ジュリエット・レカミエさんのパーソナルデザイン3。イメージコンサルタントが名画を通じてデザイン分析の手法をご紹介します。
歴史的美女の肖像 ジュリエット・レカミエ氏、通称レカミエ夫人のPD推理3
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 順番に、コメントを兼ねて解説を

     ナチュラル … 2票
     グレース … 1票
     フェミニン … 1票
     ロマンス …3票
     キュート …5票
      (ガーリッシュ 3票 / ボーイッシュ 1票 /アヴァンギャルド 2票)

     ※タイプ名の挙がった毎に1票と数えました。

(まも) ama様、ハル様、OM様、GE様、みーにゃん様、halu様、SO様、

     挑戦状にお応えしていきます
音譜


 シュミーズドレスは誰のもの?

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    ナチュラル(かボーイッシュ?)(GE様)

    ・古代ギリシャ系の服で短髪⇒浮きまくりのはず、着こなしてなお我を貫いた

     ファッショナブルやアバンギャルドならロマンス風も御したろうし
     ガーリッシュなら盛り盛りの服もなんとか出来る。

    ・絵がキュート系なのは:ロマンスの時代とナチュラル系との落とし所がそこ?
    ・屋外っぽい背景
    ・コスプレかつ短髪ってとこでボーイッシュが切れない
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    ロマンス・ナチュラル( halu様 )
    ・胸も肩も露わにした、薄布の体型がわかってしまう下着みたいなドレス
    ・しかもそれが品良く⇒ロマンスさんの特権では
    ・カジュアルな素材感からナチュラルも追加 
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(まも) レカミエ夫人の頃に流行った、この「ギリシャ風」のドレスだけど…意味深なのよねえ。

(なな) どんなふうに

(まも) まず、基本から始めてみる?

    古代ギリシャ風の衣装と聞いて、真っ先に思い浮かぶのってどのタイプ?


(なな) んー、分かんない。

(まも) 張り合いがないなあ。じゃあさ、古代ギリシャの彫刻って、思い浮かぶ?

(なな) ミロのヴィーナス、サモトラケのニケ。

(まも) なんかさ、シーツをぞんざいに巻きつけてるだけ、って感じだよね、あれ。

(なな) シーツ!! きゃははははは

(まも) いや実際。

(なな) うん、シーツ、シーツ!

(まも) ギリシャ彫刻っていうと、すっぴん美人、って感じもしない?線が強くてしなやかで?

(なな) うん。する。まつ毛命な感じじゃ、ない。

(まも) だよね。

(なな) ナチュラルって言いたいんだね。

(まも) そうそう、すっぴんで、シーツ巻き付けた格好で、髪もちょいぞんざいな感じで、

     それでも美しい。ナチュラルタイプのイメージよね。


(なな) 分かった。

(まも) 実際、ナチュラルタイプの人に、古代ギリシャっぽいドレスを着せると、ハマる。

(なな) あー、そんなことまで教えちゃってええの。

(まも) この先があるのでね。


 シンプルゆえに、誰だって着られる、という側面も

(なな) でもさー、シーツも色々だよねー。

(まも) そう、ホテルのシーツを、巻きつけて留めました、っていうなら、

     ナチュラルでいいけれどね。


(なな) ドレープが大きく寄るから、ファッショナブルでもロマンスでもいい感じ。

(まも) そう、ドレープの巻きに、計算を施すと、

     別のタイプでも「得意な」テイストまで持っていける。


(なな) 分かった!ヒダを細かく均一にとって、真っすぐ降ろせば、グレースに。

(まも) 素材を柔らかにして裾に広がりを持たせれば、フェミニンでも。

(なな) グレースとフェミニンは、肩や胸を出しすぎないように、でしょ。

(まも) ドレープは、華美なところまで持っていければ、もはやロマンスの物。

(なな) ディティールを細かくすれば、キュートタイプね。

(まも) だから結局、誰でも使える形に、持っていける。

(なな) レカミエ夫人の時に、パリで流行したんだよね。

     そうか!工夫をすれば、お洒落合戦に参加できたんだ、だから流行ったのかも。


(まも) それもあるでしょう。

(なな) も?

