2012年に受講した、こちらの続きです。
 

【色彩認定講師への道(12)】
http://ameblo.jp/coloroza/entry-12289887193.html


色彩検定協会(旧A・F・T)主催である、


●色彩講師養成講座の第10回(全12回)


の講師は、布矢千春(ぬのやちはる)先生で、株式会社フォルトナボックスの社長でした。
 

この回で学ぶことは「ファッションと色彩」で、個人発表は「ファッション全8スタイルから1スタイルを任命され、イメージマップを作成し、分析する。さらにその中から一色を選定して、カラーマップを作成し、分析する(※ファッション誌をスクラップ&コラージュ)」でした。


では、ご参考までに、その原稿全文を掲載いたします。
 

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「エレガントのイメージマップ」


 

【エレガントとは】
上品かつ優雅なスタイルで、カラーが洗練されており、カラー、デザインともに柔らかい雰囲気を持っています。カラーはグレイッシュパステルが代表的なイメージです。
 

【ロマンティックやソフィスティケートとの共通点や相違点】
ロマンティックとの共通点は女性らしさで、ペールトーンの領域を共有しています。その一方、ロマンティックが夢見る少女に例えられるのに対して、エレガントは大人の女性というイメージがあります。ソフィスティケートとの共通点は洗練された大人の女性というイメージです。その一方、相違点はソフィスティケートの代表的なカラーが、黒・グレイ・ベージュなどのベーシックカラーであるのに対して、エレガントの代表的なグレイッシュパステルは、コミュニケーションカラーであることです。またビジネスで言えば、ソフィスティケートがオンなら、エレガントはオフといったところでしょうか。
 

【アクティブとの相違点】
アクティブが機能的・活動的なイメージで、カラーはビビッドトーンの領域であるのに対し、エレガントは優雅でゆったりとしたイメージで、カラーはペールトーンの領域です。
 

【セレクトした写真について】
面倒な家事さえもスマートにこなしてしまう、社交的な主婦をテーマにコラージュしました。食卓に並んだ料理やお菓子、整えられた部屋、直筆の手紙、そして大人のおしゃれを無理なく上品に楽しむ人達です。タイトルは「Noble Repetition/気品のある(毎日の)繰り返し」です。
 

【セレクトしたカラーパレット全体について】
明清色のうち、パステル調を意識しつつも、今回はペールよりも彩度の高い色をセレクトしました。また色相は、程良く散らばるようにしました。
 

【カラーチップ各色について】
(1)PCCSのsf4…2011年春夏から継続する、甘さを含んだブライトカラー。
(2)PCCSのFL-5…陶器のようなツルッとした表面感、空気のような軽さを表現。
(3)PCCSのlt8+…2011年春夏から継続する、甘さを含んだブライトカラー。
(4)PANTONEのmo10PB…水の揺らぎや透明感を表現したウォータリー系のブルー。
(5)PANTONEのde10Y…2011年春夏から継続する、甘さを含んだブライトカラー。
 

/以上です
 

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「エレガントのカラーマップ」


 

【選定した色のセレクト理由】
今回選定した色は、
 

●慣用色名:黄緑
●色票:PANTONEのde10Y
●系統色名:黄みのある鮮やかな緑
●マンセル値:10Y 7/10


です。「エレガント=大人の女性」というイメージはありますが、「アンチ・エイジング」という言葉が生まれて久しいように、昨今の大人の女性は「若々しさ」を保ち続けています。その象徴として「新芽」を思い起こさせる「黄緑」を選定し、ネーミングを「Graceful Green(気品のある緑)」としました。
 

【選定した配色名とその説明】
この「PANTONEのde10Y」は、便宜上「PCCSのb10」に置き換えています。
(1)対照色相配色(色相差8)+アクセントカラー配色
ワンピースの黄緑に対して、シューズのが対照色相です。さらにそのは、アクセントカラーとなります。
(2)中差色相配色(色相差4)
ボトムの黄緑に対して、シューズのベージュが中差色相です。
(3)類似色相配色(色相差3)+アクセントカラー配色
ボーダーの一部である黄緑に対して、同じくボーダーの一部であるが類似色相です。さらにネックレスのオレンジは、アクセントカラーとなります。
 

【配色バーの特徴やポイント】
(1)トップとボトムは一体化していて、黄緑がほぼ全身を占めており、シューズのはわずかに面積を占めています。
(2)トップとボトムは白と黄緑のツートーンになっており、シューズのベージュはわずかに面積を占めています。
(3)トップとボトムは一体化しており、白・黄緑のボーダー柄ですが、ほぼ全身を占めています。その一方では、ネックレスのオレンジやシューズのベージュはわずかに面積を占めています。
 

/以上です


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【イメージマップとカラーマップを発表した自分の反省点】
前々から準備を進めてきた「エレガント」についての発表でしたが、作品の内容がコアを突いていないのが後ろめたかったのか、専門分野の布矢先生に対してのコンプレックスが強かったのか、はたまた前の人の発表が完璧過ぎて負い目に押し潰されたか、いろんなことが相まって、珍しく極度にあがってしまいました。
これはひとえに自分自身のもろさでした。こういうシチュエーションでさえ克服せよという、一つの教訓でした。それでもあたたかくフォローしてくださった布矢先生には、大変申し訳ないとともに、感謝の気持ちでいっぱいでした。
 

【布矢先生によるご講評】
(1)発表は慣れていないのか?(→そう思われても仕方がない状況でした)
(2)プロジェクターによる映像の前には立ってはいけない。
(3)作品がテーマのコアを突いていないわけではないので、シチュエーションの場合分けということを一言添えれば良い。
(4)作品の仕上げは細かくて綺麗である。さすがプロである。こういうのを見習うといい。
 

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「ファッションと色彩」において、おさえておきたい以下のポイントは、布矢先生からご説明がありましたが、具体的かつ重要な内容につきましては、このブログでネタバレはしませんので、
 

実際に受講するまで、楽しみにしていてくださいネ~(笑)


●インターカラーの予想とマスコミが求めるもの
●5大コレクションとは?
●ファッションにおけるカラーの曖昧さ
●コートを着る、脱ぎかける、脱ぎ終わる
●表現者の表現の仕方が絶対
●自分が他人へ教える場合はコア
●カメラマンの個性は没し、客観的な写真を撮る
●発表ターゲットを誰にするか?
●エイジ&ビューティー
●アレキサンダー・ジラルド氏
●「color(¥1,400)」という本
●絵合わせコースター


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さぁ次回はいよいよ、共立女子大学の城一夫教授の登場です!そして次々回は魔の講師認定最終試験が!?


(つづく…)

 


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