こんにちは。
1級インストラクターの武田 みはるです。
台風21号、近畿直撃で甚大な被害が出ていますね。
現在も停電・断水の世帯が多く、一刻も早い復旧を望みます。
私の住んでいるところは幸い被害を逃れたのですが、
道路一本離れた地区は停電しています
日常のありがたみを感じる夜となりました。
さて、「カラータイプde教養」シリーズ、ちょっとご無沙汰してしまいました。
これからは毎月2回ほどお届けする予定です。
どうぞお付き合いくださいませ。
今日の台風で思い出したのが、
源氏物語の二十八帖「野分」のシーン。
「野分」とは8月(秋)に吹き荒れる突風のことです。
つまり、現代でいう台風
平安時代の8月は秋ですから、まさに今の台風の季節です!
この帖の登場人物は
光源氏の息子・夕霧。
親友・柏木の死を偲ぶ夕霧 あさきゆめみし画集より引用
この夕霧くん、顔だちはお父さんの光源氏にそっくりでも
性格は真反対(笑)
とにかくマメで実直男。
ピッチャーなら駆け引き無しの直球1本勝負ってとこでしょうか
ワタクシは、「マメ田マメ男くん」と呼んでおります
この夕霧くんが野分のお見舞いに
父親の六条院を訪れた時に
偶然、廂の間に座っていた紫の上を垣間見てしまうのです。
紫の上のあまりの美しさに目を奪われてしまいます。
そのシーンが、
「春の曙の霞の間から
繚乱と咲いている樺桜(かばざくら)のような美しさ」
と書かれています。
樺桜とはこんな色⤵
桜色というより、橙色に近い鮮やかな色です。
夕霧はこの野分の一件以来、
紫の上を「樺桜の君」と呼んでひそかにあこがれるのです。
しかーし、そこは実直な夕霧くん
想いを告げたりせず、紫の上が亡くなるまで
密かに密かに心の中であこがれ続けるのです。(稀に見る実直おとこ)
その時、夕霧が着ているのは「曙色」の直衣。
それを父の光源氏が
「若いのに見事に着こなしている」と褒めたたえるシーンがあります。
曙色とは日本の伝統色でいう「東雲色」(しののめいろ)にほぼ近い色と言えます。
出典元:irocore.com
東雲色のほうが、ややピンクがかっています。
東雲色とは現代でいう「オーロラソース」の色に見えますね。
ケチャップとマヨネーズを合わせたソースの色のことです。
エビのオーロラソース↑ そうそう、この色(笑)
野分の帖の時、夕霧は15歳。
紫の上は28歳。
年上の美しい継母がいたら、憧れますよね
この東雲色(曙色)の直衣は
15歳の少年にはやや地味に映りますが、
父親ゆずりの端正な美貌には
シュッとするんやで(関西弁で)
これからオーロラソースを見たら、
夕霧くんの衣装を思い出してください
この夕霧に関しては、
また後日詳しく取り上げたいと思います。
お父さんとの対比など、
なかなか興味深い人物ですから
最後までお読みいただき
ありがとうございました。
台風による被害を被られた方、
こころよりお見舞い申し上げます。