COLORweb学生編集部のお気に入りの本を大調査! | COLORweb学生編集部

COLORweb学生編集部のお気に入りの本を大調査!



こんにちは!おじまです。
今回は、学生編集部のお気に入りの本を大調査!
読書の秋はもう終わっちゃいますが、これから冬になって家にこもっているときのほうがむしろ本を読む時間はたくさんあるんじゃないでしょうか。
学生編集部のお気に入りポイントを参考に、この冬読みたい本を探しに本屋に出かけてみませんか?

まるでその時代にいたかのような表現が好き!

蒲生邸事件 著:宮部みゆき
文:おじま
僕のお気に入りの一冊は、宮部みゆきさんの「蒲生邸事件」です。現代に生きる予備校生の主人公が二・二六事件の真っただ中にタイムスリップしてしまうというSF小説です。
この小説の気に入っている点は時代背景がしっかり抑えられているところ。二・二六事件があったのは1936年という不況やら革命やらが渦巻く不安定な状況の年でした。そんなときに起きたクーデター未遂が二・二六事件です。いまから70年くらい前で、「自分の祖父母が生きた時代なのかも」と思ってもあまり実感はわきませんが、この本はそんな何年前とか関係なく、その本の時代背景や雰囲気で1936年の東京にいるような感覚に引き込まれていきます。
日本史ではたった1行で終わってしまう出来事にもストーリーがあります。いままでに日本ではたくさんの人がいろいろなことを考え、いまよりも大変状況の中でも一生懸命暮らしていました。主人公は、僕らと同じ学生。宮部みゆきがいまの学生に伝えたいことは何なのでしょうか。

舞台は2月26日。寒くなるこの時期、こたつでゆっくり読むのに最高の一冊です。


この本の努力し続ける主人公がお気に入り!

一瞬の風になれ 著:佐藤 多佳子
文:なつこ


ぜひ高校生に読んでほしい一冊。とにかく、きらきらと輝いていて、大人が読んだら眩しすぎるくらいだと思います。もちろん学生時代を過ぎた方にもおすすめです!ひとことでいうと、陸上部に入部した高校生が走る、というシンプルなことなのですが、その十数秒にかける登場人物たちが、とにかくいきいきとしています。主人公は有能なサッカー選手の兄を持ち、それゆえにサッカーを挫折して陸上部に入るのですが、そこにも1人の天才が。その天才と、努力し続ける主人公の姿が対照的で、私はこの主人公の姿勢にいつも胸を打たれます。陸上の短距離走は、見ている方としては本当に一瞬だけれど、走っている本人にはさまざまなドラマがあり、そこには、葛藤、友情、嫉妬などがうずまいている。そのバランスが心地よくて、読み終わったときにはまるで自分がスプリンターの速さでレーンを走ったかのような、そんな気分になれます。三冊合わせれば辞書のような厚さですが、それこそスプリンターのような速さで読み終わることができます!何かに一生懸命になる気持ちを思い出せる素敵な一冊です。ぜひ読んでみてください。


ことば選びがお気に入り

つむじ風食堂の夜 著:吉田 篤弘
文:たんちゃん

『つむじ風食堂の夜』は題名からも分かるように、食堂にまつわる人達の話。この本の魅力はなんといっても独特な“ことば選び”。鯖の塩焼きを「サヴァのグリル、シシリアンソルト風味」と呼んだり、ただの万歩計を「二重空間移動装置」としたり、エスプレッソの呼び方をわざと「エスプレーソ」としたり…一瞬見ただけでは何を言っているのかさっぱり分からないことも、本を読むうちに「だからこの“ことば”を選んだのか」と納得してしまいます。選ばれた“ことば”は登場人物の性格や雰囲気にとても合っていて、あえて独特の表現をすることで『つむじ風食堂の夜』のほのぼのとしているけれど、すこし風変わりな雰囲気を引き立てているように思います。たまに出てくる面白い表現方法に思わず口元がにやついてしまうことも。短いお話の中にぎゅっと吉田篤弘さんの魅力が詰まっているからこそ、初めてこの著者の本を読む人にも良さが伝わりやすいと思ったため、この本を選びました。


一目でほれた大自然の表紙がお気に入り

BRUTUS No.714  発行:マガジンハウス
文:いづみ

わたしのお気に入りの一冊は、今年の8月に発刊されたBRUTUS。
いつも、立ち読みして、ある程度内容を確かめてから買うかどうか決めていた貧乏なわたしだけど、この月のBRUTUSは本屋さんで一目見た瞬間に「買う!」と決めてレジへ直行しました。果てしなく続いている大地と、不思議なカタチの大きな岩、水の中に水色の絵の具を溶かしたような空。小さく写っているトラックで、はじめてわかるひとつひとつの大きさ。地球上にこんなところがあるのかと、おもわず旅支度をはじめてしまうほどの衝撃を与えてくれた写真でした。

ただ手に取るだけじゃなく、自分のそばにいつも置いておきたいと思った一冊です。


子ども心を思いださせる詩がお気に入り

すみれの花の砂糖づけ 著:江國 香織
文:なつみ

江國香織さんが描く詩集、「すみれの花の砂糖づけ」。
詩は幼少の頃と大人の2つの視点で描かれている。
大人になって立場や生活は変わっても、根底は子どもの頃と変わらず「帰れる場所」や「心地よい空間」を求めている。
そんな心情を題名である「すみれの砂糖漬け」のように少女のようにかわいらしく、でもどこかアナーキーな言葉で描かれているのがお気に入り。
子ども心を思いだして懐かしいような、切ないようなそんな気持ちにさせてくれる一冊。


この本の世界観がお気に入り!