(まも) このドレスの原型は、フランス王妃マリー・アントワネットの時には、生じているの。

(なな) え、そうだったの。

(まも) その時は、まあプチ・トリアノンの内々の流行で終ってしまったのだけれどね。

(なな) 何か、いわくがあるの?

(まも) このドレスの流行は、女権拡大運動の先駆けでもあるわけ。

(なな) えー、そんなとこまで飛んじゃうのー

(まも) まあ深入りしたくはないんだけれど、

     ヴィジュアル以外でレカミエ夫人にアクセスするとなると、避けて通れないのよね。



 女権拡張セクシー・ムーブメント、レカミエ夫人、参戦す。

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    ・白い衣装⇒無垢さ・可憐さの象徴? ⇒ガーリッシュ(ハル様)
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    ・白い服は白い花嫁であることを示す⇒人となりとは無関係、清楚なイメージは…偶像
     (GE様)
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(まも) 当時まだ、女性は、家庭内に閉じ込められていて当然の存在だった。

     職業婦人は卑しい存在。まあ、今もさして変わらないけれど。


(なな) うん。

(まも) でも、当時は、革命期。世界が変わりゆくのを、人々は肌で感じていたはず。

     現代の私達だって、<フランス革命>が創り上げた時代の中を生きている。


(なな) 女の子達も、それを感じたんだ。

(まも) 現実には、豊かな家の、教養や情報を与えられた若いご婦人方だけに、

     エントリーが許されたムーブメントではあったけれど。


(なな) 伊達女って、言われたんでしょ、ギリシャ風のドレスを着て街を練り歩いた女の子達は。

(まも) 急先鋒はテレジア・カヴァリュス。ナポレオンの奥さんのジョゼフィーヌも着ていた。流行の最先端。

     特にカヴァリュス嬢はロマンスタイプの可能性が高いから、

     素材の柔らかさと、極端な露出度の高さも納得できる。

     いっきに、ロマンスの匂いただよう風俗になった。と推測。


(なな) レカミエ夫人も、それにエントリーしたんだね。

(まも) ジュリエット・レカミエという人は、たぶん、事の本質を理解していた。

(なな) 事の本質?

(まも) アレは、女性が「あられもない下着姿で公のシーンに出ていく」ことに意味があるの。

(なな) 下着姿ー!?

(まも) 当然でしょ、裸にシーツ巻き付けなのよ。意味するところは明らかじゃない。

(なな) 何の意味があるの

(まも) もちろん、女性を解放することよ。

(なな) なんで、下着で外をうろつくのが、女性解放になるの?

(まも) そこには深入りしない。でも、感覚としてはよくわかる。

(なな) ふうーん???

(まも) 動物保護団体の女の子が、裸同然の姿でパフォーマンスしたりするでしょ。

     オノ・ヨーコも、ジョン・レノンと、ベッドに入ったままインタビュー受けてた。

     古くならない手法なんだな。



 ススンデいる女の子に、萌えた社交界

(なな) とにかく、女の子達にもっと自由を、っていう意味の、ドレスなんだね?

