【インタビュー】Survive Said The Prophetから見た景色【仙台】 | COLORweb学生編集部

【インタビュー】Survive Said The Prophetから見た景色【仙台】

 

TVアニメやTVCMのテーマソングに数々の楽曲が起用されるだけでなく、熱いライブパフォーマンスで人々の心を掴んでいるロックバンド、「Survive Said The Prophet」(通称サバプロ)。

今回は、そんなサバプロにインタビュー。

 

サバプロは、メンバーのTatsuyaさんが仙台出身ということもあり、ライブの度に仙台を盛り上げてくださっているアーティスト。そして、私も高校生以来幾度となくライブに足を運んでいる大好きなアーティスト、ということで取材オファーをさせていただきました。

 

今年7月からスタートしたツアー「TOUR 2023“MAKE/BREAK YOURSELF”(メイク・ブレイク ユアセルフ)」も折り返しに入った10月。仙台公演直前の心境や新たなサバプロのスタイルについて、またメンバーの学生時代についてもお話をうかがってみました。

 

左からGt.Tatsuya、Dr.Show、Vo.Yosh、Gt.Ivan(敬称略)。

2011年、東京にて結成。ネイティブな英語を操るバイリンガルのボーカリストYoshの圧倒的な歌唱力とカリスマ性を筆頭に、確かなスキル、ミュージシャンシップ、そして個性的なキャラクターを持ったメンバーからなる奇跡のインターナショナル・ロック・バンド。その異彩を放つ音楽性はロックに限らず、ポップ、エレクトロ、ヒップホップ、R&Bまで幅広いバックグラウンドをベースに、既存のシーンの枠に収まらないダイバーシティを武器に様々なフィールドを活動の場とし、日々進化し続けている。

 

 

MAKE/BREAK YOURSELF

“空間”で伝えられるアーティストに

 

 

―現在ツアー真っ只中、この後(取材日10月10日)も仙台公演が控えていますが、ツアーに対する思いや今のお気持ちをお聞かせください。

 

Yosh:ある意味初期の頃の未知の世界に似ているということと、僕たちが今まで身につけてきたスキルがある意味関係なくなったスタイルのツアーだと個人的に感じています。一つひとつ新しいスタイルを生み出して、みんなの考え方をツアーに反映して。

ツアーも「MAKE/BREAK YOURSELF(メイク・ブレイク ユアセルフ)」というタイトルなので、“自分が作りあげたものを壊して大事なものを残す、作り直す”っていう行為が出ているんじゃないかなと。

 

Show:コロナで環境がかなり変わったこともあるし、メンバーやチームの体制も結構ガラッと変わったこともあって、このまま同じスタイルを続けていくことが難しかったり、また一から組み立て直すという作業をしたりする必要があった。…それが少しずつできているという実感はしています。

 

―公演を重ねるごとに“完成してきている”という感じでしょうか?

 

Show:ここが悪いんだなっていうところが見えてきたりもするし、逆にこれが良いんだなっていうところも見えたり。

Tatsuya:単純に“元に戻る”じゃなくて、コロナを経て“新しい距離感”で接したり…。パーソナルスペースがあるライブが好きな人もいれば、モッシュしたい人もいる。新しい“ニューミックス”ができてから新たなものをつくっていくっていう感覚が僕らもすごく強くて。それがこのツアーで見えてきたかなっていう感じです。

 

Ivan:全体的に再認識というか…自分らの内側もそうだし、お客さん側もそうだし、都合良いリセットをしたというか(笑)。

Yosh:いろんな人がいるけど、みんな楽しんでほしいじゃん!っていう(笑)。

 

それと、ロックには大事なメッセージがあるけれど、それを“言葉で伝える人”がいれば“空間で伝えられる人”たちもいて。僕たちは常にいろんなアーティストを見てきて魅力を感じてきた中で、今、“空間でつくれるようになってきた”んじゃないかなって感じています。

 

