父親回想録 続き・・・・「東郷平八郎元帥国葬肖像画」
写真は、国葬の祭壇に飾られた父親が描いた東郷平八郎元帥像
国葬とは、国家の儀式として国費によって行う葬儀となります。天皇家や皇族、特別の功績がある者に適用されます。1926年(大正15年)の10月の国葬令により明確化されますが、それ以前もそのつど勅令を発して行われています。1883年(明治16年)の岩倉具視が最初で、島津久光・三条実美・伊藤博文・大山巌・山県有朋・松方正義らが主な例となります。
そして、国葬令後の1934年(昭和9年)6月5日、東郷平八郎元帥の国葬が、日比谷公園で執行されました。
私の父親は東郷平八郎元帥が住んだ東京都千代田区九段3番町で隣組付き合いをしていた縁で東郷平八郎元帥の国葬が決まった際に宮内省が父に国葬祭壇に飾る東郷平八郎元帥像を描くよう注文してきました。父の当時のアトリエモダン舎に宮内省から東郷平八郎元帥ゆかりの軍服、軍刀、勲章など多くの遺品が運び込まれ、父は数日間徹夜で元帥の肖像画を描きました。完成した肖像画は純金の額に修められて日比谷公園での国葬では祭壇中央に父が描いたその肖像画が飾られ左右に天皇皇后両陛下からの供花が