今週は今年最後の検査と治療があった。

血液検査・尿検査の結果に大きな異常はなく,無事に25コース目の治療を受けられた。
腫瘍マーカーの値は,CEA(<5)=5.9・CA19-9(<37)=17・CA125(<65)=18.6。
CEA以外は正常値を維持している。肝機能が少し悪い(喫煙や酒を飲んでいるせい)。

診察時に最近急に倦怠感が強くなったことと,血圧が期待していたほど下がらないことや
2週間前くらいから,筋肉痛のような痛みが強くなり歩くことが辛くなりはじめたことなどを伝えた。
血圧については効果の強い降圧剤に処方が変わったが,痛みについては鎮痛剤でしばらく経過を見て
さらに強くなるようであれば,やはり骨転移を疑うとのこと。
ただ,血液検査の値からは骨転移を合理的に説明できないらしい。
痛みを伴うほどの骨転移があれば,C反応性タンパクや電解質の値に異常が出るはずなんだそうだ。
まあこれまで意表を突くような展開が多かったので,痛みが止まるか検査結果が陰性と出るまで
安心はできないのだけれど。

診察のあと,先日読んだ維持療法について,担当のY先生とすこしお話しすることが出来た。
Y先生は消化器内科の部長さんで,よくNHKに出たり医療関係の雑誌に寄稿されている先生。
L-OHPについてはやはり,神経障害が軽いうちに中止したほうが良いのではないかと考える医師が
多くなってきているとのこと。CAIRO3試験で注目するべきところは維持療法群のPFSの延長で
PD1以降における被験者の転帰については,臨床ではあまり参考にならないかもしれないとも。
「今,僕が書いているのは維持療法への切り替えについてなんだよね」とおっしゃっていたので
なにか文章を上梓されるのかもしれない。楽しみ。

楽しみといえば,お世話になっている病院が年明けには新病院になる。
今の建物はおよそ40年前に建ったもので,改装を繰り返してもあちこち古びていて
なんだ薄暗いところも多く,人によっては印象が良くなかったかもしれないが
新病院は天井も高く今以上に清潔感があって,なにより日が入って明るく,写真ではまるでリゾート施設のよう。
患者に呼び出し端末を貸し出すようになるらしいので,待合スペースに座りっぱなしでなくともよくなる。
デイケアセンタで治療中に看護師さんとも話したが,やはりみんな楽しみにしている様子。

去年の夏,脳への転移が確認されたときは,新病院が出来るまでは生きていたいと考えていたが
その後,治療によりCRを得て以来これまで,予想に反してピンピンしている。
あちこちダメでポンコツではあるのだけれど。
原発巣を取り除いたのは7月4日なので,5年生存はまだまだ先の話になるが
これまでを考えると,お先真っ暗というわけでもないような気はする。
甘いかな。


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少し前に,日経メディカルの癌Expertsに,ASCO2013で報告された
CAIRO3試験(オランダ)の解説と座談会が掲載された。

日経メディカルオンライン 癌Experts
対談 進行・再発大腸癌診療の最新動向、維持療法の有効性

ざっくり書いてしまうと
この試験の主要評価項目は,切除不能進行・再発大腸癌の患者に対し,まず導入療法として
CapOX(XELOX療法)を6週間実施し,そこでSD(病勢安定)以上と評価できた患者を
維持療法群と観察群にランダム化割り付けし,維持療法群にはカペシタビン+ベバシズマブ投与し
観察群は無治療で経過を観察し,PD(病勢進行)・死亡までの期間を比較すること。

それぞれの群で最初のPDイベントまでの期間は,維持療法群が中央値で8.5ヶ月
観察群は4.1ヶ月だったという。
試験では最初のPD以降に再導入を行ったり,セカンドラインに切り替えたりして
(カプランマイヤ線図によれば)それぞれの群を36ヶ月間追跡している。

この試験で言う維持療法のレジメンと,自分のレジメンに違いはあるけれど,興味深い結果。

座談会部分に「累積投与量でが680mg/㎡を超えるとL-OHPの効果の頭打ちになる」とある。
これは言い換えれば「5サイクルを超えて治療を実施しても効果が薄い」ということなのか。
さらに言い換えれば「6サイクルでSD以上を得られなければ治療法の転換点としたほうがよい」ということか。
別な部分に,神経障害が最大になるのは,18~19サイクルあたり,ともある。また有害事象が理由で
L-OHPを中止した場合,その後に増悪や再発があっても,XELOXの再導入はできないとも。

これらを読み自分に当てはめて,これまでとこれからを考える。
L-OHPを含む治療を17サイクル実施したことは,神経障害をより大きくしてしまった可能性があるということ。
もしも今後,病勢進行や新たな転移巣が見つかった場合,再びL-OHPを含む治療はできない。
いや仮にできたとしても,しない方が良いということ。こんなことが分かった。

最後まで読んでみて,最も気になった部分は
維持療法群は,観察群に対してPFSは有意に延長されているが,OSに関しては差がない。ということ。
これらには交絡因子の指摘もあるようなので,確信なわけではないのだろうけれど
「維持療法は増悪や再発までの期間を延長するが,最終的に死亡する時期は無治療の場合と大きくは変わらない」
ちょっと残酷な話だ。PD後は観察群も再導入かセカンドライン治療を受けているので,座談会の中ではやはり
「維持療法は有効である可能性があるが,理解した上で中止を希望する患者には中止も選択肢になり得る」と
そんな風に結ばれている。

