困っている様子の母に話を聞くと

父親が私を呼び戻せと

ごねている、と


仕方無く家庭の事情で、とバイト先に

謝罪し家に戻った


ダイニングテーブルには

酔った父親がいた



「何故一緒に食事を摂らない」

「何故顔を見せない」

「俺の事が嫌いなのか?」


酔いに任せて立て続けに尋問される


…くっだらない

俺の事が嫌い?

今に始まった事じゃない

小学生からですけど


アホくさくて何と答えたのかあまり

記憶に無い


何か色々と

「俺はお前を愛しているんだから」

とか何故、何故と繰り返していた



そして

「お前が〇〇(休学している学業)を

卒業する事が俺の夢なんだから」

と言った


そうだったんですか?

進学を決めた時は

「学費がかかる」だの何だのと

反対しましたよね??


いつの間にか自分の夢にされていた



私はこの人の夢を叶えるために

いるんじゃない


心身のバランスを崩してしまって

休学した

ちゃんと戻るつもりだった

でも心の底では無理かもしれないと

思っていた


私はこの人の思い通りに動く

操り人形じゃないんだ

そう強く思った


結局この人は

家族を自分の思う通りに動かしたい

お金や自分の立場を使って

言う事をきかそうとする人なのだ



後の記憶は判然としない


ただ、私の目からは涙が伝って落ちた

あの感情を何と言えばいいのか

未だに分からない