一千一秒物語 著:稲垣足穂
文:くろだ

『一千一秒物語』というタイトルから、なにか壮大なファンタジーや冒険譚を想像した人、そんな人はこの本を開いて驚くことと思います。そこにあるのは、一見して、何の意味も持たないような言葉の羅列だからです。しかしその言葉達が織りなす美しさ、幻想的な世界観は読む者を引き付ける奇妙な魅力を持っています。作品自体は数行の話が詰め込まれた短編集ですが、その数行で構成される足穂の空間には圧巻の一言です。どことなく宇宙的で哀愁漂う、甘い香りがする様な、でも薄ら青く硬い鉱物の様な、とにもかくにも日常から離れた空間。そんな空間に入り込めた時、私はその居心地の良さに心癒やされます。コーヒーを一杯、煙草を一服するような感覚に近いのでしょうかね(私はどちらも苦手なのですが……笑)夜ベッドに入る前に(勿論布団でも!)ココアやホットミルクを飲むような、そんな感覚でこの本を読んでいただけたらいいと思います。きっとその夜は面白い夢に出会えるでしょう。


サクサク読めてドキドキする話がお気に入り!

デルトラ・クエスト 著:エミリー・ロッダ
文:すすむ

susumu-book

僕がオススメするのは冒険ファンタジー系小説、デルトラ・クエストです!
これが流行ったのは、かれこれ8年くらい前なんですが、今でも非常に面白かったと思う作品です。
8年前というとちょうどハリーポッター全盛期で、ダレン・シャンとか冒険ファンタジーものが流行った頃ですね! 
僕とこの本の出会いはズバリ表紙!絵がキラキラして、衝動買いしちゃってました。
舞台は、王家に伝わる7つの宝石がはめこまれたベルトによって守られていたデルトラ王国。しかし、そのベルトは影の大王という強大な敵に破壊され、7つの宝石は王国各地の7つの魔境に隠されてしまいます。影の大王が支配し、荒廃したデルトラ王国に平和を取り戻すため、少年がその宝石を集める旅に出るという内容です。
しかし、各宝石の在り処には、門番をしている屈強な魔物たちがいて、その魔物たちは武力だけでなく様々な手法を使って主人公を苦しめていきます。
一巻一巻に多くの謎解きが散りばめられていて、読み終わる度に感動を与えてくれます。
そして次はどんな魔物が出るんだ?どうやって主人公がやっつけるんだ?とワクワクしてくるんです。
更には最後の最後で感動の大どんでん返しが起こるんです!鳥肌総立ちでした!

いくつになっても冒険ものって心をくすぐる何かがありますよね。
小学6年生でもサクサク読めて、かつ今でも鮮明に覚えている壮大で謎解きの多いストーリー、そしてかっこいい表紙。
ぜひ皆さんも読んでみてはいかがですか?


表紙と切ない恋模様がお気に入り

伊豆の踊子 著:川端康成
文:やざわ

僕が紹介する本は川端康成が著した「伊豆の踊子」という本です。
この話は川端康成の実体験を元に著されたものであり、主人公(川端康成)が旅をしていた際に、偶然出会った旅芸人の踊子に恋をするといった物語です。
お気に入りの理由の1つ目は、表紙です。「伊豆の踊子」はいくつかの出版社からも出版されていますが、その中でも僕がオススメするのは集英社出版の文庫本です。
集英社出版の文庫本では、ジョジョの奇妙な冒険などで有名な荒木飛呂彦さんが表紙を担当しており、独特な世界観を持った踊子が描かれています。
荒木さんが描いた踊子は、想像していた踊子をはるかに凌駕しており、なんとも色っぽいです!
そんなことから僕は表紙だけでこの本を買ってしまいました。
ただ、いくら表紙で買ったと言っても決して物語自体に興味が無かった訳ではありません。
僕が初めてこの本を知ったのは高校に入って間もないころ。男子校ということもあり、非常に異性関係に悶々としている日々を過ごしていました。そんなとき「伊豆の踊子」と出会いました。
この話は主人公が想いをハッキリと告げずに終わるのですが、その点が中学校時代の僕と重なっているように感じ、非常に共感することができました。
しかし、僕はこのハッキリと想いを告げないという点こそが、日本人の特徴であり良い点でもあると思います!
もし最近キュンとしていないのならば、是非ともこの本をオススメします。


お気に入りの本に出会えたときはわくわくしますよね。
みなさんも良きブックライフを!

それでは、第2弾もお楽しみに!