前回、
海の波が海岸線に平行な理由について
定性的に述べました。
(ゴールドコースト、オーストラリア。平行な様子)
今回は
「屈折の法則」を用いてもう少し具体的に説明します。
この法則を用いると、
なぜ、海で波面が海岸線に平行になるか、
よくわかります。
同じ考えを用いると、
なぜ昼間グランドで叫んでも声があまり響かないのに、
夜になると犬の遠吠えがよく聞こえるのか、
説明できます。
そして、同様に
蜃気楼現象や光ファイバーの原理も説明できます。
「屈折の法則」とは何か?
2つの媒質(媒質1と媒質2)がある面で接しているとします。
それぞれの媒質での波の速度をc_1, c_2としましょう。
媒質1から波の面に垂直な線に対して角度θ_1で入射し 、媒質2に角度θ_2で透過したとき
という関係が成り立ちます。
これは波の進む速さを用いた直角三角形の幾何で説明できます(ここでは理由の説明は省きます)。
この式はプリズムや池の水などガラス面や水面での屈折に使われます。
プールの底が浅く見えたり、ガラスコップに入れたストローが折れ曲がってみたりするのもこのせいです。
もちろんどんな波に対しても適用できます。
海の波の場合は海底の深さが連続的に変化するため、波の速さも連続的に変化します。
深いところは速く、浅いところは遅く、というように。
これは「屈折の法則」で言うと、
波の速度の違う媒質が層状に積み重なっているのと同じ状況です。
こんな感じです。
したがって、波は浅瀬に行くと最初は斜めでもどんどん曲がっていきます。
ただし、屈折の法則から次の条件が導かれます。
さて前回、
波の速さは水深をH、重力加速度をg とすると
となることをみました。
このことから浅瀬に行くと、
H(水深)--> 0 なので c(波の速さ)-->0 となります。
したがって
「c/sinθ= 場所によらず一定」
と言う条件から、
角度θは水深H (あるいは波の速さc) と共にゼロになっていく、
つまり
『浅瀬になるにつれ、波の進行方向は海岸線に垂直(つまり波面は海岸線に平行)に近づいていく』
と示されました。
これに気づいたとき、物の理ことわり(物理)に納得しました。
ここで、ふと思います。
他にもこんな状況はあるのではないか。
それが
蜃気楼、犬の遠吠え、光ファイバー、です。
続きます。
(哲也)






