もとは緑だった部屋を赤に描きかえたのはなぜか。
その理由についてマティスは、「装飾的でなかったから」だと
述べています。
つまり画家の感性で赤に変えた、ということですが、そこには
“色の心理的効果”が関係していた!というのが
番組の主旨。
色にはさまざまな心理的・生理的効果があります。
赤には、筋肉の緊張や血圧の上昇などをもたらす効果があり、
緑には癒しやリラックス効果があることがわかっています。
番組内で行われていた脳波の実験でも、赤を見るとβ波が増えて
脳が活性化し、緑を見るとα波が増加してリラックスした状態に
なることが証明されていました。
さて、この『赤い部屋』は、家族を相次いで病気で亡くし
深い悲しみの中にいた、とある顧客のために贈られたそうです。
とすると、その人の心を慰めるためには、癒し効果のある緑色の
絵の方が良かったのではないか?と思えるのですが・・・
実は、絵の左上、窓の外の景色を描いた緑色の部分に秘密が!
最初に部屋の赤を見た後に左上の緑を見たとき、
α波とβ波が両方増えて、緑だけを見たとき以上に
深い癒し効果が得られる
ということが、実験によりわかったのです!
マティスは色彩の魔術師といわれた画家。
このような色の効果を感覚的に理解していたからこそ、
見る人の心をつかむ素晴らしい色彩を施すことが
できたのではないか・・・
というのが番組での考察でした。
これを見て、マティスってすごい!そして色ってすごい!と
なんだか感動してしまい、ぜひこの絵を見に行こう!
と思って出かけて行った次第です。