ある日母が私に言った


「他に女がいるのよ」



…そうなんだ


それを聞いた時は

別にショックではなかった


浮気でもしてくれてたら

母と離婚出来るのかな、と昔から

思っていてそれが現実となった事に

驚いたのと

本性モラハラなのによく相手が

いたな、と

そんな風に思った


女の勘は本当に鋭い

その日から母は証拠を抑え始めた


そして私、母、兄はこの家を離れて

3人で暮らす事を決めた

勿論秘密裏に物件探しをし

引っ越しの荷造りを少しずつ進めた

表面上は努めて変わらず


相手は同じ会社の派遣社員らしい

全然どうでもよかったけど


彼ら2人が温泉旅行に行った時

言い逃れが出来ない決定的な

写真を抑えた


浮かれている父親

それを尻目に着々と

引っ越し準備を進める私達


私は楽しんですらいた

家族を自分の支配下に置きたがり

一人暮らしをしたいと言おうもんなら

何故家を出る必要があるのか?

やっていけるのか?

金は出さない

などと反対され必要性を

プレゼンさせられる


それが

父親の非で私達は自由になれる

この家から開放される


こんなに幸せな事はないと

思っていた


無事にアパートも決まり

荷物も運び終えた



そして母VS.父親の決戦が始まる