「アロハシャツは日本で派手に見える」


 はじめてハワイのワイキキを訪れたとき、真っ先に向かったのがアロハショップでした。

 

 原色のカラフルなアロハシャツやムームーの中から「ちょっと派手かな」とためらいつつも、思い切ってブルーに真っ赤なハイビスカスをプリントしたムームーを買って着替え、ビーチに出てみました。

 

 ビーチを散歩しながら感じたのは、私の選んだムームーが少しも派手ではなかったということです。

 

 ハワイ特有の開放的な雰囲気、そして、このビーチにいる人たちがもっと大胆な色やデザインの水着やファッションを楽しんでいたのも理由のひとつですが、それよりもっと大きな理由があります。

 

 それは太陽光線の影響です。  

 

 

 

 たとえば、北緯21度にあるホノルルと、北緯51度にあるロンドンでは、光の強さが約2倍も違うといわれます。

 

 どんな影響を与えるのかといえば、光が強くなれば強くなるほど、実際の色よりも白っぽく感じてしまうということです。

 

 同じ場所で撮った写真でも、晴れの日と曇りの日では、かなり色のトーンが違って見えるのと同じ理屈です。


 そんな理屈はすっかり忘れて、家族や友人のお土産に鮮やかな色づかいのアロハシャツやムームーを買ってきました。

 

 それを手渡すと、第一声は「わぁ、きれい」だったのですが、その後に続くのは決まって、「とても、これを着て外へ出る勇気はない」という言葉でした。

 

 つまり、ワイキキでは普通に見えたアロハシャツも、北緯35度にある神戸・須磨海岸や神奈川・湘南のビーチでは派手すぎてシャツだけが浮き上がってしまう結果になります。

 

 反対に、沖縄や赤道に近い国を訪れるときには、太陽に負けないくらいの派手めのファッションを用意しておくのが、旅を楽しむ秘けつです。

 

  次回は「大阪の色はなに色」です。

 

 

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