47都道府県があって、人間ももちろんそうだし、ライブハウスも、カルチャーも、全部キャラクラーが違うっていう中で、良い意味で日本全体を見ることができていると思います。もちろん、海外も行かせてもらっているので、さらに新しいカルチャーの見方っていうのをロックバンドとして、見出しているなっていうのは感じますね。

 

【@kawado_photo】

 

Yosh:“オールドスクールのロックも、ニュースクールのロックも知ってほしい”という想いもあって、メンバーが30代を中心にしているロックバンドとしては今すごく大事なタイミングです。そんな時にこのツアーをできているということも僕たちにとってラッキーだと思います。

 

 

殻を破ると出てくるカラー、パッションがある。

 

 

―各県で色が違うとおっしゃっていましたが、仙台・宮城の色はどんな色でしょうか?

 

Tatsuya:シャイ!!(笑)

Yosh:丸があったとして、間違いなくその外側にシャイがある。その一番中心に、実は誰よりも熱いパッションがあるんですよね!だからもう、長くキャンディを舐めてあげないと!噛むと他のレイヤーが分かんなくなっちゃうからゆっくり舐めてあげて。パッションに辿り着いた時に元気出しはじめるから!(笑)

 

Tatsuya:殻を破ると出てくるカラーがみんなあるんだけど、東北自体がシャイ…特に仙台は都心だから着飾るところがあって。でも、それ1個剥がしてあげると実はみんな思っていたより…(笑)。

 

Yosh:あと、団体で動いてくれるのは唯一東北だけだよね。東京とか大阪とかは「俺だ!!」って都会感があるけど、「俺たちだよね!!」っていうのは東北だけ。

Tatsuya:派閥がいっぱいあるわけじゃないんだよね。

 

Yosh:年齢層も幅広いし、みんなコミュニティ感がある。昨日のライブ(盛岡公演)でいうと…、数年前成り行きで僕らのライブに行くことになった人がその日ライブハウスで彼女を見つけて…、3年ぶりの昨日、ライブハウスに行ったらその2人が結婚している。ライブ中に「結婚したよ!!!」って伝えてきたり(笑)。

ハートがつながっていて、彼らは忘れないでくれているなっていうのをステージに立った瞬間に感じます。

 

 

「want to」の愛の深さ

 

 

―私たちCOLORwebは学生団体として活動しているのですが、皆さんが学生時代に取り組んでいたことについてお聞かせください。

 

Tatsuya:自分がやりたいことに愚直になる、そんなことが学生時代は多かったです。音楽や釣りやちょっとヤンチャなこともそう。ダメだって言われてもとりあえずとことんやってみるっていうのはありました。参考にならないですね(笑)。

 

Ivan:ん〜今とほぼほぼ変わらない気がするんですよ。興味があるものは判断する前にやってみて、一回やって知ってから判断するっていうのはすごく大事にしていて。だから学生時代も今もあんまり変わらない。

本当にやりたいと思ったら考えるじゃなくて手を動かすっていうのは大事かなって思いますね。

Yosh:今の時代、調べてみれば参考になる動画とか説明文が秒で出てきちゃうけど、それを自分の知識だと思って勘違いする…というと失礼な言い方だけど、自分が経験したものだとしてしまうことがあるから忘れずに試してみることは大事だよ、と。

Tatsuya:その人に合うものと自分に合うものは違うしね。

Yosh:うん、全然違う。

 

あと、良い意味で大人を恐れないこと。みんな知識をシェアしあっているから、長く生きているだけでその知識が正しいというわけでもないし。だから知識を共有したい人たちに近づいた方が良いんじゃないかな。

 

“want to(やりたい)”“have to(やらなければいけない)”ってたまにMCでも言うんですけど、want toの人たちの方が自分のためになるよって。例えば、体育の先生をやりたいからやっている人の愛の方が深いし、残ってまで教えてくれる先輩の方が素晴らしいわけであって。

だから、want toを実行してみる、いろんな人たちを巻き込んでみるのが一番人間らしいよね!

