エズの村は今までに見たことのないような場所だった。


石造りの村は絵本の中かTVゲームの中の世界のような・・・


(写真を載せたいけれど、フィルムカメラで撮ったので、是非、他のHPを検索して見てください。)


とにかく、期待どおりの場所だった。


村の中は迷路のように入り組んでいて、ゴールを決めて誰が一番最初にゴールにたどり着けるかというゲームをやっているグループもいた。




途中、村の中で、英語圏の人(アメリカ人?)が英語しゃべれそうなやつ見つけた!といった感じで道を聞いてきたけど、たいしてしゃべれないんだよな(笑)


中国人が英語がうまい人が多いからなのか、どうもその人達にはフランス人よりも東洋人のほうが英語が通じるだろうという認識があったみたい。


それは自分としては結構意外だった。 でもご期待に添えなくてごめんなさい。




エズの村を堪能した後、入り口近くのお土産屋兼喫茶店のようなお店でフィルムを買った。


ニースに来る前のミラノあたりから、残りのフィルムの本数は少なくなっていたんだけど、なかなか売っている場所が見つからず、フィルム探しは3日目くらいに入っていた。


お土産屋みたいなところだから高かったけど、ずっと探していたので2本買った。記録によると36枚撮り1本8ユーロ。


日本円で、一本1280円!?(1ユーロ=160円で計算。)


でも、その日の夜ニースのCD屋みたいなところで3本12.7ユーロ(2032円)で売ってた。(買い増ししました。)


どっちにしても日本に比べたら高いなー。もっと安く売ってるところがあるかもしれないけど。




ヨーロッパにフィルムカメラを持っていく人はフィルムを買いだめしていくことをお勧めします。


売っているところを探す時間ももったいないし・・・


ちなみに、日本の大手電気店で36枚撮り3本パックで1020円でした。。。



つづく・・・

その日も天気に恵まれていた。

エズからバスでニースに戻ると、もうすっかり日は高くなってお昼過ぎ。

海辺に戻って展望台に向かった。



「プロムナード・デ・ザングレ(イギリス人の散歩道)」は朝よりもたくさんの人が歩いている。

散歩道が丁度曲がり角になっている位置には、海とは逆側に道路を挟んで崖があった。

小さな地図では展望台の位置はよくわからない。

しかし、その崖の細い階段道をわらわらと人々が登って行くのが見える。

「あそこに違いない!」

明るい日差しが、適当に動いてもなんとかなるという大らかな気分にさせてくれていた。



崖はほぼ垂直に切り立っていて、急な階段を上がるのに皆「ヒーヒー」言ってる。

日本語訳すると「彼彼」。

どうでもいい。

たくさんの人たちに続いて階段を上っていくと、だんだんと景観がよくなってきた。

どうやら間違いじゃなかったみたいだ。



頂上に着くまでシャッターは一度も切らなかった。

一番上からの景色が一番キレイだって知ってるから!

(あと、フィルム危ういから・・・)

早速そこから先程までいた海辺の景色を見下ろしてみる。


青い海。

青い空。

遠くまで続く海岸線は大きくカーブしている。

オレンジの屋根の建物は海岸線に沿った道路沿いに立ち並んでいた。

とても気持ちがいい。

心が洗われる様な絶景だ。



頂上は公園になっていて売店もある。

そういえば昼食は摂っていなかったので、パニーノ(サンドイッチのようなもの。パニーニは複数形。)を買ってゆっくりすることにした。

一月だけどコートはちょっと暑くなってきた。

やっぱり、コートを持ってきたのは失敗だったか・・・

この旅でジャケットの上に着ていたコートを初めて脱いだ。


こんなに温暖で青い空、海がきれいだもんな。

コートを着ていたらなんかもったいない。

パニーノを食べながら景色を独り占めしていた。

でっかいなー。

空。

海。

砂浜・・・



砂浜!?


そこには海パンで泳いでる方がいらした。


ど、どんだけー!?


(ついに使っちゃった・・・汗



つづく・・・

カツン(カツン)・・・カツン(カツン)・・・カツン(カツン)・・・クルン(カッ・・・!クルッ!)


