Cody・Lee (李)【東北の風に想いを乗せて】ARABAKI.23 インタビュー
ステージリハーサル最後の曲はandymoriの名曲「革命」。
ステージに集まった観客は、この曲のイントロを聴くなり歓声を上げた。
「僕、岩手出身で、学生のころ友人とアラバキに来たことがあるんです。
andymoriを観に行って、友人が「革命」のサビでモッシュに巻き込まれていった光景が印象的で。そんな思い出があって、リハで少し演奏させていただきました」
MCでこう語るのは、Cody・Lee(李) ボーカルの高橋響。
I’m sweet on you (BABY I LOVE YOU) で始まったステージは、自然に囲まれたARABAKI ROCK FEST.の空気と親和していく。
ステージに吹く強い風をも味方に付け、観客の熱狂を加速させていった。
COLORwebは今回、本番後のメンバーを取材。バンドキャリアの1つの目標だったというARABAKI ROCK FEST.への初出演を果たした彼らに、率直な想いを訊いた。
Cody・Lee(李) (アーティストサイトより引用)
メンバー:高橋響(Vo.Gt.)/尾崎リノ(Vo.Ag.)/力毅(Gt.Cho.)/ニシマケイ(Ba.Cho.)/原汰輝(Dr.Cho.)
2018年、大学の友人同士で結成。
東京を拠点にライブ行い、ロックファンの口コミからジワジワと注目を集め、 2020年には自主レーベル「sakuramachirecords」(高橋の出身地・岩手県の地名から命名)立ち上げ。
年末にリリースしたアルバム『生活のニュース』リード曲「我愛你」のミュージックビデオが台湾・アメリカを中心に世界中で話題を呼び、900 万再生を突破。
メンバーそれぞれの強い個性が奏でるバンドサウンドが、聴く者の心に生活の風景を描く。
●演奏に乗せた地元・岩手への想い
──まずはアラバキでの初ステージ、お疲れさまでした!率直な感想をお聞きしたいです。
高橋響(GtVo.):…よかったです(笑)
個人的にはアラバキに何度も来ていたこともあって、やっと出演できたなと。感極まるライブでした。お客さんが盛り上がってくれて、手応えもありました。
ゆかりのある東北で演奏できたことも、単純に嬉しかったですね。
──アラバキには特に思い入れが強いということでしょうか。
高橋:僕もニシマ(Ba.)も岩手出身で。アラバキには、二人とも彼女と来たことがあったり。思い出深いフェスですね。
──岩手出身ではない皆さんはアラバキにどのような印象を抱いていますか?
力毅(Gt.):僕は初めて来て、昨日ぐるっと会場を回ってみたんです。
アラバキは規模感がすごいですね。ステージ間の距離が遠いんですよ。
自然の多さが合わさって、特別なゆったりとした時間が流れるフェスだなと思いました。鳥とか飛んでるし。
原汰輝(Dr.):鳥が飛んでるフェスはなかなか無いからね(笑)
──続いて、選曲へのこだわりを教えてください。
高橋:「桜町」は絶対やろう、というのは決めていました。僕の地元を歌った曲だし、実は今日お母さんが観に来てくれていて。
この曲を一番届けたい人に届けるなら、今日かなと思って選びました。
1、2曲目には野外フェスといえばこれでしょ!という曲を選びました。
気持ち良い風が吹くアラバキの空気にマッチするような、そんな2曲ですね。
特に「I’m sweet on you (BABY I LOVE YOU)」は、野外フェスのスタートにふさわしい曲だと思っています。
それと、3曲目にやった「悶々」はニシマのベースソロから始まるんですよ。
岩手出身でアラバキにも思い入れがあるニシマに前に出てほしいな、ということで演奏しました。
──岩手出身の高橋さん、ニシマさんの地元に対する想いが込められた選曲なんですね。お二人の地元への想いを教えてください。
高橋:自主レーベルの名前に、地元である桜町の名前を採用するくらい、岩手が大好きです。
岩手でフェスをしたいという目標もあって。基本的にいつも地元を意識して音楽をやっています。どこにいても岩手の歌を歌ってるな、と思います。
