サンピエトロ寺院の中はとても広い。

広いと言うよりも、長いと感じた。

入り口からまっすぐ正面奥の、「聖ペテロの玉座」という玉座につながる部分を身廊部というらしいけど、その部分が長かった。

まっすぐ歩いていくと中央部に「ブロンズの天蓋」というのがある。

なんだかよくわからなかったけど、キリスト教の使徒「聖ペテロ」の墓の上に作られたものらしい。

その「ブロンズの天蓋」というのがやたら大きかったのだが、なんと29メートルもあるらしい。

寺院の中はすべてのスケールが大きく、圧倒された。

ミケランジェロの聖母像、「ピエタ」にもたくさんの人が集まっていた。


しばらくして外に出たときは、サンピエトロ寺院の壮大さに感動して、頭の中が真っ白になっていた。

少しの間、ボーっとしてたけど、ふと思った。

「そういえばシスティーナ礼拝堂はどこ??」

ローマ1日目はガイドブックは持っておらず、付属の地図のみを持ち歩いていた。

地図を見るとサンピエトロ寺院と隣接してるので、そのままちょっと横に行けばいいように見えるのだけど、なんだかわかりにくい。

仕方ないので、サンピエトロ広場にある観光案内所に行き、カタコトのイタリア語で聞いた。

観光案内所はきっと英語も通じるはずだけど、あえてイタリア語を使うのには理由がある。



英語もできないから・・・


これはバリ島に行ったときに気付いたことだが、現地の言葉ならしゃべれなくても許される(笑)


「どこ?システィーナ?」日本語に訳すと原住民のようだが、そう聞いたら笑顔で答えてくれた。

しゃべれないのに一生懸命その国の言葉をしゃべろうとしてると、大抵、好印象みたいだ。

英語圏の国では許されないかもしれない・・・


バチカン美術館とシスティーナ礼拝堂に行くのは、どうやらサンピエトロ広場を出て駅のほうに少し戻り、違う方からバチカンに入るみたいだ。

そりゃあ、見つからないわけだ。


迷ったり感動してたりいろいろしてるうちにもう昼時だった。

もと来た道を戻ってる途中、おなかが空いてきたなーと思ったら、ピザ屋があった。

看板のメニューに日本語訳もついていたので、その店でピザを食べることにする。

イタリアに来たら、まず食べたいと思っていた、生ハムとモッツァレラのピザ。

飲み物のメニューは見てもよくわかんないので、ビールを頼んだ。


そこは交差点になっていて、テラス席から見えるのはイタリアの町並み。

イタリアのピザに昼間からビールビール

ん~、幸せだ音譜


教会での神聖な雰囲気は、すでにすっかり忘れていた。。。



つづく




1ユーロのチップを置いて、ピザ屋を出た。


バチカンのバチカン美術館は、その場所からバチカンの外壁に沿って3~4分歩いたところにあった。

入場料は13ユーロ、日本円で2080円。(両替したレートは、1ユーロ160円です。)

上野で美術館に行くと、通常の大人料金が1800円が多いから、料金はそんなもんかと思った。


バチカン美術館はシスティーナ礼拝堂とつながっている。

中は迷路のようで(ガイドブック持ってなかったからそう思っただけ?)、どっちに行ったらいいのかよくわからない。

とにかく、進んでいると一本道じゃなくていろんな方向に行くことができる。

美術品の数は非常に多い。

特に彫刻が多く、その時は世界中に美術館てここだけでもいいんじゃないの?と思った。

やっぱり、上野の美術館の料金を基準にしたら倍くらいでいいのかもしれない・・・


有名なのは、システィーナ礼拝堂のミケランジェロ作、「最後の審判」に加えて、ラファエロの作品群がある。

ラファエロ・サンティは、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロと並ぶイタリアルネッサンスの3大巨匠。

生まれはダ・ヴィンチやミケランジェロよりも遅く、2人の影響を受けているといわれている。


バチカン美術館には「ラファエロの間」というのがあるあるが、そこではラファエロの作品にはあまり感銘を受けなかった。

ラファエロの作品は、きっとそれを見る目があれば素晴らしいものだとは思うが、バチカン美術館の数多くの美術品や回廊の天井画などはそれぞれ美しく、美のシャワーを浴びる中でより良いものを見分ける知識と観察眼が自分にはなかったのかもしれない。