・・・こちらが動けば彼も動く。

すべての行動は完全に把握されていた。

その展示室の中では彼の鋭い眼光からは逃れることはできないのだ・・・






ニースの展望台からシャガール美術館までは徒歩で30分以上かかった。

シャガール美術館は海の側からは線路を挟んで反対側。

幸い、駅の逆側は前日に嫌というほど歩き回ったので、ホテルで入手した地図を見れば大体の位置関係は把握できる。

大通りをまっすぐ通って線路を渡った。


駅の反対側は大通りと比べると何もない。

地図どおり進むと、途中怪しげな小道に入る。

道幅は人が2、3人通れるくらい。

小道の左手には金網越しに工場か何かがあって、何人かの人が作業をしていた。

どちらかというと迷い込んだという感じの道だ。

コートを片手に小道を歩くと金網越しからいくつもの視線を感じる。


なんだか居心地が悪いので早足で通り抜けようと思ったら、1人の男が話しかけてきた。

「シャガール??」

急に話しかけられてびっくりしたので、言葉もなく頷いた。


男はその様子を見て微笑み、美術館の方向を指す。

「あっちだ。」


「メルシー!」


この男を合わせて、美術館に着くまでに合計3人に話しかけられた。

残りの2人は早口のフランス語で話しかけてきたのでまったく聞き取れない。

「わかんない。」

ジェスチャーを交えながら英語で返したら、2人とも「こりゃまいった!」というような表情で行ってしまった。

まいったのはこっちだ。


しかし、いずれが「まいった」にせよ言えることは、彼らは英語が得意ではないであろうということだ。

聞きたいことがあったら英語で言い直せばいい。

(英語でもどうせわかんないけど。)

それをしなかったのは彼らが英語を使えないからではないだろうか?


自分が会ったフラン人は基本的に親切だった。

そして、フレンドリーな人が多かった。


数人しか話してないから実際のことは知らないけれど、、フランス人が意地悪っていうのは勘違いなんじゃないだろうか?

英語で話しかけてもわざとフランス語で返してくるというが、英語は聞き取れてもうまく話せない人も多いのかもしれない。

ヨーロッパの大陸では英語よりもフランス語のほうが通じやすいと思うので、フランス人が英語を使う機会は少なそうだ。


英語がしゃべれないって理由だけではないかもしれないけど、フランス人全般が意地悪には見えない。

だいたい、どこに行っても英語だけで通そうとして英語で返答がないと意地悪と考えるというのは、日本人視点で見ると羨ましいくらい横柄な態度だと思う。



そんなわけで、「フランス人は基本的に親切だ!」という公式を勝手に頭の中に作り上げた。

しかし、目的地であるシャガール美術館にはその公式を覆すくらいのパワーを持つ最強の敵が待っていたのだった・・・



日本でシャガールの展示というと、数はあってもリトグラフの比率が多かったりすることが多い。

ニースのシャガール美術館は油彩の大作がたくさんあって贅沢である。


シャガールの作品はベースカラー(背景)が実にカラフルで美しい。

青、赤、黄、緑・・・

いろんなベースカラーの作品が並べられているので同じ作者でも飽きることがない。

白い壁にかけられたそれぞれの作品のカラーが調和して展示室全体が居心地良かった。

あの男に出会うまでは・・・



黒いスーツのその男はシャガール美術館の展示室の中の一室で待ち構える。

年の頃は50代半ばくらいか?

頭頂部まで禿げ上がっていて眼光は常に鋭い。

来訪者達の細かい動きを一瞬たりとも見逃さない。





カツン(カツン)・・・カツン(カツン)・・・カツン(カツン)・・・クルン(カッ・・・!クルッ!)


・・・こちらが動けば彼も動く。

後ろに手を組みながらの高速移動だ。



シャガール美術館はフラッシュを炊かなければ写真は撮り放題。

せっかく日本からやってきたので、いくつもの作品をファインダーに収める。

しかし、その度からの鋭い眼光がこちらにそそがれた。

すべての行動は彼の監視下にあった。


彼の高速ターンが偉大なる画家の作品を守り続けている。

バチカン美術館の学芸員とはまったく違う人種だ。



もう一枚、どうしても撮りたい写真がある・・・

しかし、その写真は彼に気付かれないように撮る必要があるものだった。


今、ヨーロッパ到着以降最強の敵が立ちはだかる。

しかし、日本男児の意地にかけて・・・

じっちゃんの名もかけて・・・

このまま負けるわけにはいかないのだ!!




つづく・・・