転校生のカナちゃんはとっても面白い子。
朝は皆に挨拶してお昼は一人でお弁当を食べて夜は皆に挨拶をするの。
転校生のカナちゃんはいつでも笑ってる子。
どうしたのカナ?楽しいのカナ?
転校生なのに、何でも知ってるの。
アニメのこともスポーツのことも、ドラマやアイドル、ゲームのことも知ってるの。
最近驚いたことがあるんだ。
彼女、私の家の近くで見たの。うちの近くに住んでるのかな?
そうしたらね、他の子も同じこと言うの。
私の家の近くにも居たよ、俺のとこでも見たよ。
転校生のカナちゃんはどこにでもいるみたい。
でも、午後には元気がなくなるみたい。力がなくなってるみたいな感じ。毎日そうなの。元気を振りまいてはいるんだけど、かげりを感じるんだ。
ある日、転校生のカナちゃんが休みました。雨の日でした。
数日間彼女は来ませんでした。目撃した子も居なかったみたいです。
どうしたのカナ?
彼女の居ない日々はとても退屈でした。
周りが怒りっぽくなってたし、なんだかジトジトじめじめ。
「あいつのとこ行ってみようぜ」
先生に住所を聞くと困った顔をしてこう答えました。
とーっても遠くに住んでいるから、皆は行けないのよ。
そんなに、とーっても遠くに住んでるのに毎日登校してたんだから、私たちだって会いに行けるはずじゃん。
私はそう思いました。
カナちゃんはすごいんです。
皆に笑顔をふりまくだけじゃなく、植物さえも元気にさせていたんです。
先生は言いました。
今もきっとあなた達のこと考えているわよ。
彼女が居なかったら
ワタシタチイキテイケナイ