朝8時にヤクスギランドでオフィスまなつのガイドさんと待ち合わせ…の予定が!
起きたら、7時15分~。ガガ~ン!
消防士の出動ばりの早さで、
ロフトから降りて、リュックを背負う。
お借りている軽自動車に飛び乗り、
一湊からヤクスギランドへ、
信号のない道をぐんぐん進む。
15分の遅刻…すみません。
笑って出迎えてくれたうら若き女性のガイドさんに後につき、
いざ出発。
荒川の吊り橋までは、木道が整備されていて、
周囲をじっくり眺められる。
眺めれば眺めるほど…
森の中って、カオスだなぁ。
屋久杉の赤ちゃんが苔むした切り株の上に、ふんぬり生えてたり、
栂ボックリや良い香りのするシキミという実が、
あっちゃこっちゃに落ちていたり、
ヤマグルマが屋久杉の幹を絞め上げていたり…
なんと、好き放題やってるな~、という感じ。
幼稚園の教室みたい。
あちらでお絵描きやって、こちらで走りっこして、
そちらで喧嘩して…みたいな。
橋を渡ると、木道はなくなって、
木の根が入り乱れて、踏み出す足に注意しながら進む。
途中、水場でペットボトルに水をくみ、
その水をエネルギーにして、
「ひげ長老」などの屋久杉の前をとおり、蛇紋杉の東屋に着へ。

時計を見ると、10時を回っていた。
今頃、東京では、みんな仕事しているんだよなぁ…、
それなのに、私は、こうして屋久島の静かな森の中にいる。
退職して間もない私には、
こういうパラレルタイムを思い出すと、ヒリヒリと感じてしまう…
群れから外れた羊のように、
その自由よりも、居心地の悪さを感じてしまう、不甲斐ない私。
「天文の森」を過ぎて、広場のようなところを通って尾根を歩く。
そろそろしんどくなってきたそんな時、
足元からス~と霧がたちこめるや天柱石が目の前に!
ロープで天柱石のすぐ下の石に登り、下を見下ろすと、
雲で覆われて、ラピュタに乗ってるみたい…。

ガイドさんが作ってくれたお弁当に舌鼓をうち、しばし休憩。
帰りの道を思うと、若干、目の前が暗くなるものの、
今はたくさん深呼吸をしておこう。
帰り道ーー
暗くなりかけた雨降る森の中で、
一頭の鹿に出会った。
こちらのことなど目にもくれず、
柔らかい芽を探して唇を動かしている。
不思議な事だけど、天柱石との出会いより、
この鹿との出会いのほうが、なぜか心に残った。
樹齢何千年の屋久杉に覆われた雨の苔むす森が、
夜になって真っ暗の闇に覆われたら、
あの鹿はどこに行くのかな。
屋久島から帰った今でも、たまに、あの鹿を夜中に思ったりする。
思い出は苔の中に。
