「OPTION B」から考える、海外生活での逆境の乗り越え方 | colorfulnote -アメリカ生活 本 アート 旅 英語-

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アメリカ中西部 駐在生活1年目(2016.9〜)
英語学習・ボランティアしつつ自分の道を模索中。
日々感じたことを丸ごと綴っています。


著書「LEAN IN」でも有名な、フェイスブックのCOOシェリル・サンドバーグさん。

その彼女が、ご主人を亡くされていたなんて知りませんでした。

今回ご紹介する「OPTION B」は、シェリルさんが、人生を打ち砕く経験から回復するためのステップについて、心理学者のアダム・グラントさんと共著された一冊です。

そのステップは、シェリルさんがご経験された悲しい出来事だけでなく、失恋や挫折、仕事での失敗などへの対処にも活かせるとしてご紹介されていました。

今回は、海外生活で経験しうる逆境への対処の仕方を、この一冊と考えていきたいと思います。

-contents-

・海外に来たばかりの頃、私が感じていた逆境
・「三つのP」に陥っていませんか?
・対処法①「ジャーナリング」で、自分を励まそう
・対処法②何かに没頭してみよう
・対処法③眠る前に短い日記をつけてみよう
・対処法④逆境を乗り越えた後の自分をイメージしてみよう
・印象的だった言葉

海外に来たばかりの頃、私が感じていた逆境

・言葉が通じない

→コーヒーを買いに行っても、料金が聞き取れない。「ミルクはいる?」のような簡単な質問も聞き取れない。パーティーに呼ばれても会話が続かない。

・知り合いがいない

→夫が会社に行ってしまうと話す相手がいない。

・行動を起こそうにも一人でできることが少ない

→最初はホテル暮らしで、住所が決まるまでは学校やジムへの登録もできず、かといって家探しに関して一人でできることも少なく、モヤモヤしていました。

・とにかく日本にいる友人が羨ましい

→自分の環境は恵まれていると頭ではわかっていても、仕事や子育てなどで忙しくしている友人を羨ましく思っていました。

振り返るとかなり悶々としていますね。

個人差はあると思いますが、赴任先に来たばかりのころは、このような風に感じる人も多いのではないかと思います。

それでは、以下で、レジリエンス(逆境が襲いかかってきたときにどれだけ力強く、 すばやく立ち直れるかを決める力)を育てる方法を見ていきましょう。

「三つのP」に陥っていませんか?


「Option B」によると、以下の「三つのP」が苦難からの立ち直りを妨げるとのこと。

・自責化(Personalization)= 自分が悪いのだと思うこと


・普遍化(Pervasiveness)= あるできごとが人生のすべての側面に影響すると思うこと


・永続化(Permanence)= あるできごとの余波がいつまでも続くと思うこと


逆に考えると、今自分がいる状況に対して「自分ひとりのせいではない、すべてではない、ずっとではない」と考えることができれば、気持ちが楽になるはずです。

例えば、
「煩雑な手続きがあり、家探しなどが進んでいないのは自分のせいではない」

「今は会社に属して働くことができなくても、他の形で人の役に立つ方法はあるだろうし、日本に帰ったらまた就職することもできる」

「渡航したばかりで、今は言葉が通じないけど、徐々に慣れるはず。知り合いも少しずつ増えるはず」
というように考えることができます。

対処法①「ジャーナリング」で、自分を励まそう


「ジャーナリング」とは、考えを思いつくままひたすら書き出すことです。

「Option B」で紹介されていた実験によると、同じ失敗をした友人をなぐさめるようなつもりで、 自分宛てに手紙を書いた人達は、
たんに自分の長所について書いた対象群にくらべ、幸福感が40% 高かったそうです。

私は、落ち込んだ時には下記の方法でジャーナリングをするようにしています。

1.自分が不満に思っていること、不安に感じていることを箇条書きにする


2.一つ一つの項目に対して、異なる見方や具体的に起こせる行動を、友人を励ますつもりで書いていく


こちらの著書でも、自分への思いやりを「友人に対してもつような思いやりを、 自分自身に対してもつこと」と定義していましたが、まさにその通りだと思います。

落ち込むとどうしても自分を責める方向に考えてしまいがちですが、「もし自分が自分の親友だったら何て言うだろう?」という視点を挟むと、冷静に前を向いて考えることができます。

対処法②何かに没頭してみよう


「Option B」では、下記の記載がありました。

ちょっとしたことを楽しめるまで元気になるのをただ待つ代わりに 、元気になれるちょっとしたことを、どんどんやってみよう。
何かに完全に没頭する、いわゆる「フロー」の状態にいた時に、 とてもしあわせな気分だったという人は多い。

自由時間がありすぎると、余計なことを考えてモヤモヤしてしまいがちです。

渡航直後ではできることは限られているかもしれませんが、その状況でも没頭できそうなことを、経験も踏まえて下記に挙げてみます。

・語学学習をする

・小説や漫画を集中して読む

・(治安に不安がなければ)街歩きをして、面白そうな場所を探してみる

・ホテルのトレーニングルームで運動してみる

・ただネットサーフィンするのではなく、気になる情報や素敵な言葉を見つけたらノートに記しておく

対処法③眠る前に短い日記をつけてみよう


「Option B」でオススメされていた日記の内容は下記の通りです。

・「今日ハッピーだった瞬間」を3つ書いてみる

→今の自分の環境について前向きに捉えることができそうです。

・「今日うまくできたこと」を3つ書いてみる

→どんな小さなことでも、うまくできたことを記すことで、落ち込みからの回復が早くなるとのことです。

対処法④逆境を乗り越えた後の自分をイメージしてみよう


「Option B」によると、逆境を乗り越えた後には、下記のポジティブな変化があるとのこと。

「人間としての強さを自覚する」
「感謝を深める」
「他者との関係を深める」
「人生により多くの意味を見出す」
「新たな可能性を見出す」

私は渡米から11か月が経ちましたが、知り合いのいない状況から、徐々に友人が増えて言葉も通じるようになり、ボランティアの機会もいただけるようになって、一旦逆境は乗り越えたかなと感じています。

小さくても自分の居場所を見つけられたことで自信がつきましたし、言葉が不十分でも温かく接してくれる友人達に感謝しています。

また、今まで挑戦したことのなかったことに対して取り組む機会をいただいたことで、自分の可能性も広がりました。

渡米当初は想像できませんでしたが、今後壁にぶつかった時には、乗り越えた自分の姿をイメージすると、気持ちが楽になるのではないかと感じています。

印象的だった言葉


こちらの著書で引用されていた2つの言葉がとても印象的だったので書き留めておきます。

「自分を殺し損なったものが、自分を強くしてくれる」ニーチェ

→壁にぶつかった時に思い出したい言葉です。

「しあわせのとびらがひとつ閉まると、別のとびらが開く。でも、 閉じたとびらをいつまでも未練がましく見ていると、 自分に開かれた別のとびらに気がつかないことも多いのだ」ヘレン・ケラー

→今の環境に目を向けるきっかけをくれる言葉です。

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今壁にぶつかっている方に、何かヒントになることがあれば幸いです。

他にも、「逆境の中にいる友人への接し方」や「レジリエントな子どもの育て方」など、参考にしたいことがたくさんの一冊でした。

本当に辛い環境の中で、こちらの著書を執筆されたシェリルさんのことを思うと胸がいっぱいになります。

気になった方は、ぜひ読んでみてくださいね!

「OPTION B 逆境、レジリエンス、そして喜び」シェリル・サンドバーグ 著 /アダム・グラント 著 /櫻井祐子 翻訳


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