ある日のローマ


夜の間に雨が降ったのだろうか。

少し湿った石畳に朝の光が反射して、きらきらしてる。


中国系のホテル「レプッブリカ」をチェックアウトして、レプッブリカ(共和国)広場にいた。

広場中央には大きな噴水、弧を描くようにして広場を取り囲む建物の一階にはマクドナルドなども入っている。

地下に降りれば地下鉄「レプッブリカ」駅だが、「レプッブリカ」駅はその日の目的地「コロッセオ」駅へ行く地下鉄とは線が違った。

ローマには2本の地下鉄があり、テルミニ駅を交点として垂直に走る。

南東から北西へむけて走る地下鉄A線。

テルミニからバチカンやスペイン広場に行くことができる。レプッブリカもこのA線だ。

そして、北東から南西に伸びるB線。

これに乗ればコロッセオのある駅に行くことができる。


レプッブリカ広場からテルミニ駅までは徒歩5分くらいなので、テルミニまで歩いて地下鉄B線に乗った。

地下鉄の利用も2日目で少し慣れてきたけど、面倒なので、また1日券を買う。

「コロッセオ」駅はテルミニから2つ目の駅なのですぐに到着。

朝早かったので、人は少なめだ。


駅を出てすぐの場所に巨大な円形の建造物があった。

コロッセオ!

コロッセオは古代ローマ時代の闘技場。

まさか、こんなに大きいとは思わなかった。

コロッセオの完成は紀元80年という。

こんなに大きな建物が1900年以上もその場所に存在し続けてるのだ。

ほんの少しの予備知識はあっても、実際に見て受ける印象は違った。

ローマの町には当然ながら日常生活を営む現代人が多数住んでいる。

コロッセオの周りの道路は整備されているが、街中に古代の巨大な建造物が存在しているという、そのシチュエーションがすごい。


コロッセオの背景の青い空に飛行機が飛んでいる。

飛行機は長くてまっすぐな飛行機雲を残した。

天気は快晴。


コロッセオと、それに近隣するパラティーノの丘の入場券はセットになっている。

チケットはパラティーノの丘の入り口で買えば並ばずにすむらしいので、コロッセオはあとで見ることにして、パラティーノの丘へ続く聖道を登った。

パラティーノの丘はコロッセオと同じローマの遺跡エリアだ。

聖道は坂道になっていて、登りきったところには凱旋門が見える。


そして坂道を登り、凱旋門に到着したとき、古代ローマへのタイムスリップの旅が始まった。



つづく

坂道を登りきった場所にある、その凱旋門の名前は「ティトゥスの凱旋門」というらしい。

なんでも、ティトゥス帝の戦勝記念として紀元81年に建設された、ローマに残る最古の凱旋門ということだ。

見た目はパリの凱旋門に似ているが大きさはそれより大分小さい。

それでも、凱旋門なので、見上げるほど大きく、立派なものだ。


「ティトゥスの凱旋門」から見渡すことが出来るのが、古代ローマの中心であった「フォロ・ロマーノ」。

視界に映るすべてのものは今まで見たことのないものだった。

巨大な建造物跡が並ぶ「フォロ・ロマーノ」は古代ローマ帝国の繁栄を今も示し続けている。

あまりのスケールの大きさに頭の中が真っ白だ。



「ティトゥスの凱旋門」から左手に進むと「パラティーノの丘」の入り口があった。

「パラティーノの丘」のチケットは「コロッセオ」と共通。

チケット売り場は洞窟のようになっている中にあって、ちょっと面白い。

ガイドブックに載っていたとおりで、そこでは「コロッセオ」との共通チケットを並ばずに買うことが出来た。


「パラティーノの丘」入り口。

入り口といってもイタリア人の男が1人立っているだけだ。

チケットを渡して中に入り階段を上ると先程よりも見晴らしがよく、「フォロ・ローマーノ」の全景が見えるので何度もシャッターを切った。

さらに上るとレンガ造りの廃墟と鮮やかな緑。

古代都市遺跡と緑の組み合わせは、宮崎駿監督の「天空の城ラピュタ」のようだ。

とても穏やかな雰囲気で時が止まったように感じられる。


「パラティーノの丘」はとても広いので、スニーカーを履いてきて正解!

