今日は子供の日。

私が子供の頃は、この日には母が柏餅の代わりに"がめぎの葉餅を作っていました。

多分、柏の木が近くになかったからだと思います。

がめぎの葉は前日山に採りに行っていました。


材料はもち米の粉ですので、これも前日もち米を石臼で挽いていました。

縁側に新聞紙などを敷き、石臼を置いて、石臼の上の部分に穴があって、その穴にもち米を少しずつ入れて、石臼の上についている

にぎり棒を回すと下の石臼の間から粉になって落ちてきます。


それを集めて、捏ねて、手の平サイズにのばし、あんこを入れて、

包みせいろで蒸します。

あんこも前日から作っておきます。

ずいぶんと手間のかかることです。


せいろも3段、4段とありまして、沢山作って近所に配っていました。私の子供の頃は昭和20年代です。

島原の片田舎にはお菓子など売ってなく、こうして作る餅や饅頭は貴重なおやつでした。

近所でも饅頭は作ってもがめぎの葉餅を作る家はありません。


私は自分の子供が生まれても、手製の饅頭や餅を作ったことはありません。

市販のものですませてきました。

今日の子供の日に幼き日々を思い出しました。


いつの日か、このブログを娘達が見てくれるであろうと想定し、

孫たちに私からのメッセージを綴ります。

私には孫が2人います。娘が産んだ子供で、2人とも女の子です。

三重県に住んでいますので、会えるのは一年に1度か2度です。




孫たちへ


あなたたちが生まれたとき、ばあばは”命の引継ぎができた”

という感慨を深く感じました。

もちろん、あなたたちのママが生まれたときも”分身ができた”と

いう感動でしたが、あなたたちが生まれたときは”この先も、私の命は引き継がれていくのだ”というもっと強い感動でした。


こうして人は太古から命を引き継ぎ、今、あなたたちが存在しているのですよ。

あなたたちのおじいちゃん、曾おばあちゃん、曾おじいちゃん、

そんな人たちが、あなたたちの誕生をとても喜んで、待ち望んでいたと思います。


だから”命”を大切にしてください。

健康な身体で生涯を生きてほしい。


パパやママがあなたたちを大切に大切に育てています。

やがて、あなたたちは巣立ちを迎えるでしょう。

今、お勉強していることや体験していることが、生きる力になってくれます。


それにプラスして、常に自分の頭で考える人になってほしい。


これから様々なことで選択していかねばならないことと遭遇します。間近かには受験、進学、やがて職業、結婚・・・・

それに社会は変わっていきます。

自分の考えをしっかり持たないと、押し流されての生き方は

自分の運命さえ、人まかせになってしまいます。

自分の考えを押し通せと言っているのではありません。

わがままでも、自己中心でも、頑固でもありません。


大人になるとお洒落や楽しいことが沢山あります。

もちろん大いに楽しい人生を生きていってほしいと思います。

でも少しだけ世の中のことにも目を向けてください。

社会の動き、政治の動きにも関心を持ってほしい。


ばあばがなぜこんなことを言うのか、

それはあなたたちのおじいちゃんの生き方を知ってほしいからです。

ばあばは無知な田舎娘でした。

それが、あなたたちのおじいちゃんと結婚して、カルチャーショックを受けました。

おじいちゃんは文学をしていました。

そして弱い立場の人達の応援をする人でした。

たとえ自分は不利になっても、不条理なことに対しては

果敢に意見を述べ、闘う人でした。

会社では出世もさせてくれない差別を受けながらも、

常に弱い人の立場で考える人でした。

万年平社員でしたが、沢山の人達から支持され愛された人でした。

それは葬儀のとき、ばあばの知らない沢山の弔問者で

おじいちゃんの一面を見ました。


あなたたちの曾じいちゃん(私の父)も勇敢で正義感の強い人でした。明治生まれの田舎育ちの人でしたが、単身都会に出て、

事業をして身代を築きあげた人でした。

古武士のような人で、言葉遣いや立ち居振る舞いの作法を

厳しく躾けられました。

ばあばが子供の頃、背中を丸めて食事をしていると、

すぐに物差しが背中に入っていました。

”背筋をのばす”ことは大事なことです。

身体的にも精神的にも大事なことだというのは大人になってからわかりました。

だから、あなたたちにも”背筋をのばして”生活してほしい。


長々と書きましたが、ばあばがあなたたちに伝えたいことです。