(まも) そういうこと!社会が、とりわけ女性の裸体の表出を、厳しく禁じているからこそ、

     裸に近いあの風俗には、反骨の意味合いが出る。

     だって、あのギリシャドレス、下着もつけないで着るんだものね。


(なな) うっひゃー。

(まも) 多くの人が眉をひそめたのだと思うけれど、

     強い力の庇護下にあって、行動を大目に見られていた、ススンデいる女の子達は、

     競って参加していたわけ。


(なな) 反骨の思いで、冬の最中でも、命がけで着ていたのかあ。

(まも) いえ、そんな理屈を捏ねるのは、若者にとってはカッコ悪いことでしょ。

     「下着だろうが何だろうが、素敵なんだから着るんだもん」、それだけ。

     多くが感覚的に実行していたでしょう。とにかくクールなんだと。

     十代半ばにもなれば、親の決めた家に嫁ぐしか未来がない境遇でもあることだし。


(なな) 不自由を感じている若い子たちは、惹きつけられるね。

(まも) レカミエ夫人も、確信犯の一人ね。サロンの主を務めたほどの人だし。

(なな) 下着ルックというと…

(まも) まあ、白になるわね。

(なな) 「白い花嫁」は?

(まも) 別に矛盾はないわ。

     下着ルックをしていても、それを自分に似合うように着こなす能力を持っていて。

     守ってもらえる身分はあるにしても、人々の賞賛を受けられる程度にもっていけた。

     パリの女番長の一員としては、必須の能力ではある。


(なな) それが、「白い結婚」のウワサと結びついた、ということか。

(まも) 繰り返すけれど、海千山千のジョゼフィーヌさんも、白い下着ルックをなすってたんですよ。

(なな) 要するにー、ジュリエットさんは、下着ルックでも「清純」だと言わせるものを持っていたってこと?

(まも) 処女のイメージがハマるような既婚者。

(なな) 純潔な感じ…グレースやフェミニンじゃ、だめなの?

(まも) だめじゃないよ、若いうちなら。でも、グレースやフェミニンは、

     家庭に入るや、落ち着いた賢夫人のイメージを帯びていくもの。


     

(なな) かわゆいけど、ちょっと、エロスな感じ?

(まも) エロスが全くなければ、意味のない衣装だし。

     とはいえ、この絵は、ロマンス疑惑も沸く。

     秋吉久美子型ロマンスと捉えるか、サブにロマンスを配置するか…、

     ロマンス風味の画風とみるか…でもかわゆいのよねー


(なな) アレ、今更迷ってるの?

(まも) 断言しなくちゃならないわけでもないし。

(なな) まだ、「パリだからロマンス」っていう時代なんだ。

(まも) でも変化は着実に起こっていた。

     レカミエ夫人が、パリの女番長に躍り出たということは、むしろロマンス離れと見るべきか。


(なな) なんか複雑だねえ。

(まも) でもない。レカミエ夫人の肖像を改めて観た時、素直に、

     「あら珍しいキュートさんじゃない」と思ったのね。


(なな) 「珍しい」?

(まも) 当時の、美女のステレオタイプではなかっただろうから。

     それでいて、誰もが彼女を見て、新鮮なときめきに沸いた。

     こんなに美しい娘を、これまで見たことがないと、感じた。

     どうしてこんなにも、引き寄せられるのだろうと、不思議に思いながら。

     強力な磁力。この画像を観ると、納得がいく。


(なな) どんな?

(まも) 人々が、レカミエ夫人にメロメロになった、その現象…「萌え」だったのだなと。

 【続】

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"Juliette Recamier (1777-1849)" by Francois Gerard - Portrait de Juliette Recamier sur le site de Repro-tableaux.com.Portrait de Juliette Recamier sur le site du musee Carnavalet a Paris.. Licensed under パブリック・ドメイン via Wikimedia Commons - http://commons.wikimedia.org/wiki/File:Juliette_R%C3%A9camier_(1777-1849).jpg#/media/File:Juliette_R%C3%A9camier_(1777-1849).jpg
"Jacques-Louis David 016" by Jacques-Louis David - The Yorck Project: 10.000 Meisterwerke der Malerei. DVD-ROM, 2002. ISBN 3936122202. Distributed by DIRECTMEDIA Publishing GmbH.. Licensed under Public Domain via Wikimedia Commons - http://commons.wikimedia.org/wiki/File:Jacques-Louis_David_016.jpg#/media/File:Jacques-Louis_David_016.jpg