#13「すごい」にひそむ少し怖い話 | ピカソプロジェクト 満足度92%!3万人が笑顔になった こどもの表現の伸ばし方

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こどもはみんな芸術家!アートでこどもたちの表現力を育てるピカソプロジェクト。
こども向けアートワークショップ、幼稚園保育園のアートサポート、保護者の方のためのワークショップ等を運営しながら、美術教育の研究を行なっています。

こんにちは。ピカソプロジェクトの脇田真紀子です。
今日は、ある子育てサイトでとても興味深い記事を発見しましたので、シェアと、それについての私の考えをお伝えしていきたいなと思います。
記事元は、「子育てに、笑いと発見をConobie」というところの、2020年8月1日に投稿された記事で【子どもに「すごいね」と言い過ぎていた・・・応援する気持ちに潜んでいた落とし穴】という記事です。

この記事、漫画なので非常に読みやすいので読んでいただきたいんですけれども、息子が小学1年生のお父さんが主人公です。
1年生の男の子が「僕もサッカーしてみたいな」というので、サッカー教室に通うことにします。
サッカー教室に入ったころは、お父さんと一緒にサッカー教室に行って、お父さんが「すごいすごい!」とほめます。
こどももそれにこたえて頑張ります。

時がたって、ある時、お父さんが「今日も頑張ったね」みたいに声掛けをするんですけれども、そうすると子どもが非常に沈んでいるんですね。

で、ここからの対話が非常に興味深いんですけれども、お父さんが、沈んでいるこどもに対して「どうしたの?」と声掛けをすると、「ぼく、すごくない」って、こどもが回答するんです。もう少し対話を続けていくと、こどもが「今日、ぼくすごくなかったよね。だって、全然できなかったから。」っていう言葉を発するんです。
そこからお父さんは自分で自分を振り返るんです。ちょっとここ、そのまま引用させていただきますね。
『始めた直後はできるようになる度に「すごいすごい!」とほめまくっていた。けれど、サッカーを始めて半年、多くの「すごいこと」は「できてあたりまえ」になった。そういえば最近、すごいよりも、惜しい、もう少し、と思いながら見ることが増えたかもしれない』

私が引用させていただくのはここまで。
こどもが、漫画では「ぼくはすごくない」って言って涙を流す。この場面までをちょっと考えてみたいなと思います。

すごいとか上手だというのは、こどもをもちあげていい気にさせる「おだて言葉」だという風にお伝えしていたんですけれども、そもそもなんで男の子が「ぼくすごくない」って泣いたのかというと、ご褒美ですよね。言葉のご褒美が以前よりもらえなくなったことに対して泣いているんじゃないかと推測するんですね。昔は、男の子にとって大したことじゃないことでも「すごい、上手」って言ってもらえてたから、たやすくご褒美が手に入っていた。
でも、サッカーを始めて半年で、お父さんも言っているように「サッカーを始めて半年、できてあたりまえになった。」その結果、すごいという言葉が減った。そして、こどもはすごいという言葉がもらえないと泣く。

・・・なんかこれ、私はものすごく違和感を持つんですよね。このお父さんも本当に自分で違和感を感じているというところで、ここまでは非常に共感をします。

ピカソプロジェクト流のほめ方をしていると、「今・今・今」と、今にフォーカスをして、できたことを具体的な事実を伝えていくだけなので、「できてあたりまえ」になったから言わないとか、そういうことが一切起きないんですね。
3才さんには、3才さんができたことをできたねと伝える。
8才さんには、8才さんができたことをできたねと伝える。
なので、こどもの方も、言われなくなったとか言われたとかそういう気持ちを持ちようがないんですよね。
なので、ほめることでこどもを傷つけることが一切ないというのが、この「見たものを見たまま伝える」という私たちのほめ方のいいところなんじゃないかなと思っています。

この、親としては「ほめるのが良い」と思ってほめているのに、結果それでこどもを泣かせてしまうって、なんかすごく悔しいですよね。
こどもを傷つけたいわけでもないし、悪い方向にもっていきたいとも全く思ってない、というのは本当によくわかるので、こどもが泣いてしまったというのは本当に悲しい事件だったんじゃないかなと思うんですけれども、その原因…そうならないためにも、ほめ方自体を変えてみるっていうのも、
このお父さんに(架空の2次元の人物ですけれども)私はそんな風にアドバイスしたいなと思いながら、この漫画を読んでいました。

では、今日もご視聴いただきましてありがとうございました。

※ お盆休みをいただく関係上、次回は8/19に更新いたします。