですね、もう少し単発で、お茶を飲みながら気軽に、みたいなところだったらハードル低く参加できるかなと。
大学とかでやっていたら目にとまるし、ラフに参加できる感じがしますね。友達と一緒に行こうってなったりするのでハードルが下がる気がします。

あっか:イベントのような情報はどのように発信して私たち学生に届くように発信していく予定ですか?
今野さん:どう発信していくのかというのは仙台市も課題に感じているんです。
やっぱりオンライン上で気軽に触れてもらえるよう発信は続けつつ、リアルでつながって情報交換できるような場も作っていけたらいいなって思っているところではありますね。
どんな場だと行きやすいって思ってもらえますか?

仙台市市民活動サポートセンター
東海林さん:例えば、広瀬通駅のすぐそばに仙台市市民活動サポートセンターという所があるのですが、そこではいろいろなまちづくり活動をサポートしているので、市民活動の情報などが集まっているんですよ。
仙台市市民活動サポートセンター
浅野さん:あ、僕もよく使っています!
活動での悩み事を相談できる大人の方も出入りしているので、初歩的な質問とかも気軽に聞けて助かっています。
若者が集まりやすいのは、
・フラッと行けて
・友達としゃべれて
・でも困ったらすぐに質問できる窓口みたいなものがある
と良いのかなと思います。
「市民活動してください!」って言われるよりは、ざっくばらんにお話しできるところがいいですね!
あっか:気軽にラフにできるっていうのはお菓子付きだと感じるかもしれないです。私は、一個トークテーマを投げかけられた方が、お話ししやすいなって思います。
今野さん:お菓子とトークテーマね!行けば楽しいことがあるかもという雰囲気の方が良いですよね。

あっか:仙台市が「誰もが心豊かに暮らし続けることができる協働のまち・仙台」を目指す上で、私たち学生のどんな力やアイデアに期待していますか?
東海林さん:前半の座談会で「いろんなまちづくりの形があるんだ」とお話しされていましたよね。今はSNS等の普及もあって、若い方々は日々いろんな情報に触れて、いろんな関心をもっていると思うんです。そんな「やってみたいな」とか「こんな街になったらいいな」っていう気持ちを「始めてみようかな」っていう一歩につなげてもらいたいなと思いますね。好奇心をもって、ちょっとしたきっかけで、始めてもらうっていうのを大切にしてほしいです。そういうことがまちづくりに繋がることもあるので。
あっか:じゃあ稲葉さんが理想形に近いですね。一歩踏み出して参加して、そこから人づてにどんどん活動していく形で。
稲葉さん:若者ラボをきっかけに活動がどんどん広がっていきましたね。楽しいって思いましたし、つながりも増えました。

あっか:私は協まちプランのお話を聞いて共感するところがあったんですけど、みなさんはどうでしたか?
浅野さん:結構初めての一歩を重要視されているなと思って、それも良いとなと思ったんですけど、逆にもう始めている人にも成長できる場がもう少し欲しいなと思いました。僕たちも、もうちょっと頑張らせてもらって、ステップアップ出来たら活動を続けられるのかなと感じました。
稲葉さん:私も、楽しいと思いつつも、新しいことをしたいなって気持ちを持った時に「どうしたらいいんだろう?」と感じていたので、ステップアップのヒントがあったら良いなって思いました。
あっか:みなさんは、今後、仙台がどんな街になってほしいか、思い描いているものはありますか?

浅野さん:僕としては、「誰もが」というのが良いと思っていて。特定のだれかではなくて、いろんな意味で誰もがって書いてあるのが、僕自身も小学生だけじゃなく高齢者も参加される活動をしているので、全員が対象なんだよというのは、良いと思います。取り残される人がいないような街になっていってほしいなっていうのはすごく思いますね。
稲葉さん:私は、気軽に立ち寄れる場所が欲しいなって感じています。例えば駅のちょっとしたスペースにあって、友達と行くのもいいし、そこにいる人とおしゃべりしても良い。別にしゃべらなくても良いみたいなところがいいなって思います。そこで、大学では出会えないような近い世代で、社会人の先輩みたいな人たちがいると嬉しいなって思いますね。

(仙台まちづくり若者ラボ2025の様子)
東海林さん:若者ラボの年齢層の人たちと会えるといいなって感じですかね。
浅野さん:そうですね!
いま仙台市が行っている事業も継続してほしいなって思います。若者ラボも「ユースチャレンジ!コラボプロジェクト」も。新しいこともしてほしいんですけど、既存のものも時代に合わせてブラッシュアップしながら続けていただけると、参加している側は嬉しいです。
若者ラボは、難しくなく、スタートラインが一緒なので参加しやすいです。サポートしてくれる大人の方がいるので、すごくいいなって思います。
ユースチャレンジ!コラボプロジェクト
今野さん: いま行っている事業についても、参加者の皆さんの声を参考にしながら更に良いものにしていきたいと思います!
―最後に学生4人で、これから仙台がどんな街になってほしいかまとめました。
「誰もが楽しみながらつくるまち」

取り残される人がいないよう、みんなでまちづくりをしたいなという思いです。実際にやってみると楽しいので、一緒に参加してより良い仙台にしていきたいです。
みなさん、ありがとうございました。私も参加できてよかったです。情報が届かない、ハードルを下げたい、交流したいなど共通認識が多いなという印象でした。実際に話してみると、いろんな考えがあって、気付きがありますよね。楽しかったです。
みなさんも、好奇心や関心を「やってみる」、一緒に始めてみませんか?
みなさんの「こんなことがあったら良いな~」「協まちプランの内容を見てこう思った!」というお話も訊きたいです!
【協働まちづくりプランのご意見大募集中です!】
協働まちづくり推進プランについてご興味を持っていただけたら、ぜひ仙台市のHPもチェックしてください!
仙台市HP
若者の皆さんのご意見も募集していますので、パブリックコメントの回答をお待ちしています。
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若者の「ゼロイチ(0⇄1)」を紹介・応援する
SENDAI 0⇄1 PROJECT。
この記事を読んで
「こんなことをしている人がいるんだ〜」
と感じてもらうのも「ゼロイチ(0⇄1)」。
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SENDAI 0⇄1 PROJECT、第12回もお楽しみに!
Write:あっか
Photo:COLORweb学生編集部



