にじ

夕焼けに染まった、オレンジ色の空。

雲が空を覆う時、こういう空になるときがある。

ビルの壁も、窓ガラスも、
みんなの姿もオレンジ色に見える。


そんなオレンジ色の空を、
仕事の合間に外に出て撮っていたら、
反対側に虹が出ていた。

すごく大きな虹だったので
ひとりで感動しながら また撮っていたら、
一人の男性が声を掛けてきた。

「さっきから何撮ってるんだろうって思ってました。
虹を撮ってたんですね。」

そういって、男性から渡されたのは
”運勢は変えられます!”と書かれた、占いのチラシ。

「運勢とか興味ありませんか??」

その男性は、
一生懸命声を掛けたような、自身なさげな男性だった。

「あー、ありがとうございます。」

そういって、チラシを受け取り、
私は話を虹にそらした。

「でも すごく大きくないですか? あの虹。
とってもきれいですね。」

「ほんとですね。」

男性も虹を見ている。

「きっといいことありますよ。」

何気なく出た自分のその言葉が、
運勢鑑定を生業にしている彼より占い師っぽくて
笑えた。

そこで また歩き出して、
後ろを振り返ると、

さっきの男性が、
携帯で虹を撮っていた。

虹 撮ってるし。(笑)
そう思ってにやにやしながら また職場へ戻った。

にじ02