何故、この本を読んだか?
本の表紙がとってもおしゃれで素敵だったから。
ボルドーと黒の服を着ている女性、バラの花、バックの色とのバランスの良い美しい表紙です。
舞台は第二次世界大戦の上海。
戦時下とは言え、日本とは違うその環境は妖しく異国情緒たっぷり。
そして、主人公は財閥令嬢であり画家。
おしゃれで気高く、強い女性。男前な性格が女性うけしそうなキャラクター。
登場人物の内面描写よりも外面の描写に重点が置かれています。
特に主人子の女性のファッションがよーく伝わってきます。
まるで、漫画をみているような面白さがあります。
ドラマにするとよさそうな小説です。
それにしても、本の表紙って大切ですね。
これは、本の表紙だけに言えることではなく何事にも通じます。
「見た目」よりも「内容」 「心」
という考え方も否定はしませんが
「見た目」 は、「中身」を反映させ、伝える役目を担っているからこそ
無視できないと改めて思います。
紫を帯びたボルドーや黒という色使いからは
大人の女性のこだわり、エレガントさ、強さが伝わってきます。
作者は山口恵似子さん。
私にとって初めての人だったのでネットで検索してみました。
この方は派遣社員を経て、社員食堂で働きながら小説を書いてきた方。
若い頃は熱心に婚活をしていた時期もあったそうな。
色んな経験をしてきたこの作者に興味が湧いてきます。
順風満帆といかなかった道を歩んできた方だから醸し出される
「味のある人」
のように感じられます。
松本清張賞を受賞した作品らしいです。
が、ミステリー性は全くありませんでした。