喜寿の初体験というと、又何か新しい事を始めたとお思いでしょうが、”事”ではなく、あるものを所持しました。
それはクレジットカードです。
私はクレジットカードを一枚も持っていませんでした。
夫が存命中は夫の名義のクレジットカードを2枚持っていましたが、いずれも、義理や付き合いで作ったものの、使用することは全然なく、夫が亡くなってから、全部解約しました。
従いまして私はカード無しでした。
世の中ネットで買い物、チケットの購入などする時代。
取り寄せ品や博多座のチケット、相撲のチケット、JRのチケットなどはMちゃんに頼んでネットで注文購入していました。
Mちゃんはカード=口座引き落としなので、Mちゃんにお金を払うという形です。
私はPCで、JRや博多座のチケットを購入したことがありますが、代金引換であったり、注文した番号を印刷してコンビニで支払い、その支払い票を持って行って駅で切符に交換するという手間がかかっていました。
私がカードやローン嫌いなのには、理由があるのです。
私が高校を卒業して、地方銀行に就職したのは、昭和36年(1961年)。
当時銀行には給料やボーナス前になると、業者が来て、洋服、靴、バッグ、傘、宝石・・・・を持って来て見せ、月賦払いといって商いをしていました。月賦の集金も、その折にしていました。
私が入行して間もない頃。
ある洋服(既製品)を扱う業者が来て、私にレインコートを薦めました。それはオレンジ色に黒の水玉模様で襟が広くて、エレガントなデザインでした。
私は一目惚れしていました。
まだ給料ももらってない。
すると業者は「月賦でいいんよ。3回払いでいいよ」という。
”だったら買えるわ”と思い買いました。
そのレインコートは6000円でした。
当時、銀行の初任給は9700円。役場の初任給が7000円でした。
現在、高卒の初任給は15万円ぐらいでしょうか?
給料の三分の二ぐらいの値段だったのですね。
世間知らずの私は、それが高いのか妥当なのかもわかりませんでした。
帰宅して、父にこのことを話したら、父は「お前は、給料ももらわんうちから借金するのか!月賦ちゃ、借金だぞ、借金して物を買うなんぞ言語道断。今後月賦で買い物をすることはならん。欲しいものがあったら、金を貯めてから買え!」ときつく叱られて、以来月賦もローンもしたことはありません。
ですから、私名義のクレジットカードも持つことはありませんでした。
現金支払い一辺倒できた私が、この度、自分名義のクレジットカードを所持することになりました。
人生初の体験です。
これからは自分でネットの買い物が出来ます。
お金の管理がどうなるかわかりませんが、やっと時流に乗ったのかな・・・・・
時代はキャッシュレスになっていますね。
婆も遅まきながらカードを利用することになりそうです。