 

Show:Yoshの学生時代の話も聞きたいんじゃない??

Yosh:俺の学生時代は…参考にならない!(笑)インターナショナルスクールに行っていたから日本人は少なかったし…、インターの人たちは調子乗りなんで(笑)いろんなワイルドなことをしたくなる人たちがいたけど、そこは“カルチャーを壊してまでやることじゃないよ”っていうのは僕が日本に何年も住んで思ったこと。

 

さっきも言ったように“教えたい人たち”もいるからね。だからカルチャーを無茶苦茶にするんじゃなくて、自分も教えられることもあるんだし楽しく一緒に共有しあえるポイントを探すのが良いんじゃないかなって。

 

【@kawado_photo】

 

Show:僕も…学生時代は今とあんまり変わらない。高校生の時からバンドでツアーを回ったりしていたので。でも、普通はおっさんになると頭が硬くなるけど、多分あの時の方が頭が硬くて…。

 

バンドっていわゆるサラリーマン的な毎日ほぼ同じルーティンではないし、会社の一部になるということではなく一個人が社長であり自分で考えていかなきゃいけない仕事なので、“そりゃあ自分と違う考え方の人がいて当たり前だよね”っていうことをこのバンドを始めてからはすごく感じていますね。

 

人がやっていることよりも自分がやっていることの方が正しいと思いがちだけど、そこは学生の頃より“自分はこうだけど君はこうなんだね”っていうのをすごく意識するようになりました。

 

 

全員が全員、右向け右をやりたいわけではない。

 

 

―他人との違いを受け入れつつ、どのようにして他人に歩み寄ろうと意識されていますか?

 

Yosh:ケンカするんですよ!

―ケンカですか!(笑)

 

Show:ん〜なんと言うか歩み寄るとも違くて…。やっぱり日本の風習的に“右向け右”というか“周りがこうしているからこうなんだ”っていうことを学校で教えられてしまう。それはある意味正しいことでもあるんですけど、職種によるというか。それが必要な仕事もあるし、それじゃいけない仕事もある。全員が全員、右向け右をやりたいわけでもない。

 

だから、学生のうちはルールがあるっていうことを覚えて、社会人になった時にそこからどう壊していくか、破っていくか。学校は守ってくれる所だけど、大人になると自分で考えなきゃいけない。そういう面を意識すること。歩み寄るというか、“個を意識する”というところですね。

 

―私たちも来年から社会人になるのでとても学びになりました。ありがとうございます。最後に、仙台・宮城の若者へメッセージをお願いします。

 

Tatsuya:良いも悪いも、やりたいことをとことんやってみる。あと、他人の知識が世の中にはごまんとあるので、それを自分の経験にしないで一旦自分で取りに行ってみること。

“自分がやってみたことを信じてその先につなげる”という動き方をしてみると結構見える世界が違くなってくるはず。何かに乗っからずに自分でつくっていくと、自分でやってきたこと、生きてきたことにも責任を取りはじめるから。

色々臆せず頑張ってもらって!

 

―インタビューは以上になります。ありがとうございました…!

 

 

 

仙台出身のTatsuyaさんから見た仙台。

日本全国、そして海外を見てきたサバプロ視点の仙台。

 

自分の経験にしてから物事を判断する。

カルチャーの共有。

他人と自分、個の意識。など。

 

様々な視点が見えた今回のインタビュー。

とても勉強になりました。

 

私も盛岡公演に行ってきたのですが…、

インタビューのお話通り、東北のオーディエンスの熱量を感じる、“より一層、仙台・東北に愛着が湧くライブ”でした…!

 

是非、皆さんも「サバプロ」と「サバプロの音楽」と共に、熱い想いに浸ってみてくださいね。

 

 

Write:あやち

Photo:Survive Said The Prophet、かわどう(@kawado_photo)、あやち