カラーコンサルタントの三浦まゆみです。
日本は65歳以上の人口が多い、高齢化社会、と言われています。
でも、2007年には、総人口の21.5%が65歳以上となっており。
実は、21%を超えたので、「超高齢化社会」になっています!!
これからは、シニア世代のためのサービスが益々増えそうですね。
今は高齢者施設なども、いろいろ工夫されています。
以前、大学の社会福祉学科の教授からお話をうかがったのですが。
例えば、函館にある「旭ヶ岡の家」は、フランスの神父さんが作った老人ホーム。
階段にキレイな色のステンドグラスが施されていたり、暖炉がいくつもあり、そこに人が集う、遊び心溢れる施設になっているそうです。
ステンドグラスの色や、暖炉の暖かい赤に、心がホッと和みそうですね。
かたや、困った高齢者施設の例も。
ある施設は、精神科のお医者様が企画して作られたそうです。
ヨーロッパ調の豪華な家具に、立派なソファー。
一見、ゴージャスで見た目はよくても、実は座り心地が悪い。
しかも、床のPタイル(プラスチック系の床材)の模様が、認知症の方にはゴミに見えてしまう。
そうすると、それを拾おうとする行為が、徘徊につながってしまうのだとか。
他にも、ワイン好きの理事長の好みで、廊下の床が紫とピンクの老人ホーム!!
これもまた、心休まる色、とはなんとも言いがたいところです。
空間の色は絶えず目に入るものなので、人の気持ちに大きく影響を与えます。
自分の親を施設に預けようと思って見学に行ったら、入り口の色が暗い色で、どよ~んとした雰囲気だったり、ケバケバした色だったら、なんとなく…「ここは感じ悪いなぁ」と思いますよね。
その「なんとなく」が、購買決定を大きく左右することは多々あるのです。
スタッフが一生懸命サービスしても、雰囲気ひとつで台無しになることも。
入居者を増やす意味でも、入居者の心地よさを追求する意味でも、「好み」優先で色を選ぶのではなく、利用者の目的・用途、そして気持ちに配慮した色使いが、必要ですね!