◆ 2018お年玉?記事…ナチュラルタイプ逆風
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◆ ナチュラルタイプ逆風
お年玉といいつつ、
ナチュラルタイプに関しては、明るい話題になるか分かりません。
それでも、備えあれば憂いなし、
心して次のステージに備えて下さい。
● パーソナルデザインの追い風と逆風
女性の多くは、その時代時代にもてはやされる“美人像”を追いかけて、
模倣することで、実りを得ようとします。
もてはやされていて、じぶんもステキと思ったら、たちまち自己同一化
が頭の中で起きるので、擬態している認識もないものです。
パーソナルデザインなどの、<似合うデザイン>の話というのは、
そういう、“風”に流されるのではないところで、
キャラクター演出や装いを、提案するものです。
でも、世間の風って、本当に強力みたい…。
パーソナルデザインの各タイプも、
その時々で、喜ばれたり、困惑されたりするのは、
多くが、トレンドの影響によるものだというのが、統計上出てきます。
ひとたび風向きが変わると、
この、喜ばれる、困惑される、の反応パターンも、一挙に変転してしまいます。
「困惑されることの多い」タイプが、ある時から、
「羨ましがられるタイプ」「歓迎されるタイプ」に躍り出ること、
その逆も、起こります。
タイプを取り込んでいくうえで、
追い風があるなという認識が、心理的にどれほどの強みとなるか、
逆風がを感じることが、どれほどのハードルになるか。
「じぶんを持つ」ことの難しさを、感じずにはいられません。
● ナチュラルタイプ
ナチュラルタイプの、あまりにも超強力だった追い風は、
おそらくもう、幾らかの割合で、収束しています。
というか、追い風が強く長く吹いてしまったからこそ、一部では、
あまり好ましくない形の風に、変容しつつあります。
他のタイプの方々から寄せられる、ナチュラルタイプへの言及って、
例えば、ファッショナブルタイプとは、対照的。
つい最近まで、よく言われました、
「ナチュラルばかりで、じぶんのものが見つかりません」
ファッショナブルタイプが、「全然見当もつかない」
「他人事でも“想像するだけでドキドキ”」という印象なのに対して、
ナチュラルタイプへは、
「あーそれね」
「誰にも、すっかり分かられてしまっている」ふうなのですが、
その具体的内容が、今やあんまりよろしくない感じなのです。
こうも誰からも「分かった気になられてしまっている」のって、
ナチュラルタイプならでは、といえますが。
このタイプが、メディアでも市井でも巨大な一時代を築いたのは確か。
それがために、多言を要しないほど、ポピュラーなイメージで定着しています。
そのポピュラーさが、裏目に出始めているんですね。
そのために、ナチュラルタイプは、錯そうしそうな気配があります。
● ええ!?
ナチュラルではない方とご一緒している時、
こういうことがよくあって、
「これってナチュラルじゃないですか。これも。これも。
こういうのが本当に似合わなくて」
えー…!?
内心びっくり。
そ、そ、そんな、
そんな、服、
ナチュラルタイプの方に、ご案内しないですー!!
外出着にかまわない大勢の街往く人々、
彼らが身につけている、さも大量生産ちっくなカジュアル服が、
すなわちナチュラルタイプ用の服だと、思われているふしがあります。
80年代後半から兆しは出ていましたが、
ナチュラルタイプが本格的にメディアを席巻したのは、90年代から。
人気は根強く続きました。
90年代~200年代初頭、アパレルの方の景気は良くて、
シンプル化、カジュアル化といっても、今よりはずっと上質感がありました。
軽装でも決まっていて美しかったナチュラルタイプの錚々たる面々が、
テキトーな格好をしても恥ずかしくない、
むしろ気取った格好の方が恥ずかしい、
と人々に思わせました。
罪深い…。
消費レベルがどんどん下がって、服飾費が削られる一方。
とことんまでコストダウンされた量産カジュアル服が、
いつしか、ナチュラルタイプのイメージとして張りつけられるように
なってしまった…ようです。
ポピュラーになる→コストダウンなコピー商品が蔓延→
→みんな着てる、じぶんも着てる、でも他人のそれを見てもときめきはない
→相変わらず着てる、でも自分のタイプがそれって言われるのはイヤ
→相変わらず着てる、それは“本番”じゃないからいいの、
でもナチュラルタイプはこういうのが“本番”という人々なんですよね
ちがーーーうーーー!!