上り下りも結構あるから革靴じゃなくて良かった。



その日、フィルムはスペア(36枚撮り)一本だけ持ってきていて、後は昨夜泊まったホテルに預けていた。

十分だと思っていたけれど「コロッセオ」「フォロ・ロマーノ」「パラティーノ」始めてみるものばかりで、「パラティーノの丘」出るときにはフィルムは残り2枚。

「コロッセオ」の中と「真実の口」を取る為の最低限の最後の2枚だ。



「コロッセオ」の入り口にはたくさんの人が並んでいたが、先程のチケットがあるので並ばずに入ることが出来た。

楕円形の「コロッセオ」の中は思ったとおりの感じ。

サッカーのスタジアムみたいで、内周をぐるりと廻る。

一階席と二階席があるが、驚いたのはコロッセオの端にエレベーターが設置されていること。

古代の貴重な建造物だけど、入場者の数で考えたら、やむをえないのかな?


コロッセオの中には様々な国の人がいた。

内周を廻っている間に色々な人たちとすれ違う。

もちろん日本人もたくさんいる。

前から日本人っぽい女の子が歩いてきて、すれ違い様に声をかけてきた。


「すみません!」


(おっ!笑)


つづく


「すみません、写真撮ってもらえますか?」

見た目は20代、学生にしては大人びて見えるけど、メンバー構成からして大学生の卒業旅行ってところか?

同年代の女の子5、6人。

社会人だったら、もっと年齢ばらけてるだろうな・・・

声をかけてきた子は容姿端麗でノリもいい。

垢抜けてる感じなので東京から来たのかな?

日本語で会話できるというのも嬉しいので、こっちもノリノリで写真を撮った。


日本人と話した後だと、ちょっとぶつかった外国人に「あ、すみません!」なんて日本語で言ってしまう。

これはいかん。

気の緩みが現れている。

特に、人が多い観光名所では注意力を高めなくてはならない。

まだ先は長いので、こんなところでスリにあって金銭やチケットを失くしたら大変なことだ。

もう一度気を引き締め「コロッセオ」を出て、向かう先は有名な「真実の口」。


「コロッセオ」から「真実の口」がある「サンタ・マリア・イン・コスメディン教会」までは徒歩10分くらいか。

「パラティーノの丘」とローマの大競技場「チルコ・マッシモ」跡の間の「チェルキ通り」を歩いた。

「チェルキ通り」は2階建ての観光バス(2階がオープンになっている)も走っている通りだが、通りから見た「パラティーノの丘」も圧巻だ。

古代ローマの中心地は見る所が多いので、是非もう一度行きたい。


「チルコ・マッシモ」から「サンタ・マリア・イン・コスメディン教会」に到着。

「真実の口」はあまり目立たないその教会にあったので、少しわかりにくかった。

「真実の口」に手を差し入れると、嘘つきは河の神に手を食われてしまうらしい。

次から次へと観光客がやってきて、口の中に手を入れては写真を撮っていた。


なかなか人が途切れることはなかったが、少し待っていたら一組の母子連れと自分だけになったので写真を撮った。

1人ではあるけど、せっかく来たので口の中に手を入れていこうかなと思い「真実の口」に近づく。

思ったよりも立派だ。

「真実の口」はローマ時代の下水溝の蓋だったという説が有力らしい。

こんなマンホールの蓋があったら粋だなぁ・・・

その口の中にどれだけの人が手を入れたのだろう。

そんなことを思いながら手を差し入れた。

その瞬間・・・



「グァウ!!」




引きつった笑顔で後ろを振り向くと、母子連れが笑っていた。


おかあさん、おどかさないでよ・・・汗



次回、ローマ編最終回!?




GWはイタリアへ行こう!