だからか、今日のように東北で演奏したり、地元との距離が近づくほどに演奏が良くなるなと感じています。
ニシマ:岩手に近いとテンションが上がるんですよね。逆に、遠ければ遠いほど、岩手を恋しく思って頑張れるな、とも思います。
──岩手の魅力とはなんでしょうか。
高橋:まずは、人が優しい。岩手の人と会って、いやな思いをしたことがないです。
あとは、帰る場所だな、と思えるんです。帰ると体調がよくなるというか。岩手県自体が地元だな、と感じます。
●学生時代の話から結成秘話まで
──学生時代に熱中していたことを教えてください。
原:なんだろう…日サロ、とかですかね(笑)サーフ系のファッションにハマってて。
海にはなんのゆかりもなかったんですけど、若さゆえというか。頑張ってたことは…ないかもしれないですね(笑)
尾崎リノ(VoAg.):音楽はずっとやってたかな、と思います。気づいたら今まで続いてますね。
高橋:僕と力毅と原は、同じ音大に通っていて。僕らも音楽はずっと続けてきました。
大学に入るときが音楽の道への覚悟を決めた時期だったりするのかな。
原:僕が音大に入ったのは全然覚悟とかじゃないです!AO入試で100%受かるって聞いて入学しました(笑)
高橋:原とは一番初めに友達になったんですよ。大学に入って初めての友達。なのに2か月で大学に来なくなって。あの時はかなり困りましたね(笑)
──皆さん、音楽の道へ進む覚悟はどのようにしましたか。
力毅:もともと高校生の頃から音楽は好きでやっていましたが、やめてしまっていた時期もありました。
覚悟を決めたのは、響にバンドに誘ってもらった時ですかね。響との縁が音楽への道を開いてくれました。縁を引き寄せる力はあったかなと思いますね。
高橋:暇そうだったから誘いました(笑)
力毅って変なギターを弾くんです。型にはまらないというか。決まったフレーズを弾かない自由さが面白いなと思って声を掛けました。
そこから他のメンバーも誘って、バンドメンバーが揃ったときにも、改めて覚悟を決めましたね。
尾崎:私は音楽の道を志していたわけではないです。ギターを弾くのが昔から好きで。高校では軽音部でコピーバンドをして、大学でも音楽は続けていました。
それで、卒業が近づくと就職活動があるじゃないですか。就活大変そうだな、と思っていた矢先にバンドに誘ってもらって、流れに身を任せていたらここにいる感じです。
●学生へのメッセージ
──最後に、学生へのアドバイスやメッセージをお願いします
力毅:学生のうちに、勉強を通じて「自分に合った学び方」を学んでほしいです。
例えば、テストなら何日かけてどんな風に勉強すると良いんだなとか。自分が勉強するときのノウハウを知ることは、大人になってから何かに取り組むときに役に立つと思います。
尾崎:勉強はめちゃくちゃ大事だと思います。やりたいことがなくても、学ぶ姿勢を持ち続けてほしいです。
坂口安吾の言葉に「学ぶということは限度を知ることだ」というのがあって。
問題に対する限度を知れば、やり方を変えて対処することができますよね。だから、学び続けて世界を知ることは生涯ずっと大切だと思います。
原:好きなことをやってみたらいいと思います。世界は広いので!自信があるなら、踏み込んでみる。自信がないなら…やめといた方がいい(笑)
うまくいくと思うことはまずやってみるのが大事だと思います。
ニシマ:普通の仕事に就かない道を選ぶ方もいると思います。芸人とか役者とかバンドマンとか。でも、やっぱ売れないと大変なんですよ。
夢を追うのってすごく大変だし、焦ります。でも、焦りや不安があっても、流されないでほしいです。夢を追うと決めたならとことん突き詰めていってほしいです。
高橋:選択肢があったら「めんどくさくて辛い方を選べ」というのを伝えたいです。
楽したら後で絶対後悔します。僕は辛そうだったから、という理由で就活しました。
辛い方を選べば、何かは掴めると思います。体調を崩さない程度に、辛い方を選んでみてほしいです。
──勉強になります…!本日はありがとうございました!
以上、Cody・Lee(李)さんのインタビューをお届けしました。
Write:ことっちょ
Phot:ARABAKI ROCK FEST. 、ほのりん