NHK大河ドラマ『光る君へ』のまひろの衣装の山吹色の意味

(手元の『源氏物語の色辞典』を撮影した写真です)

 

 

12月初旬に公開された、吉高由里子さん演じる紫式部(まひろ)の衣装、山吹色の表着(うわぎ)を着ているようです。

 

 

https://artexhibition.jp/topics/news/20231204-AEJ1729300/

 

 

 

当時、位階や襲の色目によって、身分や季節に応じて着る色が決まっていましたので

あまり厳密にそれらを再現すると画面が似たような色になってしまうことから、

今回『光る君へ』の衣装における色彩表現については、あまり厳密に再現するよりは、藤原道長の家族は寒色系、源倫子の家族は暖色系というように、ざっくりと色分けを行っていまるのだそう。

 

主人公・まひろについては紫のものを身に着けてはいますが、まひろが紫式部と呼ばれるようになるのは、まだまだ先のため、最初は衣装のどこかに紫という感じで表現しているとのことです。

 

(NHKホームページコラム【光る君へ絵巻】ドラマ美術の世界 ~美しき平安貴族のくらしがよみがえる!に詳細記事あり)

 

 

 

この写真をみると若かりし紫式部が来ているのは黄色。

実際、『源氏物語』でもかの紫の上の初登場シーン「若紫」にこんなくだりがあります。

 

「中に十ばかりにやあらむと見えて、白き衣、山吹などのなれたる着て、走り来たる女子、あまた見えつる子どもに似るべうもあらず、いみじくおひさき見えて、うつくしげなる容貌なり」

 

この幼い少女は衵(あこめ)という裾の短い袿(うちき)に山吹の花の色の汗衫(かざみ)を着ていると思われる、と吉岡幸雄先生の『源氏物語の色辞典』に解説があります。

 

 

 

少女の天真爛漫なあどけなさが魅力的に表現されている名シーンです。

紫式部はここに山吹色をつかっています。

今回の大河ドラマでも紫式部の少女時代にビジュアルにこの山吹色をつかっていることで、『源氏物語』の「若紫」の帖で少女のはじけるような生命力と、まぶしいあどけなさ、可愛いらしさを表現しているのではないでしょうか。

 

クラシカルな紅と紫との配色が、雅な美しさの衣装をまとったまひろを観るのが楽しみです。

 

 

 

 

1月11日(木)20時~はカラーリストと読む源氏物語」無料プレセミナーです✨

こちらで詳細をご覧ください