私は学生の頃からなぜか「料理」を生業とする人とのご縁が多い。
バイト先の喫茶店で、休憩に来られる料理人の方々と知り合い、
気がつけば仕事が終わる頃に厨房にお邪魔するようになり、
気がつけば綺麗なお姉さんがいるお店に連れて行ってもらったり、
気がつけば社員寮で目が覚め、そこからバイトに出勤したりしていた。
そんな私を特に可愛がってくださった諸先輩方は
広島や山口出身で、普通に話をしているのに
怒っているような、喧嘩ごしのような、
そんな話し方をする人たちで、
今なら道で見かけたら絶対に目を合わせない…
そんなパンチパーマの優しい人達でした。
そんな風貌ながら、そこの料理人さんは
「あと◯年すれば、地元に戻って後を継ぐ…」という
日本全国各地の料理店の二代目、三代目。
修行の場では1〜2年目「坊主」と呼ばれ、
ええかげんなことをしていると下駄で蹴られ、
グーが飛んでくる。
しかし、そこで「理不尽」という
仕事をする上でとても重要なことを学ぶことができるのである。
朝は先輩より早く調理場に入り、
誰よりも遅くまで働き、
毎日…それを繰り返し、ひたすら繰り返し… 飽きるほどしばかれて、
実は先輩に可愛がられていることに気付いたり。
暴走族で手がつけられなかったような人が
「お客様にお金をもらって自分は料理をしている。」ということに
目覚めるのである。
でも、多くの人は、そのこと気付く前に「脱走」してしまうのも事実。
結果、一握りの人間しか辿り着けない。
今はそんな時代ではありませんが…
少なからず多からず、そんな道を歩んできた人だけが
今、自らの看板を上げ、一本立ちしているのだと思います。
私は、そんな料理人の方々を尊敬します。
そして、可愛がっていただいた恩返しをしたいと思います。
写真は「旬味きのした」の大将。
コラボレのオフィスで、八月の貼出し看板を書かれている所です。
尊敬する料理人ではありますが、元暴走族ではありません…。
代表 藤田