それでもバチカン美術館は、自分にとって十分に満足できた場所だし、再びローマを訪れたときも必ず行きたい場所だ。


そして、長く美しい回廊を抜けて、いよいよシスティーナ礼拝堂へ。

「最後の審判」ある礼拝堂内はカメラ撮影禁止。

礼拝堂入り口にはカメラのマークに×印がついている。


そして、システィーナ礼拝堂へと足を踏み入れた途端・・・



ピカッキラキラ ピカッキラキラ ピカッキラキラ


ピカッキラキラ ピカッキラキラ 



フラッシュの嵐・・・


記者会見かっ!?



つづく・・・


「人間がどれほど偉大なことを成し遂げられるか、ミケランジェロの大壁画を見るまでは、だれも分からないだろう。」 ゲーテ



出会いは突然だ。

その場所に辿り着いたとき、まだミケランジェロの偉大な壁画を受け入れる準備ができていなかった。

奇しくも、ミケランジェロのライバルであるレオナルド・ダ・ヴィンチの傑作「最後の晩餐」を観るときには、まったく逆の状況。

予約制であるダ・ヴィンチの作品のほうは、待ち時間に期待感を膨らませ、十分な心の準備ができた状態で対面することになる。


バチカン美術館内を迷い歩いている間に唐突に現れたような「最後の審判」、出会い頭のその印象は、とても自然に思えた。

礼拝堂内は思ったより小さく感じたが、「最後の審判」の大きさはイメージしていたくらいの大きさで、心にしっくりきた。

背景の空色は明るく、ポップな印象さえ受ける。

自分はキリスト教徒ではないから宗教画としてのありがたさはわからないが「最後の審判」魅力は宗教画としてのものだけではなかった。

とても大きな作品なのにバランスがいい、人物一人一人がしっかりと描き込まれている。

難しいことはわからないのだが、感動したというよりも、その空間はとても心地よかった。


それにしても撮影禁止のはずのシスティーナ礼拝堂、監視員が見てるにもかかわらずみんなフラッシュをたいてパシャパシャと写真を撮っている。

まったくお咎めなしだった。意味不明・・・



そして、10分~15分くらい経った頃だろうか、突然、ビィ~~~~~ッ!!と警報機のような音が鳴ったので何事かと思ったら、どうやら閉館の時間らしい。

もう20分くらい遅れてたら、「最後の審判」を観れなかっただろう。すごく危なかった!

のんびりピザなんか食べてる場合じゃなかったな汗

まあ、結果オーライ。

バチカン美術館に行く人は、閉館時間が早いかもしれないので、十分気をつけてください。



システィーナ礼拝堂を出て、バチカン美術館内の来た道とは逆の回廊。

「最後の審判」に満足した世界中の人々が、皆一様ににこやかな表情で出口に向かう。

自分もその流れに合わせて歩いていたら、美術館員の一人にこっちへ来いと手招きされた。


「何か悪いことしただろうか?まさか、ここに来てさっきのフラッシュの件について言われんの?」


なんだかよくわからないけど近づいていくと、ひょいと片方の手を差し出す。


差し出された手はミイラの手のようなものだった。

袖の中で持っているミイラの手を袖から出して笑っている。


・・・って、それまさか展示品じゃないよね?


イタリア恐るべし!

バチカン恐るべし!


そんなやつには絶対怒られたくないと思った。


しかし、肌の色に関係なくそんな悪ふざけをしてくれたのは内心嬉しく思う。

楽しい気分のままバチカンを後にした。


そして地下鉄に乗り、「ローマの休日」で有名な「スペイン広場」へ向かう。

最寄り駅のSpagna(スパーニャ)を出てスペイン広場に着いた途端・・・


「ナカーータ!!ナカムーーラ!!」


イタリア人が声をかけてきた。


・・・また変なやつが現れた



つづく・・・