部屋に戻ると、脱いだままのシャツがハンガーにかかっていた。

シーツや布団がキレイになっていて、ゴミもまとめられていた。

俺の、小さな感動。

だらしない俺には、お前はもったいないくらい良くしてくれるよ。

いつもありがとう。

時計が止まっている。

動いているんだけど、そう感じる。

コンクリートのかたまりに両手を押し当てているような、そんな感じ、この気持ちは。

誰かを好きになれる心で良かった。

人がみんな、そうするように、僕も心を持てて良かった。

きみをこの眼がとらえたら、可愛いと思える。

その声をこの耳がとらえたら、元気になれる。

その右手をこの左手がつないだら、ひとつになれる。

きみを、愛しいと思える心で良かった。

この眼も、鼻も、耳も、口も、手も、

「きみ」をこの心に伝えて感じるために、心臓から生えているのだ。












ごめんな。

俺も頑張ってるんだけど、頑張って我慢してるんだけど、

時々お前のやることに口出ししてしまう。

男のくせにな。

お前が俺のことほんとに愛してくれて、必要としてくれて、俺じゃないと無理って言ってくれるから。

だから俺、良い男であり続けたかったんだ。

人から嫌われそうなとこ、お前には見せたくなかったんだ。

でも俺、そんな完璧じゃないから、ダメなとこいっぱいあるから。

隠し続けられんくて、少しずつお前に見せてしまって、その度お前が離れていきそうで怖かった。

本音吐くのビビってた。

嫌われるくらいなら、我慢した方が楽だった。








でも、ちょっとだけ。


お前の気持ちに甘えてもいいかなぁ?

お前の「愛してる」って、もっと信じてもいいかな。

こんな俺でも、お前にだけは見せてもいいかなぁ。

ずっと一緒にいたいから、今日、いつもより話をしよう。
さかな。

みず。

ひかり。

さんそ。

ゆらゆらしている。

みえないけどうごいてる。

とうめいってうつくしい。

みえないものがいきている。