自分の場合,XELOX+BV療法でアレルギ反応が出て中止になった際に提示された

1.全ての治療を中止する
2.FOLIFIRI+BV療法に切り替える
3.L-OHPを抜いて治療を継続する

この3つの選択肢から,無治療で不安を抱えつつも身体は楽になる,という選択はできなかった。
まあCRを得てからこれまで,増悪も新たな転移もないんだから,最善の選択をしたと考えたい。
だって,CAIRO3でのPFS1の中央値を大きく超えて更新中なんだから。

5ヶ月ぶりの脳神経外科受診。

治療効果の評価とメタ検索のためにMR検査を行った。

img002.jpg

結果は「転移巣は完全に消失,浮腫なし」というもの。新たな転移所見も無かった。
血圧上昇時の頭痛はおそらく,偏頭痛だろうとのことだ。
20年以上前に偏頭痛の診断を受けたときには「偏頭痛の原因はよく分かっていない」と説明を受けたが
最近では「おそらく脳硬膜の血管の拡張で圧迫された脳が痛みとして知覚しているのでは」という
解釈が定説らしい。つまり高血圧時に血管が拡張し痛みが出るのではないかということだった。
確かに目がチカチカする,いわゆる閃輝暗点があり,その後激しく痛む。
脳内の血管が破れたりしたとき,実は痛みがほとんどないんだそうだ。それも恐ろしいことだが
医師の説明の通りきっと,偏頭痛なのだろう。

今回の検査による総合的な評価は「脳に関しては今後,安心して良い」と。
よって次回の検査までの間隔はさらに延びて,半年後だ。
心配事がひとつ減った。良かった。

ただこれは,現在ある慢性的な麻痺に近い痺れや疼痛が,脳由来ではなかったということで
別な原因おそらく,L-OHPの副作用ということだ。すると,これは不可逆的変化。
つまり治らないわけだ。

痺れや疼痛の除去は困難だという。今後はその緩和が治療の中心のひとつになるのだろう。


昨日,予定されていたとおり24コース目の治療が実施された。

血液検査の結果は,WBC6800,うちNeutro4130,Lympho1700
骨髄抑制の兆しは無い。肝・腎機能にも異常は無かった。

ここ数ヶ月の腫瘍マーカ値の推移

MARKER01.jpg


マーカーは上限付近を推移と説明されていたが,事実は異なり
CEAを除けば正常値を推移していた。また,CEAについては
喫煙の影響で,わずかに異常値を示すことがあるので
再発転移とは関係ないだろう。

さて,最近確認した副作用の高血圧症。こちらは少し厳しい
降圧薬を服用せずに活動すると,軽作業でも収縮期230mmHgを超える。
頭がズキズキ,目がチカチカする。このままでは脳の血管が破れる。
降圧薬を服用後でも同様の活動で,収縮期160mmHg。
これでは上手にコントロールできているとは,言えない。
今回の処方で降圧剤の種類が変更されたが,どうだろうか。
軽い活動時で130mmHg維持できるようになるとありがたい。

目下のところ,身体についての心配事は,血圧の件くらいだ。
さて,どうなることか。
休薬期間のこのひと月,何事も無く過ごしていたのだけれど
先週末に少しだけ異変があった。
右目の視力が安定せず,友人の指摘で病院へ行くと
「小さな梗塞の痕が数カ所ありますね」と。

ガンで掛かっている病院に行けば良かったのだけど,時間外のため
友人の掛かりつけ医のいる総合病院に行ってしまったので
来歴と現状の説明に時間がかかった。
すでに理解していることを,クドクド説明されるのは,やはりイライラする。
MRIは月曜日以降になると言うことで,CTだけ撮ったのだけど
上に書いたように,小さな梗塞の痕が云々かんぬん。
「右目への影響は考えにくい」との事だった。
念のために入院ということになった。ピンピンしているのに。

もともと無症候性の小さな脳梗塞の痕は数カ所指摘されていたわけで
それらの浮腫は無治療のまま(実際にはBVの効果で)すでに治癒しているのだけれど
ただ,そのときの診断書もMRIの生データも,その場には無い。
ましてや素人の患者の言うことを,そのまま鵜呑みにするわけにはいかないのは理解できる。
しかし,友人には悪いが,あの医師との相性は,あまり良くない。

いずれにせよ,急性期ではないという判断であるならば
犬や猫のこともあるし,今月,脳神経外科のMR検査の予定もあるし
明日は内科の治療も予定されているし。そんなわけで退院しようと判断し
「退院したことがもたらす出来事について,その責任を病院に追及しません」
というような念書をさしいれ,日曜日に退院した。

今日,外来で受診する約束はしてあるが,会計を済ませるだけで
タブン診察は受けない。

こうツラツラと書いてみると,自分は医師にとって嫌な患者の一種だろうと
そんな風にも思えるが「命にかかわるんですよ!」という言葉に
何も響かなくなってしまっているのだから,しかたないよね。
この数年ずっと,命に関わる状態にあるんだから。