…違うんだけれど、
ポピュラーになる、というのは、
必然的に、こうした過程が待っている、ということでもあります。
とてつもなくポピュラーになるというのは、
似合わない人がこぞって着るわけで、そうすると低予算コピーが増えるわけで、
極限までチープ化されて大量に出回ったその型を、
「服なんてどうでもいい」人々が、手抜きを進行させながら裾野を広げていく、
ということなのですから、
しまいには、みんな飽き飽き、という段階に至ります。
ナチュラルタイプに、こうしたことを背景として、
うれしくないイメージが張りつけられる、ことが増えました。
だからもう心しておいてもらった方が、よいと思います。
● ありがちなこと
近年のナチュラルタイプでありがちなことは、
ナチュラルといわれてテンションが上がらなかった場合に、
それでもなお、それまで通り、チープ・カジュアルを続けてしまうこと。
チープ・カジュアルをしてもじぶんはカッコよくなれない…
その事実に打ち負かされた他のタイプの方々は、観念するしかなくて、
やむを得ず、じぶんのタイプに取り組み始めますが、
ナチュラルタイプは、それでもかなりの線にもっていけるものだから、
ずるずると、「それまでずっとしてきたまんま」が続きやすい。
そのことの何がいけないのかというと、
木の葉が森に隠れちゃうからです。
外に出れば、似たり寄ったりの格好の大群衆ですから。
イメージコンサルティングって、モテたとか褒められたとか、
個々の分かりやすいことも色々とあるけれど、
何年かしたら、いつの間にか、生活の隅々まで底上げされる、
というのが、実は最も大きな成果です。
それには、目に見えて「変化」することが必要です。
「今のままのアタシでいい」の結論では足りません。
最初から分かった気になっちゃうのって、とても危険です。
● ナチュラルはいずこに
皆さんがよく「これがナチュラルなんでしょ」と思っているものが、
実はそうではないのだとしたら、
では、真のナチュラルって、どこに行ってしまったのでしょうね。
方向性として、大まかに2つ、確認できます。
この2つは重なり合う関係にありますが、いちおう、
区分しておいていいと思います。
「ナチュラル」がこうまで酷いイメージダウンにあっていて、
ナチュラルテイストの似合うオシャレさんたちはどこに行ったのか、
と考えると、興味深い状況が見えてきます。
● ハイグレード化
中間層が消えゆく中、そこそこのレベルのものが売れにくくなりました。
「そこそこ」の一部は消滅し、一部はよりハイグレードな方に上昇しています。
姉ブランドを創設したり、趣向を上げつつ価格帯を上げるなど、
ブランド価値のリニューアルが図られています。
例えば、東西とも、中枢のファッションエリアで都市再開発が行われ、
敷居の高そうなファッションビルができて、
ハイグレード上昇組がぞろぞろ入っていますが、
それらをチェックしていて興味深かったのが、
ナチュラルテイスト(+ちょいファショナブル)のコンセプトが多い…。
(というか、確認した範囲では、全てといっていいくらい)
素材レベルを上げ、縫製レベルを上げ、
一見さりげないけれど工夫の凝らされたパターンで違いを出し…。
うっと目玉の出る価格は、「分からない人はよそへどうぞ」ってやつですか。
“上昇組”に、フリフリの甘めブランドって見当たりませんね。
(通常の百貨店でも階が上がるとそうなりますが)
なるほど。
「パワー」の持ち主は、おおかた<直線>で、
<曲線>ではない、という判断なんだな。
停滞と反動に向かう世相において、個人としての打開の方向性としては、
<直線>で、やる気のある女性なら、
(一般的な傾向とは裏腹に)
ずばり上昇思考、
が一つの答えなのだ、と、あたかも指し示されているよう。
興味深い示唆ではありませんか。
● 線を辿る
もう一つの方向としては、
やれデニムだ、やれシャツワンピだ、みたいな項目に終始せず、
個々の服の、具体的なライン、フォルム、単位を取っていくことです。
前回のファッショナブルタイプで、
コミック『燁姫』のカバーにコメントを入れましたが、
例えばああいう感じのこと。
今は、市井では<曲線>の方に追い風があるので、
「かわい子ちゃん風はしちゃだめなんだ…」とがっかりする向きもあります。
そこで思考停止なさいませんように。
したいのが「かわい子ちゃん」なら、無理なくそれができる方法を考えて。
例えば、パフスリーブで、よくあるぷっくりしたフォルムだと、
ナチュラルタイプには、完全アウトですが、
「時には袖を膨らませる可愛げが欲しい」というテーマなのだとすると、
具体的なラインの取られ方によっては、イケるものもありうるわけです。
好きなものは諦めないで、融合の方法を考えるのが建設的ですし、
そういうことにもトライしていただいた後の方が、
もっとよく似合うものって何だろう、って、素直に向き合えるものです。
BWH、着丈裄丈といったサイズだけではなく、
細やかに比率や単位を把握しよう、と思ってみて下さい。
● 気合をどうぞ
そういうわけで、ナチュラル逆風時代、到来なのです。
タイプ・コンセプトは誰からも「分かった気になられている」せいで、
かつてのように、“羨ましがられるタイプ”ではなくなっています。
みながみな、「今日はナチュラル」と称して安っちいカジュアルをしている
状況ですから(無礼ですが、自分のタイプでなければそんな扱いです)
軽く扱わせない、ことができるのは、ナチュラルタイプご本人しかありません。
手抜きをしている場合では、たぶん、もうないと思います。
今年はちょいと、気合を入れて、取り組んで下さい。
「プチプラ・コーデ特集」の閲覧はやめましょう。毒です。
● 綺麗な格好を
端的に、綺麗な格好をなさって下さい。
いきなり服装を変えてしまうのは難しいので、
もっとも差し替えが容易で、効果的なことから実践を。
①普段履きも、パンプスに切り替えて下さい。
普段履きが運動靴などになっている方は、パンプスへシフトです。
幾らかヒールのあるものが望ましいです。
ラウンドトゥは却下。
②口紅をつける頻度を、上げて下さい。
③リッチなトップスを一枚
セールです。上質な天然素材で、ざっくりと、でも丁寧に編まれた、
これまで出したことのない価格のセーターを一枚どうぞ。
セール期はどんな店でも入りやすいですし。
同じような型でも何かが違う、というものを探し出して下さい。
天然素材やニットと相性がいいナチュラルタイプですが、
だからこそ、素材や縫製のグレードを上げることが、見た目にも効きます。
④あとは、何かしらジュエリーを身につける習慣がつくといいですね。
ジュエリーは、ハードルの高い項目ですので、
大得意科目の、巻物でもいいです。
ヘタなものなら、何も付けないほうが美しい、ナチュラルタイプです。
でも、みんながみんなカジュアルダウンしている時だから、
アップ方向へ振るのが吉です。
世相と周囲を見渡して、出方を変えるのが、イメージ戦略。
どのタイプも、古いやり方ばかりでは飽きられます。
街往く人々がしているドブ色の粗末な格好≠ナチュラル
ですので、ほかの皆様もそこのところ、宜しくお願いいたします。
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