海の波、音の波、光の波。
波は色んなところに顔を出します。
(サウサンプトン、イギリス)
波について「なるほど話」を書いていきます。
『波動方程式』から、
最終的には『重力レンズ』まで解説したいと思います。
ある時、同僚からクイズを出されたことがありました。
「海の波の波面がいつも海岸線に平行なのは、理由がある。なぜか?」
そんなこと考えたこともありませんでしたが、確かにそうですね。考察しました。
(呉市、広島県)
波の波面って、複数人でスケートで手をつないで一緒に並んで滑る感じです。
速さに差があると、遅い人が相対的にブレーキになり、早い人がぐるっと回り、方向がそれてしまう。
全員速さが同じなら、そのまま真っ直ぐ進める。
速さが波面の進む方向を決める。
実は、浅い波は水深が大きいほど速くなります。
つまり、海の底の形が大事です。
(ダナン、ベトナム)
(*ここからは数式が好きな人のための注釈です)
波の速度は以下のように決まります。
波がない時の水深を H (m),
重力加速度を g (m/s^2),
位置 x, 時刻 t での 水平方向の速度を u(x,t)
波の高さを h(x,t)
とすると、
ニュートンの運動方程式 と 水量の保存の式は
それぞれ以下で与えられます。
この2つを組み合わせると
波の高さについての『波動方程式』になります。
この波動方程式より波の速さc は次の式で決まります。
(* 注釈を終わります)
まっすぐな海岸線のある地形では、海の底は海岸線に垂直に伸びる大きな滑り台のようです。
海岸線に平行な波は(同じ水深のため)全員同じ速さで進むので、
スケートに例えると仲良く並んで進みます。
波面はそのまま海岸線に平行の状態がキープできる状態です。
また、海岸線に斜めにやってきた波は、同じ波面でも水深が深い側・浅い側があります。
深い側は早く進むので回り込み、結局、次第に海岸線に平行となります。
これは一種の屈折現象と言えます。
ところで、沖から浅瀬にやってきた波はどう変化するでしょうか。
太平洋の平均水深は4000メートルぐらいだそうです。
この時の波の速さは時速720キロメートル。
飛行機の速さ時速800キロに迫る速さですね。
浅瀬にくると波の速さが遅くなるので、
いわば「水の交通渋滞」が起こります。
「交通渋滞」で余った水は上に行くしかないので、浅瀬では波の高さが高くなります。
沖合で水深4000メートルの地点で高さが1メートルの波でも、
水深6.4メートルになると高さが5メートルにもなります。
遠くで波の高さが低く見えても、浅瀬に来ると急激に波が高くなるのはこのせいです。
続きます。
(哲也)



