イタリアの魅力の1つは、その多様性にあると言える。
ひと言にイタリア、イタリア人と言っても、訪れる場所によって印象は違ってくる。
その差異は想像以上だ。
例えば、ちくま新書「イタリア的考え方」の著者の記述によると、イタリア「ラヴェンナ」の著者は「イタリア南部の「シチリア島」で使われる言語よりも、勉強したことがないのに、スペイン語とかポルトガル語のほうが分かりやすい気がする。」と述べている。
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日本の国境線はすべて海で囲まれているので、日本人の自分としては国境というものは非常に大きな意味を持っている。
国内と海外、日本人と外国人、その差は明らかだ。
陸続きのヨーロッパでも国境は大きな意味を持っているとは思うが、日本のそれほどではないと思う。
国単位の境界線よりも、近い遠い、知り合いが多い少ない、といったことのほうが重要なのではないだろうか。
ミラノ中央駅に着いた時は、辺りはもう暗くなっていた。
駅を出て最初に目にしたのは、なぜかゴミ捨て場。
目的の出口と違うほうに出てしまったみたいだけど、国際的に有名な都市で初めて目にしたものがゴミの山か・・・
間違ったら引き返すのが賢明。
駅に戻って、違う出口から出たら大きな広場に出た。
ローマやフィレンツェのように人で溢れてはいない。
大きな広場を進むと、イタリアでは始めてみるような近代的なビルが立ち並んでいた。
他の都市とは違う近代的な街並みは、日本で言うと名古屋駅周辺くらいのイメージだろうか、自然に馴染むことができた。
その日のホテル「Canova」(カノーヴァ)の場所は、駅から近くてすぐに分かった。
ネット画像で見ると、自動ドアのガラスにへんてこりんなフォントの文字が書かれていたので、また中国系ホテルかと思っていたが、どうもそんな感じではない。
カウンターでは背の高い黒人スタッフが対応してくれた。
そういえば、とそのとき気が付いたが、それまでイタリアでは黒人に出会うことがなかった。
カウンターには、いつものように「ブォナセーラ!」(こんばんは)と、いかにもしゃべれなそうなイタリア語で挨拶をしたが、彼は流暢な英語で返してきた。
しまった!
いつもならば、イタリア語をほぼしゃべれないのはしょうがないねって感じで、身振り手振りを交えて下手くそな英語で対応できたのに。
彼は、流暢な英語を使いこなしているのがホテルのフロントのステータスという雰囲気でまくし立てるように話しかけてくる。
流暢すぎて聞き取れないよ・・・
ゆっくりしゃべってくれと伝えたら、少し驚いたような表情をしていた。
え?英語できないの?といった感じか。
ムカー!バカにしやがってー!
でも、バカにされるような語学力だからしょうがない。
いつものようにバウチャーとパスポートを渡すと、パスポートをチェックするのに時間がかかるから部屋で待てと言われた。
パスポートを手放すのは不安だけど、うまく話せないから言うとおりに部屋で待つことにした。
部屋は、アメリカンスタイルというのか日本でもポピュラーなタイプの部屋だった。
鍵はカードロックで金庫もある。
同じくらいの値段だけど、ローマやフィレンツェで泊まったホテルとは全然違う。
久しぶりにリラックスすることができそうだ。
少し部屋で荷物の整理などをしていたが、パスポートのことが気になるのでフロントに行き、その足でスーパーに行くことにする。
フロントでパスポートを要求すると、こっちの心配をよそに「ああ、パスポート?」くらいの感じで後ろの棚からパスポートを返してくれた。
カードキーは自分が持っていていいということなので、キーをしまってスーパーに向かった。
ミラノ中央駅にくっついた形でスーパーがある。
先程ゴミ捨て場の出口から出たときに見つけた。
スーパーの入り口には、動物園の入り口などにたまにある鉄のバーがクルクル回るやつがあって、1人ずつ入るようになっている。
「こんなの必要??」
中に入って、炭酸抜きの水やビール、懲りずにモッツアレラチーズも手にしてレジへと向かった。
レジにはそれぞれ2、3人ずつ並んでいたので、適当な列を見つけ並んだのだが、いかつい男が2人、後ろからこっちに向かってやってくるではないか。
何事!?なんか間違ったことでもしちゃったかな?
すると、男達は自分の両側を通り過ぎて、前に並んでいた男の腕を両側から掴み、店の外へと連れ出した。
腕を掴まれた男は抵抗しながら必死に何かを叫んでいる。
何を言っているかは分からないけど、別に分かりたくもない。
あっという間の出来事であった。
いやー・・・![]()
レジの順番が1つ繰り上がっていた。
会計を済ませて表に出て、少し足早にホテルのほうに向かった。
「夜は怖い。。。夜は怖い。。。」
油断大敵である・・・
つづく・・・