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時々、目に見えないホルモンに支配されて

訳もなく、泣いたり 憂鬱になる。

築いてきたものも、全てどうでもよくなって 

ぶち壊したくなる。


だから、本当は ホルモンの支配下に侵略された日は

洞窟に潜んでいたい。


そして月の命令で、ホルモンが暴れている時は

誰の目にも触れない所でうずくまっていたい。


不幸にもそうはいかない時代に生まれてしまったから

その数日だけは、貝みたく あたしは喋らない。


その代わり、身の内側に起こる重圧に耐える。


不思議なことに、うずくまりながら はっきりと悟る。


自分を大切に思いやってくれる人達。

うわべだけの人達。


ホントにそばにいてくれる人達の存在がはっきりとわかる。


もしも この人は自分にとって大切な人かどうか迷う時

があったら


誰にも何も依存せずに 独りでじっと痛みに耐えて見た方がいい。


すると不思議なことに 自分の内側の痛みを癒して欲しい人達が

考えるまでもなく


本能でわかってしまうから。

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木漏れ日から差し込む光の糸をに針を通す。




彼女は刺草で光糸を通してマフラーを編む。

刺草のトゲで、彼女の指は血だらけになる。



それでも彼女は懸命に編む。



邪悪な魔女の力で、12人の兄達は可哀相な白鳥になった。

刺草と光糸で編んだモノを首にかければ魔法は溶ける。

もとの兄さん達に会える。


指は腫れて、編むごとに激痛が走る。

それでも彼女黙々と編み続ける



不振な動きを魔女と疑われ、彼女は牢屋に入れられる。



処刑の日、空から12羽の白鳥が舞い降りる。

彼女は、刺草で編んだマフラーを首にかける。



次と次と元の若者に戻る。


驚く民衆達。


やっと兄さん達に会えた。

彼女は12人の兄さん達と末永く幸せに暮らしました。



確か童話で読んだ話。


「信じるものは救われる」 事を子供達に多分、教えたいんだろう。


でも、少し違うと思う。

「そうしたいから、する」 思いこむことに本当は理由なんてない.

そこに疑念なんてない。

目的に理由をつける。無駄なこと。



好きな事、好きな人、そう思った瞬間にもう動き出さずにいられない

何故、好きなの? 何故、そうするの?答えや見返りなんて求めない。

もしも、理由があって何かを好きになったなら、

好きになっただけの見返りを求めたら


その理由が無意味になった時、途端に嫌いになるだろう。



自分はいつも理由がない。

理由や条件を語れば語る程
自分で自分の条件に縛られて
言い訳の縄に身動きがとれなくなる。

だから 聴かないで。

全て 仕方ない。
ただ その場所にいるのが好き。
本当にそれだけなのだから。




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人形師のコッペリウスが作ったコッペリア。

バルコニー越しに本を読む彼女に村の若者達は夢中。




人形だと知らずに、一生懸命気を引こうとする。

コッペリアは素知らぬ顔。

冷たくされると、若者の熱情は高まるばかり。



ある時、人形師のコッペリウスが、コッペリアのネジをまわし

バルコーニー越しから、おじぎをさせる。




若者は普段冷たいコッペリアがおじぎをした。

たったそれだけなのに、大喜び。




それを見た 若者の婚約者の娘スワルニダ。やきもちを焼く。

こっそり、人形師コッペリウスの館に忍び込み

コッペリアが人形と知る。



密かにコッペリアになりすまし、コッペリウスの前で踊って見せるスワルニダ。

コッペリウスは魂が入ったと大喜び。

けれども、いたずら心で、屋敷中の人形をなぎ倒してスワルニダ やりたい放題。



同じくこっそり忍びこんだ婚約者の若者と手をとって屋敷を後にする。


そして、翌日 二人 晴れて村の人々から祝福を受け結婚式をあげる。

人形に夢中になって、人形にやきもちを焼き、人形に翻弄された恋人達。

元のさやに収まってめでたし。めでたし。



子供の頃 バレエで見た「コッペリア」のお話。


でも 大人になって思うの。



大好きな人のことは全て知りたい。知り尽くしていたいと願う



だけど いつまでも相手を尊重したいなら

その人の闇の部分には、あえて触れない。


自分も全てさらけださない。


何年たっても、ほんの少しだけ わからない相手の世界がある。

いつまでたっても、飽きない。興味深い。

教えて。どうしたら いいの?

コッペリアはバルコニー越しで 本を読みながら 

今日も あたしに そっと 教えてくれる。



「それなら お互いに そっと 片目をつぶってなさい」


ふいに コトリと本が落ちる。

背中にある銀色のネジが、鈍い音で半回転。

ギギギ・・とあたしの方に顔が動く。


片目をつぶりながら。