読者の皆様。

ちょっとご無沙汰してしまいました。日々に追われていたらあっという間に12月・・・。今年も1か月を切ってしまいましたが、いかがお過ごしでしょうか。

 

さて今回、結構しっかり私たちの業務内容に関わる話題で迫ってみたいと思います(/ω\)

皆さんの身の回りでも、金属の「サビ」は、結構悩みの種ではないでしょうか?金属・・特に鉄はなぜ「サビ」るのか?

「サビ」は金属の腐食なのですが、一般的に「錆びる」原因として「水」が関わっていると言われます。

鉄を濡れたままにしておくと錆びてしまう・・・。これは誰でも覚えがあると思います。専門的に難しい話はしませんが、鉄に水分が付くとそこに電気的作用が起きて、鉄が変質してしまう・・・みたいな事ですね。酸化鉄なんていったりするのを聞いた事があるのではないでしょうか・・。

鉄が錆びると、やはり構造上、その部分が弱くなってしまったり、もちろん美観(見た目)も損なわれます。では、どう防いでいけばいいのか?

数種類の方法があるのですが、私たち塗料を取り扱うものとしてもっとも身近な方法・・つまり「被覆法(油や塗料で鉄の表面を覆ってしまい、水分や空気を遮断。さびの発生や進行を防ぐ方法)」 その中でもちょっと、今までにない程、いい結果を出すかもしれない??塗料について、今回、実験と経過観察をしてみよう!そういう企画の始まりです!

「バッファーコート」

数か月前に、弊社・宮崎営業所の企画で、この材料の勉強会がリモートで実施されました。途中からの参加だったのですが、メーカーの技術さん(大洋塗料株式会社様)の話を傾聴しているとなかなか興味深い・・・。

実は数年先行して、当の宮崎営業所では、農業系の施設にPRとサンプル提供をしていたそうで・・。忘れた頃のある日、その施設の担当者が訪ねて来られ「実際に購入して、これでサビを防ぎたい」との要請。どうやら、サンプル塗装でよい結果が得られたのでしょう。

ただ、正直、価格はかなり高額・・・。それでも購入したい!と言われるのなら、それに見合う結果が出たという事か???

「これはイケる!!」

弊社・宮崎営業所の担当・H。夜明けの東の空を見上げて久しぶりに武者震いΣ(゚Д゚) 決意を新たにしたとか・・しないとか・・・。

そんなワケで、弊社の中でもひと際、厳しい条件のフィールドで営業活動を繰り広げる「船舶部門」にも、サンプルを提供して頂けることとなり、実際に目に見える形でその実力を試してみようではないか!! となったわけです。

 

説明を聞いてみると、この塗料のみを塗る事で、見事にサビから鉄を守る事ができるとの事。ケレン~さび止めプライマー塗布~上塗り塗料塗布・・・という通常の工程を大幅に省くことが出来るそうで・・。しかも塗料用シンナーで希釈する弱溶剤タイプなので、旧塗膜が残っていても、上から重ねて塗る事が出来る。これも魅力です。

「99,99% シリコン」

カタログに記載もある通り、高純度シリコン樹脂配合。なるほど、シリコンゴムのような表面になるので、撥水効果もある。水分を寄せ付けない事でもサビの発生を抑止する効果が期待できます。

 

その実力を検証すべく、実際にこの「バッファーコート」で保護された「鉄」のサンプルを作成してみました。素材は取引先の造船所から廃品切れ端を頂いてっと・・。

まずは、作製風景の動画をご覧ください・・・・。

実際、使ってみての感想ですが・・・・

硬化してしまった後も、若干表面がしっとりというか、ヌメっとした半艶みたいな見た目になります。シリコン樹脂成分がほとんどなので、手触りも「コーキング」の表面っぽいといいますか・・・。カタログにある通り、撥水効果はスゴい!わざと海に水没させるシーンがありますが、水滴が玉になってコロコロ落ちる感じ。これは表面に水が留まることはなさそう・・・。

あと、我々がもっとも心配するところの・・・

混合比19:1

主剤と硬化剤の比率はこれを厳守。デジタル計量をすること!となっています。

プロの業者さんでも精密計量器を準備して・・とはなかなかならない。ましてや、普段、塗装とは関わりのない方が、自分の働く施設の補修で使いたい・・となった時、この条件はかなり厳しい・・・。

動画でも出てきますが、わざと「アバウトな混合」も試してみました!!

左が一応、普通の計量器で図って混合したもの。

右はホントにアバウト!見た目で19:1ってこんなもんか?

ぐらいの「ヤマカン」混合!!

「硬化した!大丈夫みたい・・」

推奨はしません!!自己責任ですね!!硬化・乾燥はしましたが、これから経過を見るのですが、本来の性能が発揮されない恐れもありますし・・・。ご注意を!!

ただ、硬化剤を全く入れないとどうなるか???

「全く硬化しません!!」

この記事は混合後3日目に書いていますが、同時に放置していた硬化剤未投入のものは、全く乾かず液状のままでした。

このあたりは、2液型エポキシ樹脂塗料と似てますね。この点も注意が必要です!!

現場ではいろいろな条件が考えられます。厳しい作業環境の中、満足に塗膜の厚みを確保出来なかったり、部分的に塗り残しが出たり・・・

条件違いで3つのサンプルで経過観察するつもりです。

左から塗装間隔1日置いての2回塗り(カタログ推奨)。大雑把に1回のみ塗装。比較参考のジンクスプレー2回塗り。

で、我らがお三方。辺境南郷営業所2階の所定位置に収まり、これから長い「サビ」との闘いに耐えて頂きます!!

ご覧の通り、目の前は海。「日本のひなた」を標榜する我が宮崎県。冬は晴天の日が多く穏やかなのですが、夏は必ず台風の影響を受け、荒れに荒れる!!塩害・潮風バッチリ!!これ以上ない好条件!!??

おっと忘れてはいけない!

当営業所だけでなく、県北・日向営業所でも、取引先の造船所にお願いしてなんと!「船台」に試験塗装させてもらったそうで。これはさらに好条件!!??で、船を上架(陸揚げ)する度に、海水に没する設備!!

さて、どんな奮闘を見せてくれるのか???

海洋の恩恵を受けつつも、長年「潮風」による金属の腐食に悩みつつ共存してきた港町・・・

希望の「救世主」となるか?

「バッファーコート」

不定期長期連載。次回の経過観察をお楽しみに・・・。

 

COLORS MATSUYAMA 船舶グループでした(^^)