ウチの娘が6年間通った小学校の卒業式で、
PTA会長として祝辞を述べました。
比較的、子供達とフレンドリーに接する機会が多く
PTA会長というよりは、近所のおっさん的感覚だからか…?
ある日、娘の同級生が、
「卒業式でのPTA会長の話って、決まった文があるの? 毎年同じような話でちょっと引くわ…。」と、話すのです。
なかなか鋭いご意見ですこと…。と、苦笑いしながら、
自分が子供の頃「この堅苦しい場よ、早よ終われっ」と、感じていたことを思い出した。
何となくだが「あんたは違うよな…」と言われたような気がして、
ここちよいプレッシャーをかけられた。
「気持ち」を言葉に変換するのは、職業上慣れているので難しく捉えていなかったが、
よくよく考えると、公式の場での「祝辞」にはいくつかのチェックがある。
恐らく、彼の言う「ちょっと引く話」は、
このチェック機関を確実に通り抜けるために作られた文章。
本来、祝辞は、卒業生に対しての言葉に加え、
学校を取り巻く全ての人に対しての感謝がPTA会長として語られるべき。
そんなことを考え、文章を作ると「ちょっと引く」方向に行ってしまう。
そこで、従来型と斬新型の原稿2パターンを用意したのだが、
あれこれ考えた挙句、後者を提出。
これが、チェック機関にあたたかいご判断をいただき、OKとなる。
当日…
斬新型祝辞を述べ、無事、卒業式が終了。
ご列席の皆さまからの、お叱りもなくホッとしていると、
「伝わってきた。なかなか良かった!」と…
「ちょっと引く」と言った彼が、わざわざ伝えに来てくれた。
部活の先輩に「今日はよう頑張った!」と肩を叩かれたような、
嬉しいような、悲しいような…気分。
心の中で「あざーっす。」とつぶやき、
めったにない経験に感謝するのでした。
代表 藤田